望夢の一生
-11:00-
お義母さんたちが
少し席を外してる時だった。
玲花は机に突っ伏したままで
智希が背中を擦ってるままだった。
その手が止まってから
肩に軽く触れてから言った。
智希
「来た様だな…、大丈夫か?」
玲花もこの言葉で顔を上げる。
玲花
「さっきよりは
冷静な判断が出来るわ。」
彩人と澪夢はゆっくりと歩いて
玲花たちがいる前で止まった。
玲花は病室に向かって歩く後ろを
澪夢が付いて行く。
彩人と智希は病室内の入口に立ち
遠目で見ていた。
何故、近くに行かないのか…
彩人と望夢の関わりはなくて
澪夢を送ってくれただけだからだ。
澪夢
「…こんな一生で終えるなら…
こんな運命だっていうのに。
幸せを選んで進まないなんて…。」
そう呟いた言葉は望夢だけでなく
玲花の胸にも深く突き刺さった。
急に彩人が歩き出して
澪夢の腕を軽く引っ張り
玲花と智希に頭を下げてから
廊下に連れて行った。
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澪夢
「っ…どうしたの?」
澪夢の腕を離さずに話を始めた。
彩人
「確かに言った内容は正しい…
でも、時と場所を考えないと
2人が居る前で言う言葉じゃない。」
澪夢
「過去を知ってるから…
無感情で出てきた言葉だったの。」
彩人は2人の表情を見ていて
居る雰囲気ではないと判断して
澪夢を連れ出した。
彩人
「静かに中を見てみな。」
病室のドアを少し開けて
親指で指し示した。
そして、澪夢は「あっ」と零して
状況理解出来た様子で彩人を見た。
病室内では
智希が玲花を胸に抱いていて
玲花の肩は小刻みに揺れていた。
彩人は優しく微笑み
澪夢の背中を押して歩き出した。
彩人
「もう少し期間を空けてから
笹川さんにメール打てよ。」
澪夢
「場違いな言葉で
無感情な表現は謝る…。」
そう言って
2人は病院を出て行き帰宅した。
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玲花
「悪気が無いって分かってる。
今までを知ってる内の1人だから…。」
智希
「感情コントロール出来なかった。
この状況でそれが原因だな。」
涙が止まってから
智希に伝えた。
玲花
「こうやってステップアップ
していくのね…澪夢は。」
玲花と智希は
落ち着きを取り戻していて
望夢に話し掛けたりをしていた。
そこに
お義母さんたちが戻って来て
2人は病室を出ようとした時に
玲花が呟いた。
玲花
「許して良かった。
そうじゃなかったら後悔してた。」
この言葉は望夢の両親にも
聞こえていた。
そして
智希は玲花の肩を抱き病室を後にした。




