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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

それだけの

作者: 能里
掲載日:2015/09/08

おはよ


はよ


昨日、タケルが事故って入院したらしい


へぇ


お前、お見舞い行ってやれば


それほど親しくないけど


ま、無理にとは言わないけど、結構ひどいらしくて復学できるか微妙らしい


それ、お見舞いマズイんじゃないの


あいつ、お前の事、気に入ってたからさ。元気づけてやりたいじゃん


重すぎ。責任取れないよ


そんな深く考える事ないって


無責任だな


なんかしてやりたいじゃん


お前でできる事をしてやればいいんじゃないの。

正直、俺に出来る事はないと思う


お見舞いぐらいいいだろ


悪いけど


友達がいがないやつだな


悪いね


マジでさ


しつこいよ


なんかあいつとあったの


お前の点数稼ぎに使われたくないだけ


おい!


タケル、いいやつだろ


そりゃまぁ


大変な時に余計な重石をかける手伝いをしたくない


笑ってりゃいいから。得意だろ、お前。


そりゃあね。

御影、お前さ。もう話しかけないでくれない。


は? なんだよ、怒ったのかよ。


呆れただけ。時間の無駄だから。お見舞いには行かないし、お前との付き合いもこれまで。

バイバイ。



 一週間後、タケルが死んだと聞いた。

 告別式に誘われたけれど、行かなかった。

 タケルとは、高1の時のクラスメートで、学校では放課後顔を合わせると話す程度の仲だった。

 彼は陸上部のホープで400mの県代表だった。

 国体にも選ばれたが、怪我で長期離脱を余儀なくされた。

 今回の事故はその矢先に起こったもので、バイクでの単独事故だと聞いた。

 タケルのバイク好きは有名だったが、県代表に選ばれるようになってからは部活に比重を置いていたので、乗ったのも久しぶりだったんじゃないだろうか。

 告別式には行かなかったが、月命日に事故現場へ花を手向けた。




 悪いな。御影とお前との三角関係なんてぞっとしないし、正直ほっとしてる。

 御影よりお前の事、好きになれなくてごめん。

 詫びにもならないけど、御影とは縁を切るから。

 、、、、、、、、。

 そんだけ。

 じゃあな。



 高2で御影とつるむようになるまで、タケルとはツーリング仲間だった。

 二人で無人駅で野宿して、道の駅で飯を食ったり、馬鹿なことばかりしてた。

 タケルが陸上に専念するようになって疎遠になった後は、御影に名前を聞くまでは思い出しもしなかった。

 俺にとってタケルは、それだけの相手だった。

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