5話 全ての始まり 涼の場合⑤
マジでどうしよう……。
尾絵留先輩の告白を振ったら、理由は?と言われてしまった。
これはまずい、どうしよう……。
微妙な理由だったら変な期待を持たしてしまうかもしれない。それは俺自身が許さない。だからここはハッリキいうしかないか……はあ〜やだな〜。
あまり待たせるのも悪いからなんていうか早く決めないとな。
咄嗟に頭の中で浮かんだ案は3つだった。
①.俺……他に好きな男がいるから
②.女しか恋愛対象に見れないから
③.恋愛自体に興味がないから
うん、なんでこうなった?
クソ、さっきまで頭を働かせたせいでうまく働いてくれない。
仕方ないこの3つの中から選ぶか。
①は……論外だな。
選ぶなら②と③になるか。
②の場合は変な期待もしないでどうにかなるかな?
③は……俺は別に恋愛に興味がないわけではないからな〜。
……うん、②の「女しか恋愛対象に見れないから」にするか。うん、そうしよう。
スーハー スーハー
2、3回ほど深呼吸して心を落ち着かせる。
「……女しか恋愛対象に見れないので……ごめんなさい」
「そうか……」
「はい」
「……気持ちが変わることは?」
「ないです」
「本当に?」
「本当です」
「……ほんとのほんとに?」
「ええ、ほんとのほんとに」
「そうか……うん、わかった」
尾絵留先輩は俺のことが好きで告白してくれたんだ、やはりこういうのはしっかりしないとな、、、。
とはいえ……。
なんか今めっちゃ気まずいだけど……この沈黙嫌いだわー。どうしたらいいの?
もうどこかへ行っていいのか?てか帰っていいの?
そう思ってすぐさま帰ろうとその場を去ろうとした時。
「だがここまで来てただで帰れると思ってるのか?」
「ふぇっ!?」
尾絵留先輩はそう言って俺の腕を力強く掴んできた。
もう離さんとばかりに……。
「え、あ、あの……先輩?それはどういう意味でしょうか?あと腕が痛いんですが」
涼の声は震えていた。
(えっ何これ!何これ!どゆこと!?逃げたいんだけど!家帰りたいんだけど!えっ、怖い!えっ、やだ!えっ、目が怖い!えっ、なんか気持ち悪い!えっ、もう帰ってもいいですか?)
「先輩、もう帰ってもいいですか?」
「ダメだ」
……マジで?えっ、マジで何?俺どうなっちゃうの?
「あの……先輩?……何をするんですか?」
俺は尾絵留先輩に恐る恐る聞いた。それに帰ってきた言葉は……。
「セッ○スだ」
「………えっ……………」
……………ん?……………なんて?
「いま、なんて?」
「セッ○スだ」
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……………うん……うん、………ん?
「セッ○スだ」
せっ○す?
「せっ○すって………あのせっ○す?」
「そうだ、あのセッ○スだ」
………うん……うん……ちょっと待って。
せっ○すってセッ○ス?
セッ○スって………合体のこと?
男と女が合体すること?
………………………………………………
………………………………………………
………………俺と先輩が合体?……………
「…………………。」
「…………………。」
「…………………。」
「……セッk『はああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーー!?』
尾絵留先輩の言葉を遮って俺は叫んだ。
(は!?待って待ってなに?え?なに?なに?なに!?)
ついに涼の頭が限界を超え煙が出るしまつ。
あまりにもの衝撃にパニクってしまっている。
だがそれは仕方のないことだった……。
(今この人セッ○スって言ったか!?言ったよな!?は!?マジでなに!?)
だがそんな涼のことなどお構いなしに尾絵留先輩は止まらなかった。
「……セッ○スだ」
「なに真剣そうにとんでもないこと言ってんだ!?」
あまりの混乱に敬語を使うのを忘れてタメ口になってしまうもそれもまた仕方のないことだった……。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。
「真剣だからだ!」
「尚のことひどいわ!!」
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。
とにかくやばい!非常にやばい!早く!ここから離れないと!
俺が俺でなくなってしまう!
対して尾絵留先輩はというと……………………。
ゆっくりと手をベルトに置いてズボンを脱ごうとしていた。
「なんでだあああああああああーーー!?なんでズボン脱ごうとしてんだよ!?」
「?なに言ってんだ?セッ○スするから脱ぐだろ普通?」
「あんたがなに言ってんだ!!」
「安心しろ、パンツも脱ぐから」
「安心できねーよ!?てかマジでなに言ってんだ!?」
早く、早く逃げないと……マジで俺が終わってしまう!
そう思いすぐさま走って逃げようとしたとき。
その時になって初めて涼は気づいた……………。
(足めっちゃ震えてるんですけどー!!??)
恐怖により足が震えて上手く歩けないことに。
次回も見てね〜