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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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自由選択クラスですか?違います、動物園的な何かです

私達は今、騎士学校の門を抜けた先にある広場を歩いていた

騎士学校は高等部の校舎、中等部の校舎、そして生徒達が生活する男子寮と女子寮があり、講堂や各種施設などがあるためかなりの広さを誇っている


「へぇ、騎士学校って広いのね…レン、私はあっちの校舎だからレンは中等部の校舎に行くのよ?校舎に着いたら入り口に案内してくれる先生が居るみたいだからその人に着いていってね」


レンは騎士学校の中等部に編入で私は騎士学校高等部、自由選択クラスって所らしい


歩いていると前からいかにも魔術師だと言うようなローブを着た男性が此方へやって来る


「いやーお待たせして申し訳ない!今日から編入予定のレン君とお母さんのリンさんですね?俺はレン君のクラスを受け持つ教師のワルドです、よろしくお願いします」

そう言ってワルドが手を差し出すと握手を交わして


「此方こそよろしくお願いします、私も今日から高等部の方で暫く教師として働かせてもらう事になっているのですが…教師になるのは初めてなのでご迷惑をおかけするかもしれないですが息子共々よろしくお願いいたします」

私が頭を下げるのと一緒にレンが「よろしくおねがいします!」と私を真似て頭を下げた


「おぉ!これはご丁寧な挨拶を…レン君もしっかり挨拶出来て偉いなぁ!リンさんお互い教師として頑張っていきましょう!では、レン君。教室まで行こうか?」

レンとワルドは中等部の校舎の方へと歩き出す

「母さん、じゃあまた後でね!」


「皆と仲良くするのよ、行ってらっしゃい」


レンを見送った後、とりあえずアルバートの話だと案内の教師が迎えにくるって話だったけど…暫く待っていると一人の女性が近づいてきた


「あの、リン=ハヤサカさんでしょうか??」


「そうですけど…もしかしてアルバートから案内を頼まれた方ですか?」


一瞬女性の顔がひきつったけど…


「あわわわ…!学院長を呼び捨てにしてはダメですよ!?誰かに聞かれたら…」


慌ててそう言ってくる女性

そうか、アルバートって普通に偉いんだったわ…


「これからは気を付けてくださいね?っと、挨拶が遅れました…私は学院長からあなたを案内するように言われましたシャルドネです。よろしくお願いします!」


「気を付けるわ、私はリン=ハヤサカです。リンと呼んで下さい…では案内をお願いしても?」


「はい!では行きましょうか」


シャルドネと二人校舎の中を歩きながら学校について色々と聞くことが出来た


「……なるほどね、騎士学校と言っても全員が騎士になるわけではないのね」


「ええ、元々は騎士を養成するための学校だったのですが今のアルバート学院長が冒険者ギルドのギルドマスターということもあり、冒険者志望の生徒と騎士志望の生徒、一般の生徒で所属するクラスをお分けになったのです」


なぜか誇らしげにシャルドネが語る


「で、私が受け持つ自由選択クラスというのは?」


聞いてみるとシャルドネは顔を伏せて


「……言いにくいのですけど、自由選択クラスと言うのは先程の3つのクラスの中でも優秀な子を集める目的で作られたのですが…今では問題のある生徒を1つのクラスに集めたと言うのが現状でして」


