願い~記憶
玲花
「7月に短期留学したの。
決して楽な道じゃなかったけど
覚悟を決めて私費留学をした。
私たちの憧れで夢でもあったから。」
智希は玲花の話に
考えたり、頷くだけだった。
玲花
「そして、1年後に戻ってきた。
語学以外にも文化目的があったでしょ、
だから、高校単位認定されたの。
それからは無事に進級して卒業した。」
智希
「俺たちは…いつから付き合ったんだ?」
この言葉に微笑んだのは玲花だった。
玲花
「留学中大変だった時期…智希が言った。
「留学の夢を叶えた、俺たちの夢を叶えよう」
そう、言ってくれたの。」
顔を少し紅く染めて智希に伝えた。
智希
「…聞いてる自分が羞恥心を感じる程の
恋愛感情の伝え方をしたんだな。」
玲花
「私たちにとって留学は夢であって
未来では時間を共有する相手になった。」
玲花たちは
空港から足を延ばし、久しぶりの外を歩いた。
ー20:00ー
智希は、一年間の留学していた事を
全く覚えていなかった。
玲花は、留学話で落ち込みが分かったから
外に誘ったが…少し顔が緩んだだけだった。
その事実を知ったからなのか…病室に
帰って来てからも呆然としていた。
玲花は思った。
『覚えてない智希の場合…
最初にしては辛過ぎだかもしれない。』
そう思ってた時だった。
看護師が病室に来て「点滴指示があるので」
そう言って眠剤の点滴をして戻っていた。
智希がベッドに横になってる傍を通った時に
玲花の手首を掴み、脇にあった椅子に座らされた。
そうしたら、玲花の手を取ったと思うと…
玲花の指を智希の唇に強く押し当てた。
玲花のてを唇に当てたまま、智希は
安心した様な顔で目を閉じて眠りについた。
今の智希は眠剤を使用しないと不眠になるから
担当医が処方したのだろう。
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担当医
「どうだった?」
玲花
「留学の話をしましたが…
何も覚えていませんでしたが、諦めません。」
智希が寝た後に
担当医が様子を確認に来たから事実を話した。
担当医
「今日一時外泊許可を出した
俺のした判断は良かったのかな?」
玲花
「はい、外に出ても不安にもならず。
人の視線に怯えることもありませんでした。
情緒不安定にもなりませんでした。」
担当医
「医学は愛の特別な力には
敵わないことはあり得ることなんだな。」
そう言いながら病室を出て言った。
玲花はその言葉に微笑んだ。
担当医が来た時に、握っていた手を離しても
起きなかったのは眠剤のおかげだったと思い
玲花は手を握った。
玲花は眩暈を起こしてしまって智希のベッドに
倒れこむ様に頭を置いた。
この時は【疲れ】だと思い
そのまま、意識が飛ぶように眠りについた。




