噂
澪夢
「そう言えば…
玲花に知らせた方がいい事がある。」
自分の問題が解決して思い出した様に言った。
玲花は飲み物を口にしながら
澪夢の言葉を待った。
澪夢
「智希さんの事なんだけど…
最近、専学〈専門学校〉に来てないの。」
玲花
「えっ?だって…もう少ししたら
大切な資格試験があるでしょう?」
澪夢
「担任も何も言わないし、
クラス内でも色んな噂をしてて…。
全くどれが真実か分からないの。」
玲花
「…もしかしてだけど…
何か、病院に関する噂は無い?」
何かを知ってる様に澪夢に聞いた。
玲花は澪夢から視線を外して言った。
澪夢
「……あぁ、してた、してた。
知人のお見舞いに行った時、
似た人が診察の待合に座ってるのを
見たって言ってたクラスの子がいた。」
玲花
「確実じゃないけど…
一瞬だけ俯いた感じで似た人を見たの。
あの時…何とも言えない気持ちだった。」
澪夢
「追って顔を確認しなかったの?」
玲花
「あの時、先輩と一緒だったし
似てる人位居るって思ったの。
第一に、専学に行ってると思ったし
そんな噂が囁かれてるなんて初耳だもの。」
澪夢
「なり振り構わずにならない?
好きなんでしょ、凄く。」
玲花
「社会は一般常識の中で動かないと。
俯いてる人の顔を覗き込む訳には…
間違いだったら迷惑が掛かるし。」
澪夢は玲花をじれったそうに
見ている。
それに気付いた玲花は言った。
「でも、諦めるつもりはない。
仕事をしてれば、通院してるかどうか
分かることだし。」
澪夢
「それまでは」
澪夢の言葉を遮って玲花が言った、
玲花
「俯いた人に会ったのは、精神科。
受診すれば、逢って、確認出来るから。
だけど…もし、本当に通院してるとしたら…
原因は私の可能性が高い。」
澪夢
「どう言う事?」
不思議そうに聞いてきた。
玲花
「私は黙って智希の前から消えた。
それは…彼にとって精神的ストレスが
大きかったはず。」
『連絡すら取ってなかった。澪夢の彼の様に…。』
玲花は心の中で言った。
玲花はどんなに強くなれたからと
思っても澪夢の目の前では言えなかった。




