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甘い疑惑  作者: 赤井林檎
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序章

前にエブリスタやホームページで書いていたのを少し直してこちらで書いてみました。

京の変身処・みやびこう


公家の末裔で元子爵家末裔である三条明長(さんじょうあきなが) (28)と妹の充子(みつこ)(26)が営むこの店では 舞妓、鹿鳴館、大奥、芸妓、姫、花魁、十二 単、殿様衣装などで記念写真を撮ることができる。


「お疲れ様です。お写真の方できあがりました。」

と できあがった写真を渡す充子。

「ありがとうございます。私のデジカメと携帯で撮ってくださったのもみたんですけどやっぱりここに来てよかった!こんなにきれいなお姫様に撮ってくださるなんて!今 度は友達と来ますね。」

「えぇ、是非!それではお気をつけてお帰りください。ありがとうございました!」

と 客を送りだし店の中へ入る充子。


「次のお客様は1時間後ですね!」

と 明長の妻・美佳(みよし)(24)。充子に憧れている。

「えぇ。上様と正室、戦国武将と姫の設定で 撮りたいそうよ。結婚式挙げないかわりの記 念写真ですって。」

「やーん楽しそー!」

と 充子に抱きつく。

「楽しいわよ。思い出に残る日にしたいわね。」

と 美佳の頭をなでる。美佳はうれしさでうっとりと目を閉じた。



そこへ充子に一目惚れしてむりやりでも妻に しようと企む不動産会社社長・市野瀬博(いちのせひろし) (31)がやってきた。

彼は充子を手に入れるためにみやび光を潰そうとも企んでいる。


「充子!充子!」

と 叫ぶ博。 また来やがったか!と怒り心頭で美佳から離れる充子。

美佳は不安そうに

「お義姉様…。あ!…行かないで!!」

と 呼び止めるが充子は無視。


「ご用件はなんでございましょうか?そんな大きな声で叫ばなくても、まだ26なので聞こえます。」

「いちいち生意気な女だな。まぁいい。俺は 京美人なおまえを独占したい。俺の女に…」

「私、男は嫌いなんです。誰のものにもなるつもりはございません。さっさとお帰りください。」

と 冷たくあしらう充子。

「何!?店がどうなってもいいのか!?」

カチンときた充子は美佳を呼ぶことに。

「美佳さん!!早ようこの下人を!!」

「はい!お義姉様!」

美佳が誘うような甘えた顔をしたので油断した博。

店の外へ引きずり出し中へもどって鍵を閉めた。

「こら!なにすんだ小娘!!…覚えてろ充子!どうなってもいいんだな!!」

充子は博を睨みつけ部屋の奥へ入っていった。




仕事がおわり夕飯の買い物に行った美佳の帰りを家で待つ充子と明長。

「観光案内の雑誌以外で来月取材受けることになるなんて、親父とお袋が死んでも店たた まなくてよかったな。」

「えぇ。がんばったかいがあったわ。」

「それより充子、またあの野郎きたのか?」

「ちょうど兄様がいない時に。兄様のいない 時間帯どこで調べたのかしら。」

と 不機嫌そうに言う。

「こうなったら休憩時間を変えるしかないな。」

「兄様…。」

と 明長のやさしさに胸がキュンとなりうっとりみつめる充子。その表情にドキッとした明長。

「充子、あいつから逃げ切るには彼氏を作るかほかの男と結婚するしかない。」

と 思いをふりきるように言った。その言葉にショックをうける充子。

「私は…兄様が欲しいの。」

と うるんだ瞳で言う。

「…そうか。(俺たちは実の兄と妹だ。一線を越えるなど許されるはずがない。)」

と 気持ちをおさえる明長。

充子は失意のどん底に…。


美佳が帰ってきて玄関を閉めようとした時、 博が体当たりでドアを開け、美佳の持ってい た買い物袋を投げ飛ばし、後ろから美佳を抱 きナイフをつきつけた。

「キャーーーーー!」

という叫び声をきいて充子と明長が飛び出してきた。

「美佳さん!!」

「美佳!?市野瀬!!おまえどーゆつもりだ!!!」

「充子と結婚したいんだ。」

「おまえなんかと結婚させん!!充子!!警 察呼べ!!」

「はい!」

「店は潰れ小娘が死んでもいいんだな?」

「嫌ーー!!」

「やめろーーー!!」

「やめなさい!!結婚すりゃいいんでしょ? 明日の夜、迎えにきなさい。荷物まとめて 待っていますから。」

「何!?本当か!」

と 美佳を解放した。美佳は明長の後ろへ隠れた。

「ダメだ!それだけは絶対に……!」

と 倒れた。

「明長様!明長様!」

「(兄様…!?)逃げも隠れもしないわ よ!!いいからさっさと帰りなさい!」

と 博を玄関の外へ出し追い返した。

「やっと充子が俺のものに…!ふふっ…はははははっ!」


明長は高熱で倒れた。 美佳が明長をパジャマに着替えさせふとんをかけてすぐ、充子が氷枕を持ってきた。

「お義姉様、ありがとうございます。」

「ううん。私にはこのぐらいしかできないから…。」

「充子…。行くな…。あんなやつのとこにだ けは…。」

と 寝言を言う。

「お義姉様…やっぱりあの男と結婚はやめて ください。お義姉様には幸せになっていただ きたいの。わざわざ不幸になりに…なんで…?」

「大丈夫よ、私は。あの男の天下には絶対させない。」

「あ…お義姉様!」



翌日の夜。充子は置き手紙を残し博につれら れマンションへ。

「婚姻届は明日出してくる。あと、来月東京に帰ることになったからな。」

「東京?(私を完全に実家から引き離す気ね…!!)」

と 怒り心頭の充子。

「嫌なのか?」

「別に。特にありません。」

「じゃあ、脱いでもらおうか。」

と 後ろから抱きつく。充子は博の手をふりほどき。

「私は籍を入れ式を挙げるまではあなたと寝る気はありません。」

「なに!?」

「私は気の長い殿方が好きです。あなたはそういう方ですよね?」

「…フンッ!」

と シャワーを浴びに行った。

「市野瀬家を乗っ取って余の天下に。覚悟なさい下人…!!」

ありがとうございます(^^)

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