振られた
澪夢に逢う為に雨の中を走っていると…
突然、携帯の着信音が鳴った。
ディスプレイを見ると【美夜】と
そう表示されていた。
彩人は玲花から
澪夢の電話しても出ない話を聞いた事が
頭をよぎり通話ボタンを押した。
彩人
「……っ…。」
話したくても、息切れぎれで
なかなか一言が発せないでいる。
美夜
「…彩人。」
先に声を発したのは美夜だった。
彩人
「…っ、あ、あぁ。
話さなきゃなと思ってた。」
美夜
「…逢わないで…電話で話そう。
逢うと別れるのが辛いから…。」
声質がいつもより、落ち着いてる印象だった。
彩人
「俺さ…数ヶ月間付き合ってみて分かった。
…俺はお前を好きじゃないって。
一緒に居ても楽しい気持ちにもなれなくて。
一方的で悪いと思ってる。」
美夜
「…そう言ってくれれば良いのに。
傷付くと思った?言われない方が
傷は深くなるの。
それに、少し感ずいてた。
少し前から逢ってもくれないし
メールも返信が無いから…ねっ。」
美夜の声は涙声だった。
美夜
「これからは…逃げないで。
逃げ出すことは相手を傷つける行為。
こんな思いをしてほしくないから。
区切りは付けなきゃだよ。」
美夜が覚悟に近い考えがあったから
2人の会話は長く続かなかった。
彩人はこう言った。
「本当にごめん。
俺と逢ったことが誤算だったんだな…。」
美夜
「そんなこと言わないで。
私が惨めに聞こえちゃうから。
それに…私には良い思い出になってる。」
彩人は電話口で不思議だった。
『何で、良い思い出なのか』と。
彩人が思ってることが分かった様に
言った。
美夜
「好きじゃなかったとしても
私自身は優しかったって感じてる。
彩人の良い部分だけが残ってるから。
今日で全てが最後、終了したから。」
それを聞くと
2人は通話終了をタップして切った。
彩人は言わなきゃいけない事は
逃げずに、伝えることが出来た。
次は澪夢に、今、思ってる事を
伝えることだけが残っていた。




