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復讐への道~幸福のために  作者: Miorin
一方的な感情
7/90

好意

2012年11月04日掲載

玲花と智希は

皆が集まり始める頃にBeauty Medical学科へ向かった。



いつもなら

8時30分までに登校するのに

今日はまだ来ていなかった。




玲花は澪夢が来るまで

智希と2人でネイル筆記試験の勉強をしていた。



智希と玲花は

お互いに分からない部分や曖昧な部分を潰していった。



一通りを終えた位あたりには9時を回っていた。



玲花がそう思いながら時計を見ながら思っていたら

澪夢が学科の教室に姿を見せた。



完全に昨日の顔合わせを知らないと

体調不良で具合が悪いように見える。



玲花

「おはよ、大丈夫?

そのコンディション昨日のことが原因で?」

酔ったのが原因なのか確かめる玲花は澪夢に聞いた。



智希

「凄く体調悪そうに見えるけど…。」


澪夢

「大丈夫~、軽いもんだから。

大したことないって。」



玲花は、昨日の顔合わせの時に

言いたくても言えなかった事を澪夢に言った。


玲花

「…言いたくない位、不愉快なんだけど…。

昨日、名前も勝手に教えちゃったこと覚えてる?

その後は嫌味に近いこと言われるし。

苛立ちで一睡も出来なかったんだから。」


澪夢

「何となく覚えてる…。

あの時、いい気分で善し悪しの区別が付かなかったの。

今は…凄く悪いと思ってる、ごめんね。」


玲花

「他には何も言ってないよね?

学校内でまで逢いたくもないし。」

玲花は澪夢に方を見ないで、嫌そうに言った。



澪夢は心の中では『ヤバい』と思いながら

言いにくそうに玲花を見てると、智希澪夢の顔を見て言った。


智希

「玲花…。」

呼ばれて玲花は振り向くと、智希が澪夢を指さしていた。


智希はやさしく澪夢に聞いた。


智希

「澪夢は…玲花に

言わなきゃいけない事がある感じがするんだけど、違う?」


玲花も澪夢の顔を見て、他にも何かを言ったんだ、

という確信をもったけど澪夢の言葉を待った。


澪夢

「………学科も教えちゃった。

まさか、下心持ってるなんて想像つかなかったの。」


玲花は大きなため息を一回ついて


「もう良いから、私が解決するから。

もう、何もあの人には言わないでね。」

そう言って澪夢を責めることはしなかった。


玲花がここで止めることにしたのは

これ以上言ってラポールを壊したくなかったからだった。


口から出した言葉が言霊となり、良い関係を築けなくなるのが

嫌だった。




―放課後―

智希

「今日もバイト終わったら夜に行くから。」


玲花

「電話か、メールしてくれれば鍵開けるから。」


いつもの様に2人は

今日は来るか、来ないかを玲花に報告してた。


玲花はその話の流れで

智希に話してない事を思い出した。


玲花

「そう言えば…

今日から澪夢が家のサロンに来るの。」


智希

「夜までは掛からないでしょ?」


玲花

「一応、報告しておこうと思って。」



玲花が話し終わると智希は携帯を見て

バイトに遅刻しそうだからと急いで教室から出て行った。


玲花はそんな智希の姿を目で追いかけてると

教室の出入り口で目をとめた。


そこには望夢が立っていて玲花を見ていた。


そう思っていると

実習用具をロッカーに片づけを終えた澪夢が

望夢の後ろから手招きで、玲花を呼んでいた。


玲花は不自然にならない様に極力目を合わせずに

教室の出入り口に向かった。



出ようとした瞬間に望夢が玲花に声をかけた。


望夢

「昨日の人だよね?」

玲花にそう言うと手首を引っ張っていき

人があまり通らない9階の廊下で手を離した。


玲花はその場から立ち去ろうと思ったが

それでは何も解決しないをと考えて望夢の言葉を待った。


望夢

「相手がいるってことは本当だって分かった。」


玲花

「だったら、こんなことしないで、迷惑よ。

私の邪魔をしないで。」


望夢

「止めるつもりはない。」


玲花は話が理解出来なかった。

普通だったら、諦めるのが当たり前だと思っていたから。


そこで、澪夢を待たせたままだと思い出して

玲花は「少し待って。」と望夢に言うと

携帯を取り出して澪夢にかけた。



澪夢

「今、何処にいるの?」


玲花

「ごめん、5分くらいで行くから教室にいて。」


澪夢

「さっきの人って…」


玲花

「大丈夫だから。ごめんね。」

澪夢の言葉を途中で遮って、謝ると携帯を切った。


玲花

「言うことは手早くは済ませて。」

望夢は微笑して、話を始めた。


望夢

「相手がいようと関係ない。

自分でも寂しさに気付いてないだけ。

そうでなかったら、顔合わせは断るのが普通だ。」


玲花は話の途中で口を挟みたくなったが

最後まで聞いていた。


望夢

「昨日言った通りの数合わせでも。

あれは、相手を探す目的のものなんだから。

今の相手は本気じゃないってことだ。」


玲花

「それは本人たちしか分からない感情。

恋愛に定義なんてないの。

こんな話するだけの時間を有効に使いたいって感じるわ。」



そう言うと

玲花は教室に向かって歩いて行った。


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