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08『うめしそ』


 アリシエラさん新開発の、新たなる移動手段『ゲートルーム』


 ついに、お仲間たちのおうち全てに配備完了しました。


 なんと言いますか、生活が一変しましたね。


 冒険者活動のみならず、普段の日常生活においても、です。



「こんにちはモノカさん。 これ、作りすぎちゃったので、良かったらみんなで食べてくださいね」


 美味しそうなお菓子がいっぱい、ありがとうございます、リノアさん。


 ってな感じで、まるでご近所の奥さまたちがお惣菜をお裾分けしてくれるかのごとく、遠方の方とも日常的に行き来出来るようになったのです。


 まあ、リノアさんたちは、今のアイネの生活が気になってしょうがないのでしょうけどね。


 娘さんが心配なのは分かりますが、大丈夫ですよ。


 シナギさん宅は、なんと言いますか、まさに隙ナシって感じのお堅くもらぶらぶな御一家なのですから。




 そして、最近発明されたもうひとつのアリシエラさんの新作魔導具。


 ロイさんのお宅にて、実演を拝見中です。



「『うめしそ』って呼んでくださいっ」


 自信満々の笑顔は、アリシエラさん。


 運搬型メンテナンス不要『縮小』装置、の略称だそうですが、少々苦しいかと。



 えーと、以前まで『縮小』魔法を使う際には、安全のために『絶金』複合建材で魔法漏れを完全遮断した状態の密室での作業が必須だったそうなのです。


 フィナさんに毎日のお食事をより楽しんでいただくために、『縮小』作業の簡便化と利便性の向上を目指して開発された新型魔導具。


 見た目は真っ白な箱で、どう見ても電子レンジそのもの。


 ダイヤルがひとつとスイッチがふたつのシンプル構造で、複雑な魔導具操作が苦手な奥さまたちも安心。



「このダイヤルで『縮小』率を調節するんですっ」

「緑のボタンがスタートで、赤のボタンが停止、ですっ」


 本当にシンプルですね。



「魔力漏れの検出と安全確認には、ルミさんの多大なるご支援ご協力をいただいちゃいましたよっ」


 おふたりとも、もう名コンビなのですね。



「アリシエラだけの新発明じゃなくて、みんなの協力があってこそ、です」


 ロイさんは、感無量のご様子。



「せっかくだから、モノカさんもお昼、食べていってくださいね」


 リノアさんは、にこにこ笑顔で調理中。



「はい、ちょっと待っててくださいね」


 出来たばかりのお料理を、リノアさんが『うめしそ』へ入れました。


 めっちゃ美味そうなお肉料理、よだれじゅるり、ですね。



「ダイヤルをセット、と」

「はい、スタート!」


 リノアさんがスイッチを押すと、


 ジーッ


 ダイヤル、ゆっくりと回転中。



 ほう、中のお料理がターンテーブルで回っている様、まさに電子レンジ。


 うむ、順調に『縮小』しまして、



 チンッ



「はい、完成」


 扉を開けたリノアさんが、小さくなったお料理をトングのようなピンセットのような器具を使って慎重にへらに載せて取り出しました。



「冷めちゃう前に、いただきましょう」


 エプロン姿のリノアさん、天使の笑顔ですね。



「このお家のお料理は、どれも本当に美味しいねえ」


 フィナさんも、大満足の笑顔。


 でも、せっかくのプリチーボディーをアレしないよう、食べ過ぎ注意、ですよ。



 ロイさん宅にてみんなと囲む食卓、


 美味しい料理とみんなの和やか笑顔で、


 極上幸せ気分。



 帰る際に、ロイさんがつぶやきました。


「人を幸せにする魔導具だったら、大歓迎なんだけどね」



 ものすごく実感のこもったお言葉、


 本当に、仰る通りです。



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