傷付いた智希への謝罪
あの後、直ぐに担当医が降りて来て
酷い興奮状態で鎮静措置が取られた。
看護師は背中を摩ってくれたり、
玲花に対して安心させる様に言葉を
掛けてくれた。
智希の処置を玲花は座り込んで
涙ぐみながら見つめていた。
玲花は看護師から
「一体…何があったの?」と
状況説明を求められた。
玲花
「大丈夫です。
この興奮状態の理由は分かってます。
私の判断は正しいか分かりませんが…。」
それだけ言うと
玲花は立ち上がって歩き出した。
そして
処置室をカーテンの隙間から覗くと
落ち着きを取り戻して寝ている智希がいた。
その智希が寝ている隣に行って
静かに、誰にも聞かれない様に言った。
玲花
「智希…ごめんね。
私の考えが甘かったんだよね、
智希なら大丈夫って…勝手に思い込んで。
こんなに苦しませて…本当にごめんね。
凄く…辛かったんだね。
全て私が悪いの、隙を見せた私が。」
玲花は智希の顔の輪郭を
指で優しく撫でた。
玲花
「あんなに…私の事を
好きでいてくれてるんだね。
智希…もう、大丈夫。
私も全てを終わらせるからね。」
智希がゆっくりと目を開けて
ゆっくりと玲花の手を握った。
まだ、薬が効いているから
目が散らかっている中でも玲花を見た。
智希の手は前の様に
玲花の顔を優しく撫でて
小さな声で囁くように言った。
智希
「玲花…。
やっと…逢えた。
もう…離れないで。」
言った直後に
もう、絶対に離さないと言う感じで
力強く玲花の手を握った。
そんな時に、智希の担当医が
カーテンから顔を出しこう言った。
担当医
「笹川さん、来てくれる?
さっきの事を聞きたいんだけど…。」
玲花
「それは、お話するつもりでした。
ただ、平嶋さんの力が強くて
手を放してくれないんです。」
そう言うと、担当医は智希の手を放そうと
握ってる手の拳を開いてくれた。
そして、診療が終わっているからと
診察室で話を始めた。
担当医
「平嶋さんにとって大切な人なんだね。」
第一声はこれだった。
玲花
「私にとっても大切な人です。」
今にも泣きそうな声で言った。
玲花は溢れ出すように
担当医に話した。
玲花
「私たちは同級生で付き合ってました。
でも…訳があって、私が離れた、
何も言わずに…、私が…原因なんです。」
担当医
「何で何にも言わずに?」
玲花
「私の誤算でした。
智希なら大丈夫かなって…
彼がどんなに思ってくれてたのかも…
考えずに。」
苗字でなく、無意識に名前で呼んでいた。
それから
玲花は興奮状態の事を説明した。
話が終わった後も
玲花は智希に付き添っていた。




