ラーダ村へようこそ
「……というわけで、今日からこのラーダ村の一員になる、アーロじゃ」
「アーロです、よろしくお願いします」
エフィとヤタラさんに連れられ、村の広場へ。集まっていた人たちに、俺の紹介が始まった。
故郷を出て、旅をしているうちにこの村へたどり着いたこと。この村でこれからは暮らしていきたいこと。それらを、簡単に話してくれた。
ヤタラさん曰く、ここにいるのは訳アリの人も多いらしい。だからか、特に突っ込まれることも嫌な反応をされることもなく、受け入れられた。
「若いのが増えるのは、こっちとしては大歓迎さ」
「おまけにわりといい男じゃないか」
「あんた若い男見る度に同じこと言ってるじゃないか」
村の人々は、俺を見て口々に話す。今のところ集まっている人たちは、比較的年配の人が多い。
だからだろうか、周りから向けられる目がやたら、物珍しいものを見るような、感じがする。
「じゃあ、アーロさんの住む家を決めないとね」
「この村には空き家がたくさんあるから、好きなところを使うといい。若いのは、ほとんど遠くに出ちまうからねぇ」
住む場所に関しては、空き家が多いのでどこでも好きに使うといいとのこと。なんだか至れり尽くせりって感じがするな。
村の人々は、初対面の俺にも実によくしてくれた。フレンドリーに話しかけてくれたり、食べ物をくれたり。なんか、村にいた頃も近所のおじちゃんとかから同じようなことされたな。
「アーロさん、大人気ですね」
「珍しいだけだよ」
「エフィちゃんも、これ食いな」
「あ。ありがとうございます」
村長の孫……というのとは関係なく、エフィは人気者だ。人柄がいいし、好かれる雰囲気を出している。
なんというか……とんでもなく美人なディアや、凛としたミランシェとは、また違ったタイプだ。誰かと言うなら、リリーに近いかもしれない。
リリーと会えば、きっと気が合うことだろう。
「おう、すっかり人気者じゃないか」
そこへ、一人の青年がやってきた。どこか、俺を値踏みするような表情……うん、なんというかゲルドのような雰囲気を感じる。
まあ、あいつほどの人間はなかなかいないだろうけど。
「あ、ヨッちゃん」
「誰がヨッちゃんだ! ……よぉ、俺はヨルガ。珍しいなぁ、若いのにわざわざこの村に来る奴がいるなんて」
「どうも、アーロだ。まあ、いろいろ理由があってね」
差し出された手を握り返し、握手を交わす。燃えるような赤い髪は、まるで彼の心の内をも表しているようだ。
ヨルガ、か。エフィがヨッちゃんと呼んでいたってことは、それなりに二人は仲がいいのか。それとも、小さな村だから村人全員が仲がいいだけか。
「ま、そう多くない若者同士、仲良くしようじゃんか」
「あぁ、よろしく」
その後俺は、住まわせてもらう家を決めることに。別に過ごそうと思えば外でも生活してきた俺だ、どこがいいと要望を出すつもりはない。
なので、エフィは自分の家の隣に住みなよ、と勧めてくれた。エフィは村長ヤタラさんと二人暮らしなため、その隣に俺が住む形だ。
「それにしてもアーロさん、ポニーも使わずに徒歩でずっと歩いてきたんですよね……すごいです」
「まあ、いろいろ鍛えてたからね」
移動用のモンスターを使わず、徒歩でここまで来たことに驚かれる。ま、それも当然か。
彼女たちはファルマー王国がどこにあるかは知らないが、とりあえずすごく遠くだということは理解してくれた。
ちなみにこのラーダ村は、移動用のモンスター、ポニーを数多く飼育している。そのため、それらを移動手段に、歩けば距離のある遠くの村とも交流しているらしい。
「……ここが、俺の新しい家……!」
案内された家に、入る。空き家とはいえ、掃除好きのエフィがよく掃除していたため、物は散らかっていない。
ともあれ、ここから……俺の、本当の第二の人生が、始まるんだ!
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