認めてるから
玲花は望夢の家を出てから
車で紫堂総合病院に向かった。
そして、駐車場に駐車すると
智希の病室に向かって歩いていた。
その時、玲花は気が付かなかった、
ある車の存在には…。
玲花が智希の居る病室が見えた時、
個室前で入るのを躊躇してる
人影が見えた。
玲花は今の距離から誰かが分かった。
そして、ゆっくりと歩み寄って言う。
玲花
「すぐ、入れないのね。」
驚きの様子で目を丸くして
思いきり振り返った望夢に言った。
玲花
「躊躇してる理由を教えてあげるわ、
一生かかっても分からないでしょうから。
理由は、反省でも、した事の恐ろしさでもない。
ただ、信じたくない、この事態は誤算だったから。
理解できたなら潔く罪を認めて謝罪しなさい。
なら、最低でも人間と思ってあげるわ。」
望夢
「…違う、入れないのは…。
罪は十分認めてるから頼むよ。
頼むから復讐みたいな事は止めてくれ。」
躊躇を否定したが、言葉が見つからない。
玲花
「罪を認めてるですって。
そんな人は復讐をするなと懇願しないわ。
人生の代償は甘んじて受けても足りないのに。」
玲花は涙目になっていた。
望夢
「俺の人生は壊れてもいいってのか?
限界まで行けってのか…。」
この言葉を聞いた時に
玲花の目つきは鋭く、声は低く変わった。
玲花
「それが、今までの代償よ。
親子揃って自分のことしか考えないのね。
被疑者側の限界は自分を守ること。
だから、精神は壊れない。」
望夢
「玲花…。」
玲花
「もう、私の名前を呼ばないで。
私は今まで我慢してやってきた、
だけど、好きじゃないから限界だった。
だから…私の行動がおかしくなったの。」
望夢
「…どんな言葉を言われても
気持ちは変わらないよ、君が好きだ。」
最後の言葉は囁くように言った。
そう言うと
智希に謝罪はせずに
エレベーターに向かい歩き出した。
そして、嫌でも玲花には分かった。
好きだと言って、帰っていく後ろ姿は
落胆に満ちた姿だったと。




