願い〜反応
玲花は舞嫁を帰らせた後に
個室のドアが開いた。
玲花はドアが開いた事にも
気が付かず、大きな窓から
先の見えない暗い空を眺めていた。
そこから
智希のお母さんが出てきて
面会ルームに座ってる玲花に気が付いた。
お母さんは
玲花見てこう話しかけた。
お母さん
「間違っていたらすみませんが…
あなた、笹川 玲花さん?」
玲花
「そうですが…何か?」
お母さん
「来てくれたのね…。
智希の様子がおかしくなってから
ずっと呟いてた子はあなただったのね。」
お母さんは玲花の手を取って
やっと…見つけた、と感激していた。
お母さんは、担当医から話された事を
玲花に話してくれた。
玲花はそれを病室で思い出していた。
話によると…
智希は担当医に彼女がいる、玲花、大切
それ以外は一切話さなかったそうだ。
そこで…担当医はこう話したという。
玲花が智希のもとへ戻り、話すこと。
2人にしか分からない過去があるはず…。
智希の隣で髪に触れながら
お母さんが言っていた事を
思い返しながら囁いた。
玲花
「…何としてでも
私は…断るべきだったのね。」
玲花は過去の記憶で
ずっと…後悔していることがある。
それは…澪夢に数合わせと言われ
行った顔合わせの事を思い出していた。
そこに行かなければ…
望夢に出逢わなかったのか?
智希を苦しめずに生きられたか?
智希の手を自分の頬に当てて
過去を後悔していた。
結局、玲花が一晩中智希の隣に居たが
反応することはなかった。
玲花は智希の手を握りながら
ベッドに頭を置いて寝ていると…
肩を軽く3回ポン、ポン、ポンとされた。
玲花は、頭を上げて目を開けると…
白衣を着たお父さんが居た。
お父さん
「廊下で話せないか?」と言われ
玲花は「はい。」と返事をしてから
智希の手を離そうとした。
その瞬間、智希の手に力が入り
玲花が痛いと感じるくらいだった。
玲花
「凄く強い力…、初めての反応よ。」
そう言った時、智希の目から涙がこぼれて
玲花も涙目で見ていた。
お父さんも駆け寄って来て
智希の反応を確認した。
玲花の手を引き剥がそうとしても
離れなかった。
玲花
「分かったから…力を緩めて。
私は…何処にも行かないから。」
玲花がそう告げると
手の力を緩ませて、玲花の手を解放した。
お父さん
「担当医が出勤したら報告しておく。
玲花も仕事を休んだ方が良い、
これじゃ…仕事できる状態じゃないだろ。」
玲花
「仕事が手に着かない前に
個室から離れられないものね。
話は落ち着いてからで。」
そう言うとお父さんは個室を後にした。




