願い〜記憶の一部結合
ー22:00ー
玲花と智希は夕食を外で済ませると
車の中にいた。
その車内で
智希に薬を飲んでもらい、話し掛けた。
玲花
「これから…どうしよっか?」
智希
「何で…家に帰らないの?」
玲花
「帰りたい?
帰りたいよね、自宅まで送るね。」
玲花が意味あり気な言葉を使ったのが
気になったんだろう…。
チェンジレバーを動かそうとした
玲花の手を智希が止めて言った。
智希
「玲花が家に帰らないなら
俺も帰らない…帰りたくない。
理由は何?」
玲花
「今は…話す時期じゃないと理解して、
お願いよ。
隠すつもりもないから、
いずれ話す時がくるわ。」
智希
「無理には聞かないよ。
でも、車内で寝起きするのは無理だ、
何処か…泊まる場所を確保しないと。」
玲花は智希を『仕方ないなぁ』と
そんな感じで顔を見てから、車を
ある場所に走らせた。
車を走らせながら
玲花は智希に話しかけた。
玲花
「私…しばらくの間だけど、
バイトを休もうかと考えてる。」
智希
「俺のせいか?」
玲花
「違うわ。
ことの発端は私だから…自分のせいよ。
仕事は楽しいし、嬉しいことだって。
でも、自分の仕事を投げ出すのは
あまりにも自分勝手だから。
辞めないで、休もうかと考えてるの。」
智希
「フッ、俺が正常に戻って、
記憶も全てを思い出したら一緒に働きたいな。」
玲花
「いつか…その夢が叶うといいね?」
玲花はそれだけ答えた。
実現すれば幸せだなぁと感じながら。
[Future]
そう、ライトアップされている建物内の
適当な場所に駐車して2人で中に入って行った。
そこは、家からは遠いホテルだった。
玲花は一部屋だけを取った。
玲花はあえて別々の室にはしなかった
だが、それには理由があってのこと
だった。
玲花と部屋に入ると
直ぐにベッドの足下の方に座った。
智希は、部屋に入った瞬間に
目を細めて遠くを見る様に入口に立っていた。
玲花はそんな様子を見ていたが
智希に声を掛けることはしなかった。
次の行動を待っていると…
智希は玲花の隣にゆっくりと座った。
智希
「こうするだけで安心する。
…闇が晴れていく感じとは違って。」
智希は玲花の腕を引くと
急に自分の胸に抱き入れた。
いきなりの行動に
玲花は息を呑み、目を見開いた。
智希
「話の途中でこうしたよな、夜に。
今、玲花が座ってる姿を見た時に
頭に浮かんだ。」
玲花は涙目になりながら智希に言った。
玲花
「じゃあ…あの時の様にしてくれる?
思い出した部分まででいいから。」
智希に『多くを思い出してもらいたい』
この思いから玲花の
発言は大胆になってしまった。




