16 城門
支度を終えたプリナさんを連れて、お城の城門を目指す。
周りがざわついてるのは、百も承知。
ただ、実力行使をこまねいてるというよりも、
危ない猛獣を遠巻きに見張ってるみたいな感じ。
って、こんな可愛い猛獣、いないだろ。
せめて珍獣扱いでよろしく。
なんてことを考えてるうちに、無事城門まで来れました。
ここまでは、抵抗らしい抵抗、無し。
あれっすかね、特使勇者を城内でヤッちゃうといろいろマズいんで、
城門を出てから、バッサリ、みたいな?
プリナさんを後ろへかばうように、
ちょっとだけ緊張しながら、城門を抜けると……
「きゃっ」
やべ、プリナさんの声っ。
ちくしょう、狙うならコッチを狙えってんだよと、
目線を向けたら、
なんぞこれ、
プリナさんが、めっちゃハグられちゃってますね。
お相手は、ユイさん!
「もう、おふたりとも、心配したのですからねっ」
普段はどんなに頑張ってもおしとやか感が抜けないユイさんから、
大きな声で叱られちゃいました。
なんか、クセになりそうな感覚……
アランさんが奥さまたちのお仕置きが大好きな理由、
分かりたくなかったのに分からされちゃった哀しみ……




