お互いの気持ち
2012年10月30日掲載
玲花は登校準備をして、決まった時間に家を出ると
智希が迎えに来てくれる幸せな毎日。
智希がいつものようにコンビニに寄ろうとすると
玲花が断った。
玲花
「大丈夫だから寄らずに学校行って。」
智希
「あぁ、分かった。」
玲花にそう言われて
智希は不思議に思ったけど…
バイクを再び走らせた。
学校に着くと9階に向かった。
いつもの場所に座ると
玲花がバッグの中から小さいバッグを智希に渡した。
智希は渡されたバッグを開けると…
ランチボックスが入っていた。
玲花
「昨日、顔合わせで苛立って眠れなくて…。
真夜中から作ってたの。」
智希
「約束だったよな。
付き合い始めた頃の。」
玲花
「それを思い出したのもあるの。」
玲花は帰ってきたが、望夢に言われたことに
苛立ちを覚えて寝れなかった。
智希との想い出を振り返っていて
約束を思い出した。
智希はそれを
「玲花、これ結構いける」
そう言いながら2人は朝食を食べ話していた。
玲花
「昨日の澪夢はフォローしてくれる所じゃなかった。
なんか…軽く酔ってたし。」
智希
「何で酔うの?」
玲花
「飲むために20代の人が来たの。
それで、羽目を外しちゃったんだよ。
私は例外だからね。」
智希
「俺たちの方も先輩がいて
勧められたけど…バイクだから分かってくれた。」
玲花
「多分…二日酔いだろうなぁ。」
宙を見ながら独り言を言った。
智希
「澪夢?」
その言葉に玲花は頷いて答えた。
玲花
「そう言えば…カフェに来たの?」
昨日の事を考えていて智希がカフェに来たのかの
疑問を聞いてみた。
智希
「言ったけど…もうお開きになって居なかった。
それより、さっき言ってた苛立つって何に?」
玲花
「あぁ…。」
玲花は昨日の顔合わせの席で望夢に言われた事を
智希に話したから、先に帰って逢えなかった事も解決。
玲花
「心配しなくて大丈夫、安心して。
私は…」
話の途中で急に智希は玲花を胸に抱きしめた。
智希
「言わなくても、続きは分かるから。
何も言わないでこのままでいてくれよ。」
玲花はそのまま、智希の胸の中で温もりを感じていた。
智希
「昨日、逢えなかったからさ。
これを我慢してたんだ。」
玲花は智希の胸の中で微笑するだけ。
智希はそう言った後、唇を玲花の重ね合わせた。
時間の許す限り2人はお互いの温もりを感じ合っていた。