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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第12話 竜って乗り心地がいいみたい

今私はアルバートが召喚した竜…バハムートに乗ってアルセリスへと向かっている


竜って初めて乗ったのだけれどこれはこれで意外と快適だな…そんなことを考えていると


「さっきから聞きたかったんだけど、貴女変わった服装してるわね。そんな格好で戦うの?」


隣に座って装備の確認をしているベアトリクスが話しかけてくる


今の私の格好は髪を後ろで無造作に纏めただけの適当なヘアスタイルで肩にかけた軍服が風でマントの如くたなびいているし、その下は数少ない私の私物である黒のタンクトップ、右脇の下にはホルスターに納めたデザートイーグル、それにマリーから貰ったズボンと腰に村雨を吊り下げ足元は軍用ブーツという防御力はどこに捨ててきたといえるような装備である。


そもそも今日の予定はバドの店で装備を整えるのが目的だったのに色々有りすぎて結局手に入れたのは村雨のみ、しかも嫌な気配は今のところ消えているが普通の刀とは明らかに色々とおかしいときた。


「昨日登録して今日装備や服を買いに行くつもりだったのよ。まさかこんな事になるとは思わなかったからね」


するとベアトリクスはカラカラと笑いながら

「服を買いにって…だからってそんな下着みたいな格好だと男には目の毒よ、いや保養かな。見てみなよ?天剣なんてさっきからこっちを見ようともしないし」


なおもニヤつきながらガストロノフを指差すベアトリクス


言われてガストロノフの方を見ると……あぁなるほど。確かに下を向いてこちらを見ないようにしているみたいね


「別に女なんて思わなくていいのにね、それに見られて減る訳でもないのだから」


それを聞いたガストロノフがぼそっと小声で


「そんな事はない。………すごく魅力的だ」


なんか言ったけど聞き取れなかった。そこで私は今度はベアトリクスに質問することにした


「あなたの通り名って《灰塵》だったわよね?どうしてそんな通り名になったの?」


「あぁ、それねー。私の通り名って元々《爆炎皇》だったんだけどねー、特別なにかしたような気はないんだけどいつの間にかって感じよ」


へえ、通り名って変わるんだ。てか前の通り名の方が格好良いじゃないの?


「ふん、ベアトリクスの元の通り名の由来はな、元々は杖を使っていて魔術を多用して、特に火属性の魔術を好んで使って敵を燃やし尽くすその苛烈な戦闘スタイルからついたのが《爆炎皇》だ」


え、さらっと恐ろしい事実が…


「じゃあなんで《灰塵》になったのよ??」


「ある依頼で魔族の軍隊と交戦したんだが相手の指揮官が優秀でな。逆に、こちらの指揮官様は貴族上がりの坊っちゃんでハッキリ言って馬鹿だった。そしてなかなか相手に痛撃を与えることが出来ずに戦闘がながびいて、俺達冒険者の遊撃隊が無能扱いされたんだ奴は「高い金を払ってるんだ!それに見合う仕事をしろ!無能どもが!Sランクと言っても大したことないではないか!」なんて言ってくれたしな。まぁ依頼主ではあるから俺達は黙って聞き流したんだが、一人だけ烈火の如くキレてる奴が居たわけだ」


あぁ、先の展開がなんとなく想像出来る。その指揮官を消し炭にしたとかだろう


「それから次の戦闘の合図と共にそいつが飛び出して行ったんだが、なにをするかと思えばほぼすべての魔力を解放して最上級の爆炎魔法、エクスインフェルノを敵陣にぶちこんだんだ。凄まじい光と熱風、爆発音に俺達は度肝を抜かされた。いくら最上級とはいえあそこまでの大爆発を引き起こすとは思えんかったが、そうして燃え盛るなか歩いてこちらに戻ってきたそいつが言ったんだ「あー、すっきりしたわ。苛々してたらやっぱダメね、やりすぎちゃった」と。後に残されたのは消し炭になった敵が大量に灰となっていた事からそいつの通り名は《爆炎皇》から《灰塵》に変えられたってわけさ」


……………想像の斜め上をいく結末だったわ。なにがいつの間にかよ、かなりの事件引き起こしてるじゃないの


「まぁ、あれだけの威力はあの時の宝具級の装備、アイテム、魔道具、全て揃って初めて出せる最高火力、だからもう無理。装備も無くなったしね、そんなわけでさすがにやり過ぎた感があったし、かといって装備無しで魔術主体のスタイルはしんどいから辞めて武器での近距離戦に切り替えたってわけよ、元々大剣の扱いは慣れてたし」


ケラケラと笑ってはいるが、かなり洒落になってない経歴だこと…やりすぎちゃったじゃすまないと思うけど…


「まぁ、私の事はいいから、リンの話を聞かせてよ?登録からSSランクなんて初めて聞いたし」


ずいっと私の方に詰め寄ってくるベアトリクスに対して少し引きながら答える。


「わ、私??…私はただ登録してみたらSSだったってだけよ、これと言ってなにかしたわけでもないし…」


「そんな訳ないでしょー、ギルドのランクシステムは能力、スキル、依頼達成の内容、討伐内容の全てが関係してくるからね、最初からSSランクになるには能力、スキルだけでSSランクの基準値に達しているとかじゃないと無理だもの。あー、あとギルド主催の魔闘演舞でSSランクの相手を倒すとかもあるかな。そ・れ・と!どうして顔にそんな傷を負ったのかも気になるしさ」


ベアトリクスって意外によく喋るのね、ガストロノフは見た目通りだったみたいだけど。


「ランクは多分そのままステータスが関係してるみたいだけど、顔の傷は……」


「いや、話したくないなら無理しなくていいのよ?」

気を使ってくれたのかベアトリクスが慌ててそう言うが


「大したことじゃないわ、ただ戦闘中に敵に斬られただけだし。…まぁお父さんからは色々言われたけどね」


「お主らそろそろアルセリスに着くぞ……む、あれは!?」


アルバートの声が険しくなる


「遅かったか…、やはり情報どおりじゃ……。奴め!魔王軍の手先に成り下がったか!!」


そこに広がっていた光景は…………異形の者が街を蹂躙している…元の世界でも見覚えのある虐殺の光景だった………





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