「はぁ、つまりは厄介者を1ヶ所に集めたクラスね」


「はい…」


それからもそのクラスにいる生徒の情報などを聞いている内に目的の場所にたどり着いた


「では、行きましょう…」


教室の扉を開けるシャルドネ


教室の中に入ると全員の視線が私達二人に集まるが見渡してみると教師が入って来たのに誰も席に座ろうとせず逆に睨み付けてくる者までいる始末だった


「皆さん、席に着いてください!今日は新しい先生を紹介します」


シャルドネが言っても誰一人動く気配がない…あぁ、リンは思う…『なるほど、これは駄目だわ』


「また別の先生ですか、失礼ですが…僕達に教えるなんて出来ない様な先生なら必要無いですね」


一人の生徒がそう口にしたと同時に他の一部の生徒も同じ様な事を言い出す


「そうだぜ!どうせすぐに居なくなんだろ?なら最初から居ないほうがマシだぜ!」


………………。


「そんなこと言わないで、話を……」

シャルドネがなおも話を続けようとするが


「何回も言わせ…「えー、私が新しくあなた達を担当することになりましたリン=ハヤサカです、よろしく。人が話をしているときはちゃんと話を聞きましょうって親に教えられなかったのかしら?子供でもそれくらいは理解出来る筈だけど?」


言葉を遮って挨拶をするリン。それに対してシャルドネは顔を青ざめさせる

大体…生徒の顔色をうかがったりするからなめられるのよ……。

遮られた生徒は怒りを隠そうともせず立ち上がる


「おい…人が話てんだろうが…ふざけんじゃねぇぞ」


…はぁ。

リンは1つため息を吐くとバンっと教卓を叩く。


「黙って聞いてれば偉そうに…ここはなに?動物園かなにかかしら?いや、これは動物に失礼ね。アンタらがどんだけ優れてるのか知らないけどさ…あんまり大人を舐めるなよ(・・・・・・・・)?」


リンはそう言い放った。


静まりかえる教室…


先程まで怒鳴って居た生徒が動き出そうとするが、それを手で制し代わりに口を開く一人の生徒。


「そうですか…なら仕方ないですね。今までの教師みたいに実力で分からせるしかないようだ」


その生徒は立ち上がると一気にリンとの間合いを詰め、リン目掛けて腰に提げた剣を振り抜く。


「危ない!避けて!!!」


「オルト!!やめろ!ソイツはお前じゃ…!」


シャルドネがリンに向かって叫ぶのと同時に別の生徒が声を張り上げた


「馬鹿が……先に手を出したんだ、後悔するなよ?」


振り抜かれる剣をリンは半身引いて避けるとそのまま腕を引っ張り後ろへ投げ飛ばす。するとオルトと呼ばれた生徒は派手な音を立てて壁に激突する


「ガハッ!?」


「あらあら…受け身も取れないの?ごめんなさいね、ここまで弱いとは思わなかったわ」


リンはことさら冷たく言い放つ。


「オルト!?」


「次は誰?そんなに強いと言うのだから私一人ぐらい倒してみなさいな」


見渡して見るが誰も動く気配が無い。

それを確認するとリンは後ろを振り返る


「名前は…オルトだったかしら?確かにあなたは他の同年代やここの教師より強いのかも知れない、だけど今みたいに自分より強い相手を見極める事も出来ないで戦いを仕掛けたら間違いなくあなたは死ぬわよ?」


「そんな事はない…!次は…」


言いかけたオルトの胸ぐらを掴んで持ち上げグイッと引き寄せる。


「はぁ…そもそもあなたは私が殺す気だったらとっくに死んでるから。それで次なんてあるわけないでしょ。ま…いいわ、とにかく一旦全員席に着きなさい。話はそれからにしましょうか」


リンはオルトを降ろすと近くの生徒に手招きして席まで連れて行ってもらう


全員の着席を確認した所で口を開く


「さて、改めて挨拶をするわね。私は今日からこのクラスを担当するリン=ハヤサカです、私はここの学院長であるアルバートからの依頼でここにやって来ました。これからよろしくお願いね」


挨拶を終えた所で私はこれからの予定を説明する


「私が先程言ったようにあなた達は弱いです、このまま行けば確実にあなた達は長生き出来ないわ。それこそ騎士になったにしろ冒険者になったにしろね…」


全員の顔をゆっくりと眺めながらそう話す。

何人かは私が言った言葉をしっかりと自分の中で考えているみたいね…最初こそ酷かったけど反省してこれから頑張ればいい


「まず最初にあなた達一人一人の実力を見て見ようかと思います。ではさっそく校庭に出てもらいましょうか」


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