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死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~  作者: 白い彗星
死に戻り勇者、軌跡を辿る

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コンビネーションの勝利



 地面に落下した魔族。そいつの顔面は、敵ながらかわいそうになるほどにへこんでいた。


 たった一撃で、地面と顔をこんなにへこませるとは……ドーマスさん、こえぇ。



「ぐっ、くそ……人間、風情が……!」


「その人間風情にやられるんだよ、お前は」


「! ふざ、けるな!」



 これでも喋れるのか……魔族の耐久性はたいしたものだわ、まだ戦意は失っていないのか、魔力を高め手のひらから小さなエネルギー弾を、何発も放つ。


 先ほどの魔法に比べ、威力はない。が、逆にスピードがある。これを連続でくらえば、人間などひとたまりもない。


 ……まあ、普通の人間なら、な。



「! ば、馬鹿な!」



 俺は、迫りくる無数の魔法を手で弾く。黒いエネルギー弾は手のひらに弾かれ、あちこちへと飛んでいき、爆発する。


 その光景を、魔族はただ呆然と、見ていた。



「ぁ……ありえん! 魔法を、そのように虫を払うみたいに……!」


「さて、と。もういいかな」


「! まっ……」



 呆然から驚愕、そして魔族は、なにやら命乞いをしようとする……が、それに傾ける耳は、俺にはない。


 俺は素早く剣を抜き、逃げようとする魔族に一閃。真上から振り下ろした剣撃は、きれいに魔族の背中を斬り裂いた。



「あーあ、だめだよ。敵に背を向けちゃあ」



 今度こそ、本当に命が尽きた魔族は、その場で消滅する。直後、上空からドーマスさんが降ってきて、着地した。


 地面がめちゃくちゃ揺れた気がした。



「ふぅ……終わったのか、ロア」


「えぇ」



 魔族を斬った際、緑色の血が刀身に付着してしまった。だが不思議なことに、これも魔族が消滅したら、同じように消滅したのだ。


 後片付けには困らないから、いいんだけどな。



「なんだ、今のが聞いてた魔族かよ。大したことねぇな」



 ゲルドが、頭の後ろに手を組み近づいてくる。他のメンバーも、ゲルドの後ろから歩いてくる。


 まあ、結果だけ見れば圧勝だ。ゲルドの言うこともわからんでもないが……



「今回は、魔族っていっても一体だけだったからな。おまけに、相手はこっちの情報を持っていなかった」


「確かに。油断というか、私たちのことナメすぎてた感はあったわね」



 そう、今回相手にした魔族は、良くも悪くも自信過剰というか……自分の力を過信し相手を見下しているところがあった。


 そのおかげで楽に勝てたが、そんな相手ばかりでもないのだ。



「それに、今回はみんなのコンビネーションがうまくいったからね」



 やはり、コンビネーションの力というのは偉大だ。


 まずリリーの【絶対防御】で魔族の攻撃を防ぐ。視界がいい感じに隠れ、ゲルドの【鑑定眼】で弱所を投げナイフで狙ったが、これはかわされた。


 次に俺の【勇者】で魔族に無視できないダメージを与え、奴は空に退避。しかしミランシェの【百発百中】にシャリーディアの精霊術を付与、魔族の動きを封じた。


 とどめは【獣化】したドーマスさんの拳。あれで倒しきれなかったのが、ちょっと予想外ではあったけど。



「ただ、次もうまくいくかはわからない」


「そうですね。魔物だけでなく魔族もやられたとなれば、敵もそれなりに警戒してくるはずです」



 そう、シャリーディアの言うとおり。それに、魔族に限った話ではないが、奴らの一番怖いところは、集団で襲ってくること。


 前衛で戦えるのが俺、ゲルド、ドーマスさん。後衛のシャリーディア、ミランシェ、リリーだけだと後ろが不安になる。【絶対防御】があるから、常に気にしなくていいのは楽だが。


 魔族が早めに手をうってくる前に、できる限り魔族との戦いについて呼吸を合わせておいたほうがいい。



「あんまり大群で襲ってこられると、シャリーディアたちが心配だな。リリーがいるからあまり心配はいらんが」


「それでも、奴らに知恵があるならなにをしてくるか。わかりません。リリーたちを動けなくした上で、俺たちを分断することも考えられますし」



 前世で、俺、ゲルド、ドーマスさんは、それぞれとリリーたちと分断された。そのせいで、危険な目にあった。


 命こそ助かったが。あんな目にあわないために、一致団結して、分断などされないように挑まなければな。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

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