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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第17話 決着…?

ベアトリクスから剣を引き抜くとアルフレッドは弾き飛ばされた剣を手に取り鞘に納める


「あらら、もう終わったのかい?残念だなぁ」


剣を納めたアルフレッドに声がかかる


「……………ああ、終わった」


アルフレッドの目の前にはいつの間に現れたのか頭からローブを被った人物が佇んでいた


「流石は人間の中でも最高峰の実力と言ったところかな?これなら魔王様もお喜びになるよ」


「……………」


アルフレッドは興味がないといった風で背を向け歩きだす


「つれないなぁ、これからは仲間同士なんだから仲良くしてくれないとさぁ………あんたの望みを叶えるためにも…ね?」


アルフレッドは歩みを止めると振り返り様に剣を抜きフードの人物に突き付ける


「…願いを叶える事が出来るならこの身は貴様らにくれてやる…全ての敵を斬り伏せ、薙ぎ払い、尽くを地獄に叩き落としてやる…だが、もし約束を違えたその時は………」


眼球のないアルフレッドの眼孔の中で不気味な光が輝く


「わかっていますとも、我等が魔王様は約束を違えることはありませんからねぇ、だからお願いしますよ?貴方はギルドと王国に復讐する機会を、我々は邪魔な高ランク冒険者を排除出来る…利害は一致しているでしょう?」


フードの人物はそっとアルフレッドの剣を指で摘まむと


「それと、私に剣は向けないほうがいいですよ??私でも手元が狂うことはありますからねぇ」


一瞬だが辺りに濃密な殺気が溢れる


「…いいだろう、俺は俺の目的を……」


そこまで言った所でアルフレッドは後ろを振り返る


「まだ息があるか、存外にしぶといな?ベアトリクス」


アルフレッドの視線の先には倒れた場所から大剣を手に掴むべく腕を伸ばしているベアトリクスの姿があった

「…残念…だったわねまだ私は……死んじゃいないわよ」


大剣を掴み支えにして立ち上がる


「ハァ…ハァ…」


しかしただ気力で立ち上がったベアトリクスには大剣を振る力はない、むしろ刻一刻と胸の傷口から血が溢れだして体力を奪っていく


情けない…立ち上がっても剣を持つ腕には力がまったく入らないし、いよいよ目も霞んできた…ここまで…かな


「死に損ないめ、大人しくしていれば楽に死ねただろうにな…」


アルフレッドが剣を構えベアトリクスへ向けて剣を走らせるが…


ギィン!


何者かが割り込んでアルフレッドの剣を受け止めた


「…!?貴様、なぜ生きている?!」


そこに居たのは漆黒の刀で剣を受け止めたリンだった


「勝手に人を殺すな、骨野郎!」


リンは剣を弾き返すとベアトリクスを抱えて距離をとる


「ベアトリクス、しっかりしなさいよ!」


リンはベアトリクスに声をかけるが傷口を見て焦る

これは、早く傷口を塞がないと…目の前には敵がいる、でも傷を塞がなければ死んでしまう…参った、八方塞がりとはまさにこの事ね


「あの爆発で消し飛んだと思っていたが…まぁいい、2度はない」


アルフレッドが剣を構え走り出すがリンはホルスターからデザートイーグルを抜くと


「邪魔よ…!」


アルフレッドに向けてトリガーを引くとデザートイーグルは銃口から火を吹く


連続でトリガーを引くたびにアルフレッドの鎧に穴を穿つ

たまらずアルフレッドはリンから離れた


「貴様、その武器はなんだ…?」


自身の鎧に開いた穴を確かめ、問いかけるが


「今はあんた等に関わってる暇はないわ」


リンは素早くベアトリクスの胸の周辺の衣服をはだけさせると躊躇なく傷口に発砲で加熱した銃身を押し当てた


「ッ!!!?」


肉が焦げる嫌な匂いが鼻をつく


「ごめん、我慢して!焼いて傷口を塞ぐしかないから…」


ベアトリクスは掠れた声で「ありがとう…」と呟くと血が足りないのと痛みで気を失った


「なにしろ早めに片付けて治療して貰わないと…さぁ、待ってて貰って悪いけどさっさと終わらせるわよ」


リンは立ち上がってアルフレッドを見据え、デザートイーグルのマガジンを入れ替えスライドを引く


「先程から尋常でない殺気をこちらに放って牽制してた奴がなにを…」


「これはこれは、恐ろしいお嬢さんがいたものですねぇ、私も久し振りに冷や汗をかきましたよ…貴女は一体何者なんですかねぇ?」


ローブの人物はおどけた口調でリンに問いかけるが


「顔を隠してる奴に名乗る名はないわね、人に名を尋ねるなら自分から名乗りなさいよ、あとその人をバカにしたような口調ムカつくから喋らないでくださるかしら?」


「これは手厳しい、ですがまだ正体を知られる訳にはいかないのですよ、というわけで私は撤収することにしますか…アルフレッドさん、後はお任せ致しますが、くれぐれも引き際を誤らないようにお願いしますね」


そう告げるとローブの自身は後ろに下がってゆく


「逃がす訳には…と言いたいけど、敵が減るにこした事はないわね」


さて、一番ヤバそうな奴は居なくなった訳だけど…どうしたものか。


「……で、あんたはどうするの?逃げるなら追わないわよ?戦うなら叩き潰すけどね」


リンはデザートイーグルをアルフレッドに向けた状態、アルフレッドは両手に長剣を構えた状態、双方いつでも仕掛けられる準備は出来ているが


「いや、俺もやめておこう。先程の殺気でお前の実力は今の俺を上回っているのが分かったからな…やり合えば無事ではすまなそうだ」


アルフレッドが剣を納めると同時にリンはデザートイーグルをホルスターに収める


リンは肩を竦めて


「いいわ、あなたが向かってこないなら私は手を出さない。ギルドからの指示は捕縛か殺害みたいだけど、私はギルドとあなたのどちらが間違っているのかなんて分からないし、さっき貴方が魔法と一緒に叩きつけた叫びに込められた感情は嫌というほど伝わってきたしね」


「………………」


でも、とリンは視線を鋭くすると


「他の関係のない人を巻き込んだ事に関しては許されることではないし貴方と同じように家族を失った人々は貴方を恨む、それと…今回は見逃すけど次は無いわよ?」


アルフレッドの空虚な眼孔に点った灯りが少しだけ揺れる


「…覚えておく、だが1つだけ忠告しておく…王国とギルドは信用するな。それだけだ」


そう告げるとアルフレッドは影に溶けるようにその場から姿を消した





どうもー!とりあえず投稿です!

そろそろ設定やら色々な面を説明回みたいな感じでやろうかと思います。すいません、今まで分かりにくい部分が多かったですよね(*_*)読んでくださっている方はどうかもうしばらくお付き合いください(笑)あ、誤字脱字ありましたらお知らせくださいm(_ _)m

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