試練~幸福と生きがい
玲花は言葉を話すけど
涙は止まらない。
その姿を見てる智希は
笑顔で言った。
智希
「決断したんだろ?
だったら、もう泣くな。」
玲花
「…っ、原因は智希だよ。
優しい言葉を掛けるから…。」
智希
「じゃあ、大声で
怒鳴れば良かったか?」
玲花
「意地悪…なんだから。」
捻くれた様に言った。
そう言った瞬間に
玲花の目は智希の手に覆われて
次の瞬間だった。
玲花の唇に温かい安心する様な
感覚が感じられた。
そのキスは
今までとは比べられない位
長くて濃厚で安心できるなキス。
まるで…
もう離さない…
隣には必ず俺が居る…
こう言う無言の声が聞こえる
そんな感じを受けるキスだった。
智希
「もう大丈夫だな?
今、涙も止まっただろ。」
いつの間にか、玲花の目から
涙は流れていなかった。
それよりも
誰から見ても幸福が感じられた、
これは智希が望む玲花のだった。
玲花
「ありがとう…。
これが幸せなんだよね?
私も幸福を感じて良いんだね。」
智希
「俺の方こそ、ありがとう。
頼むから…涙ぐむなよ…。」
呆れる様な智希の声だった。
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そんな2人は薄暗い部屋で
抱き合ったままでいた。
そんな沈黙を破ったのは
玲花だった。
玲花
「智希はこれから…どうする?」
智希
「分かんない。
この先をどう進めばいいか…。」
言いながら
玲花の髪の中に頭を埋めた。
玲花
「ねぇ、聞いて。私の思うの。
智希は専学に戻るべきだよ。
嫌で休んだ訳じゃないし。」
智希
「でも、玲花はどうする?
専学に戻るのか?」
首を横に振って答えた。
玲花
「あの時の私は休学を
せざるを得なかったけど
今、生きがいとなる仕事がある、
そして、バイトで働いている。
途中で投げ出さないよ、私は。」
その胸の中で
微笑んでこう言った。
玲花
「智希も自分の為に歩きだして。
もう、専学に戻って学べる。
そうして、夢を実現させて?」
智希は軽く頷いた。
玲花と智希は
試練を乗り越える為に
新たに2人で力強く歩きだした。
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智希は専学に戻る決意をして
学校に戻った。
補講を受けても単位も日数も
足りないが、来年の為にもと
通うことにした。
来年の1年としてやり直しても
恥ずかしくない様に。
玲花はというと
病気を両親にも報告をして
働く許可をもらった。
そして
病気の進行を遅らせながら
角膜提供者を待ちながら
セーブしてながら働いていた。
決して
無理をしない程度にと
周りと約束をして…。
それから
仕事が終わる頃には必ず
智希が迎えに来てくれていた。
2人は半同棲生活をしていた。
病気のことも考えて智希の実家でね。
2人だけになるのは…あの時からと
決めていた。




