試練〜自責の念
先輩
「休憩の時に言えなかったんだけど…
もう一つ知ってるの。
…それは……」
先輩は凄く言いづらそうにしていて
なかなか話してくれなくて、玲花は
こう聞いた。
玲花
「あの、全然大丈夫ですよ。
私、打たれるのには強いですから。
それと…全てを知りました。」
表情無く先輩にそう告げたが、
聞いてなかったみたいで
先輩は言葉を発した。
先輩
「…佐々木さんには、時間がないの。
これだから…笹川さんにも
言えなかったのね。」
自分で調べて知っていたけど
改めて先輩から『時間がない』と
聞いた瞬間涙目になり、
今にも零れそうになった。
そして、玲花は心の中で思った。
『本当に罰を受けたのね…。
罰を望んでいたのは、私の本心。
なのに…何で涙が出るの?
ここまでのの制裁は望んで
無かったから?』
玲花は仕事が終わる頃の時間を伝えて
病院の展望デッキに智希を呼んだ。
自分の気持ちが分からなくなって
望夢の病気、今の気持ちを
智希に話を聞いてもらった。
智希
「ここまで望んでなかったんだ。
だから…涙が出てきた。
落ち着いて自分の気持ちと向き合って。」
玲花
「…正直言って同情か情なのか
分からない、答えが出ないの。
そして…今、気が付いた。」
智希
「気付いたって…?
一体何に?」
玲花
「自分がした事が間違いだったって。
神がいるなら、これで世の中の平等を
保っているんだわ。
どんな理由があっても裁きは天が下す、
それを待つべきだったのよ。
それが復讐の正しい答えだったんだわ。
罰を与えるのは人間ではなく、天なんだ、
その事に今、気付いた。
人間が足を踏み入れてはいけない領域
だったのよ。」
智希は黙って見つめてるしか
出来ないでいた。
玲花
「こんな…取り返しのつかない
結果になるなんて…思わなかった。
私も智希を傷付けた罰を受けてるわ、
今の病気がそうなのよ。
皆が幸せになる時期って言っても
天は代償を払わせる為に試練を与える。
それは甘んじて受ける他ない。」
智希
「もう大丈夫だな!
俺に説明しながら答えが出たな。」
玲花の肩を抱き寄せてから
微笑んで智希は言った。
玲花
「私…全てを明らかする為に
話し合ってくる。
私…自分の気持ちを話すわ。」
智希
「玲花の感じた気持ちだ…。
思うように後悔しない為に
話してくるんだ。」
そして、智希は玲花を解放して
背中を軽く押し送り出した。
玲花は何の迷いも感じさせない
しっかりした足で歩き出した。




