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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第13話 遭遇そして…

竜の背中から見た街は所々から黒煙があがり、街の人々が逃げ惑う姿が目に入る


「一旦地上に主らを降ろす。後は各自街の人々を襲っている魔物を倒してくれ!《双剣乱舞》を見つけた場合はこれを空に向かって打ち上げるんじゃ」


そういってアルバートが私たちに渡したのは下に紐がついた筒だった


「紐を引くと煙を撒き散らしながら筒から玉が飛び出す。いいか、絶対に一人で戦ってはいかんぞ!」


筒をポケットにしまうとバハムートが地上へ向けて高度を下げる


「ではお主らも気をつけてな、ワシとバハムートも別々に街の人々を助けて回る。頼んだぞ」


そうして私たちはバハムートから飛び下り、着地する。


「じゃあ私は住民を助けながら南側へ行くわ。アルバートが東側にむかったからリンは北をお願い」


「分かった、じゃあガストロノフは西側をよろしくね」


「任せろ。二人とも気をつけてな」


それから暫く北へ向かいながら街の人々を襲っている魔物を切り伏せていく。

魔物は昔アニメで見たような外見のゴブリンや、オーク、リザードマン等色々な種族が入り乱れていて中々に混沌としている。


「キリがないわね、次から次へと…まるで台所の黒い悪魔と一緒じゃない」


また建物の影からゴブリンが飛び出してくるが出てきたと同時に村雨で横一文字に切り裂く。リンが通った後には臓物をぶちまけた魔物の死体が増えていき…進むにつれて魔物と遭遇する頻度が増している。


あぁほんとにキリがない。


やがて前方に見覚えがある建物が目に入ってきた。


「あれは…?ギルド?別の街でも外観は一緒なのね…」


ギルドの入り口の近くまで来たその時、いきなりギルドの扉が内側から吹き飛んで扉と一緒に人らしきものも一緒に飛んでくる。

扉と一緒に吹き飛んできた人物は受け身を取りながら地面を転がってリンの近くで止まるが…その人物は立ち上がってすぐに片膝をつき荒い息を吐きながら呟く。


「……くそ!なんでアイツが生きてるんだ…クレア…すまない、父さんはどうやら帰れそうに…」


「酷い怪我ね、一体なにがあったの?」


とりあえず手を差し伸べながら問いかけると驚いたのか一瞬体が強張る男だったがすぐに首を振るとリンに逃げるように促す。


「嬢ちゃんは…?すまないが時間がない…」


男は立ち上がると手に持った戦斧を構えるとギルドの壊れた入り口を睨み付けた。


「はやく逃げろ!奴に、アルフレッドに見つかるぞ!」


………どうやら私のルートが当りだったようね。


「ほう、また一匹ゴミクズが増えたか?だが関係ない。まずは貴様だ…《豪腕》ジョージ=エルトン」


ギルドの入り口から現れたソイツは漆黒の全身鎧を身に纏い、声は兜が顔全体を覆っているからかくぐもった声音で目の部分だけが赤く不気味な光を放っていた。

その両手…右手には蒼く透き通った刃で刀身に冷気を纏ったような長剣、左手には紅蓮の刀身に十字彫刻が施された長剣を携えゆっくりと此方へ向かってくる。


「くっ、アルフレッド!この嬢ちゃんは関係ない、やるなら俺だけにしろ…!」


私を庇うようにジョージが立ちふさがるがアルフレッドは馬鹿め、と言いながら剣を構え…「それは無理だ。なぜなら…」その瞬間、アルフレッドの姿が消えると同時にジョージの目の前に現れ「すぐにお前は死ぬからな!」と言って両手に持った剣で地面を抉りながらジョージに向けて剣閃を走らせる。


「っ…!」


目の前に現れたアルフレッドの攻撃は回避が間に合わないと悟り、ジョージは目を閉じるとやがてくるであろう痛みに耐えるため歯を食い縛るが、ガギンッと音が響き渡る。

恐る恐る目を開くと目の前には先程まで自分の後ろにいた女がアルフレッドの剣撃を見たことがない造形の漆黒の剣で受け止めていた。


「…悪いけど私貴方に用があるのよね、先に私と戦って貰いましょうか!」

言い放つと受け止めていた剣を村雨に力を込めて弾き、追撃で蹴りをお見舞いするとアルフレッドは吹き飛ばされながらも空中で体を捻り着地すると地面を足と剣で削りながら止まる。


「俺の剣撃を止めるとはな…」


アルフレッドがそう呟きジョージも驚きに目を見開いていた…あの間合いに割り込んだばかりか自分でも受け止めるには重い一撃を目の前の彼女は軽々と受け止め、さらに蹴りだけでアルフレッドを吹き飛ばしたのだから。


