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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第10話 その名は村雨。だと思う

そんなわけでまた再び裏庭に来た私たちはまた鎧をセットしている、フルプレートは私が斬ったから今度はレザーメイルを使う


「リン、まずは使うところをみせてくれんか?」


「いいわよ、別に特別な動作は必要ないわ、最初にこの部分をスライドさせて弾を装填する、あとは引き金を引くだけ。見てて」


リンは片手でデザートイーグルを構えると鎧に向けて照準を合わせると引き金を引き絞った


ズドンと音を立てて弾丸が発射されると次から次に引き金を引く。

ガキッと音がしてスライドが引いたままになりマガジンが空になったのを知らせる


「な、なんじゃ!今のは!?何が起こった!?一瞬でレザーメイルが原型が分からんぐらいに破壊されとる!」


「これが、銃。これを人に撃てば手足を吹き飛ばすくらいは出来るわね。ただ、威力に関して言えばこのサイズでは高いけど、これよりも威力が高い物も存在するわ」

そう説明すると


「信じられん、並みの魔導師が撃つ魔法より威力があるぞ、これは確かに使いどころに困るな」


まぁ既に何度か使っちゃったんだけど…ま、なんとかなるでしょ


話をしながら店内に戻ると再び武器を見てみる


「だがなぁ、お前さんに釣り合う武器はこの店にはないかもしれんな。」

「うーん、どうかな?なにかしらありそうだけど…」


近くにあったハルバートを持ってみるとこれもいい感じなんだけど


「無理じゃ、これを見てみろ」


バドじぃは先程使った長剣を投げ渡してくる


鞘から刀身を抜くと言われた意味が分かった。

刀身には無数の亀裂が入っている、これは修復出来ないな


「どの武器だろうと結果は変わらんじゃろうて、うーむ、どうしたもんか…ん!ちと待ってろ。もしかしたらあれなら…」


バドじぃが店の奥に消えていってから数分後、なにやら厳重に鎖を巻き付けた木箱を持って帰ってきた


「なにそれ?怪しさ満点ねその箱」


「こいつはな、ワシの親父が冒険者から譲り受けたものなんじゃが、ちと問題があってな、店の倉庫になおし込んでおったんじゃがそれを思い出してな」


カウンターに箱を置いて話しているが、その間も箱から目線が外せない


バドじぃは鎖を一つ一つ外していくが、鎖が外れる度になんだか嫌な感じがするのよね


そして最後の鎖を外すと木箱の蓋を取る


その中に収まっていたモノは


「なんで、この世界にこれが……」


それは紛れもなく私の世界で見慣れたモノ………日本刀だった。


「む、お前さんこいつを知っているのか?しかし、こいつは問題があっての……」


おもむろにバドじぃは刀の柄を持って引き抜こうとするが…


「どうやっても抜けんのじゃ、持ち込んだ冒険者の話では、ダンジョンの最奥にたどり着いたときダンジョンの守護者に突き立てられていたと言う話でな…。こいつに寄りかかる様な格好で持ち主は生き絶えていたそうじゃ、その冒険者はこいつを持ち帰る際に亡骸の腰にあった鞘に納めたらしいのだがそれから引き抜けなくなったという話じゃ」



バドじぃがどうしてそうなったのか説明してくれるけど、なんでこの世界に日本刀があるのかが謎だ


「その亡骸はどこに?」


「あぁ、この街の墓地に埋葬してあるぞ。名前らしきモノが防具に彫りこんであったからそれをそのまま墓に刻んであるんじゃよ、後で案内してやるから花でも手向けてやってくれ」


そして私に刀を渡してくる、呪われてる感が半端ないんだけど…持ってみたらすぅーっと嫌な感じが消えていく…なんだったのかしら?持ってみて気付いたけど、これは普通の日本刀よりもかなり重い。


「抜けないんでしょ?てか呪われてたとかじゃ……」


私の脳内には某有名ゲームのメロディーが流れてくる

『しかし外せなかった!』とか言わないでしょうね…?


柄を持って力を入れると鍔鳴りが響き渡り滑らかに引き抜けた


「普通に抜けるじゃないの?しかも手に持ったら嫌な感じが無くなったし」


刀身を見てみると刀身は漆黒に紅い波紋で、普通の日本刀の色合いではなかった。やっぱり呪われてるんじゃ…


「……初めてワシはそいつの刀身を見たが、これは…美しい。しかし、この様な細く薄い刀身ではすぐに折れてしまいそうじゃな」


「多分だけど、大丈夫よ。私の故郷ではこれ、日本刀って言うんだけどこれで鋼を切り裂く人もいるわ」


そう、一番有名なのはやはり『また、つまらぬ物を斬ってしまった』が決め台詞のあの人だろう

あれは架空の人物だけど現実でも実際に斬ることは出来る


「なんと、そいつは凄い。というか、お前さんの故郷はなんでもありじゃな」

バドじぃは若干呆れながらそんなことを言ってくるが私からすればこちらの世界のほうがなんでもありの様な気がするケド…


「そいつはお前さんにやる、どうせ抜けなかったものじゃ、元の持ち主も同郷の人間に使ってもらうのは本望じゃろうて」


「ありがたく使わせてもらうわ、これの銘は知ってる?」


バドじぃに問いかけると


「いや、分からんのじゃ。持ち主は亡くなっておったしの」


ならば


「リン、なにをしてるんだ?」


羽ばきを外し、鍔をも外すと柄をばらして刀身を外すとそこに銘が彫ってあった


「村雨…?」


間違いなく村雨と彫ってあるが…村雨って黒かったかしら?


「ムラサメとな?いい名じゃな、これからはリンが大事にしてやってくれ」


こうして私は村雨?を手に入れた…



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