「嬢ちゃんは一体…」


何者かと言う前に彼女はそんな事は良いから、と言って

「今は説明する時間がない、あなたは逃げて」

「一人では危険だ!奴は元EXクラス…君が何者かはわからんが強いのは分かる、だが一人で戦ってはいけない!」


だが彼女は首を振る。


「あなたのその怪我では足手まといよ。家族がいるんでしょ?なら生きて家族の元へ帰ってあげなさい、私なら大丈夫。だからはやく!」


確かに万全の状態だったにも関わらずこのザマだ。怪我を負ったこの状態では役に立たないだろう…


「………解った、お互い生きて帰ったらこの恩は必ず返す!」

そうしてジョージが駆けていくのを見送った所でアルフレッドが剣を向ける。


「さて、そろそろいいか?どちらにしろお前を殺してあいつも殺す。それだけだ」


アルフレッドが両手に持った剣を十字に構えると肌に刺さるような殺気が放たれる。


「私は簡単に殺せる女じゃないわよ…?」


こちらも村雨を構えなおして息を吸う。


「気に食わん女だ…あの世で後悔しろ…!」


アルフレッドがこちらに向かって駆け出すと同時にリンもアルフレッドに向かって駆け出す。


アルフレッドは蒼の長剣を下から斬り上げてくるとそれを横に体をずらして避け、村雨をアルフレッドの首目掛けて振り抜く。

しかしそれをアルフレッドは「今までの奴らよりは骨があるじゃないか…!」と言いながら難なく躱し、さらに紅蓮の長剣で突きを繰り出す。

それを村雨で受けつつ長剣の刃に合わせ、火花を散らしながら村雨を走らせる。

これは早坂流剣術の1つ《白刃渡し》これは本来なら相手の剣を受けたあとに刀身を滑らせ受け流しつつ相手を切り裂く技だけど……

アルフレッドはバックステップでそれを回避した。


一瞬の攻防だったが、リンの頬を冷や汗が伝う…


全てかわされるとは思わなかったわね…まさかここまで強いとは思わなかった…これじゃ合図を送る余裕なんて…ない。


「女、……貴様は間違いなく今までの奴らとは格が違う、何者だ?」


アルフレッドは剣をこちらに向けながら問いかける。


「リン。ただの新人冒険者よ」


「リン=ハヤサカ…お前は俺に用があるといったな?大方ギルドから依頼が出たんだろう?俺を殺せ、とな」


新人冒険者って所は無視されるが…


「ええ、だけど捕縛か殺すかの2択だったけどね…一体なぜギルドはあなたを殺そうとしているの?そもそもあなたは死んだってさっきジョージって人も言ってたわよね」


死んだとされる人間が目の前にいるのは何故なのか…当然の疑問…。


「…………復讐。俺はその為に地獄から舞い戻ってきた、それだけだ…それを邪魔するのであれば誰であろうと関係ない、全て斬り捨てるのみ」


アルフレッドの言葉から凄まじいまでの憎悪が溢れている。


「なにがあったか知らないけど魔物と一緒になって関係ない人達を巻き込むのは感心しないわね、はっきり言って迷惑なのよあんたは!」


刀を肩に担ぐように両手で持ち思い切り振り抜く。


「なんと言われようが俺がやることは変わらん!魔物だろうがなんだろうが利用出来るものはなにを使ってでも復讐は果す!貴様も邪魔をするなら死ね!」


迫る村雨を右手の剣で受け止めたアルフレッドが言葉に力を込めて叫ぶ。


「冒険者ギルドが!」


左手の剣で突きを放つがそれをリンが剣の腹を殴って跳ね上げ…


「俺の両親を!」


両手の剣を防がれるとアルフレッドは右足で蹴りを放つ


「妻を!」


それをも防ぐリンにギリっと歯を食い縛り…


「……子供さえも…」


そして、不意にアルフレッドは剣を手放す。


「全てを奪った!!!!」


リンが繰り出した村雨を躱し、その腕を左手で掴む。


「来たれ、紫電の雷よ!我が敵を喰らい尽くせ!」


詠唱と共にアルフレッドの右掌が輝きを放ちリンにも分かる程に膨大な力がアルフレッドとリンを包む。


「ボルカニックディストーション!!」


その瞬間強烈な光の奔流がリンを包み込むと一気に弾け爆発が巻き起こり爆風で吹き飛ばされる。


「俺の邪魔をしたことをあの世で後悔するんだな…」


そう呟くアルフレッドの声を最後にリンの意識は途絶えた。

時間かかりましたがなんとか投稿できました!

ご指摘を初めて受けました、なんとかやってみたいと思います!

引き続き誤字脱字等もありましたらお願い致しますm(__)m

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