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死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~  作者: 白い彗星
死に戻り勇者、軌跡を辿る

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『スキル』というもの



 ……死に戻りした俺は、子供とはいえ中身はもっと大きい。だから、前世に比べて子供っぽくない面が出てしまうかもしれない。


 そうならないように、気をつけなければ。



「うーん……だれかに話す、ってもなぁ」



 なんとか喋れるようになってきた頃。俺は、死に戻りした事実を誰かに話してしまおうかと考えていた。だって、こんな大きな問題、一人で抱えきれるだろうか。


 そう思ったが、やめた。突然、「俺死に戻りしてるんだ」なんて言っても、言われた相手はぽかんとしてしまうだろう。俺ならする。まして子供の戯言だ。


 ただ、信じてもらおうとするだけなら、やり方はいくらでもある。これから村に起こることを、言い当ててしまえばいい。それに、小さな子供にはあり得ない知識を披露するとか。


 もしも知ってくれている人がいれば、可能性は低いが俺が死に戻りした理由がわかるかもしれない。……だが、その事実を伝えれば、それだけで前世の流れを変えかねない。


 口止めしても、所詮は口約束。村の人間を信じていないわけじゃないが、誰かに話さない確証はない。誰かに話さないにしても、その人が俺を見る目は、大きく変わってしまうだろう。



「やっぱ、あの日が来るまで、ふつうの子供でいたほうがいいな」



 最悪、死に戻りしたなんて気味が悪い、と村を追い出されてしまう可能性も、ないとは思いたいがゼロではない。


 俺は、あの日が来るまで、この村から出るわけにはいかないのだ。


 ……あの日。それは、俺が十五歳になった日のことだ。今でも、鮮明に覚えている。



『十五歳の誕生日、おめでとうございます。『スキル』を獲得しました』



 この世界には、十五歳になることで『スキル』という力が授けられる。どういった原理かは知らないが、曰く頭の中に謎の声が聞こえるのだとか。それだけ話されても信じられなかったが、実際に経験すれば確かにその通りだった。男とも女ともわからない声が、聞こえた。


 そして、『スキル』獲得を経て子供から大人への仲間入りへ。つまりこの世界では、十五歳をもって成人となるのだ。


 『スキル』は個人個人によって違ったものだが、同じ『スキル』も存在はする。『スキル』は、人々の生活に多大な影響を与えている。子供の頃は、なんかみんなすごいことしてるな、としか思わなかったが。


 人によって様々な『スキル』があるが、誰にどんな『スキル』が発現するのかは、そのときになってみないとわからないのだ。生活に役立つもの、役立たないものでも使い道を探す人もいる。



『あなたの『スキル』は……』



 そんな俺の『スキル』は……【勇者】というものだ。当時は意味が分からなかった。だってそうだろう、『スキル』でなにが出来るかの詳細はわかるが、聞いたこともないし知っている人もいないものなのだったから。


 そもそも【勇者】というのは『スキル』なのか。なんでもありだからおかしくはないが。


 その謎の『スキル』……本当の意味を知るのは、もう少し先になる。



『世界を救う』



 そう、【勇者】の意味を知ったのは、数日後。いずれ、この世界に現れるという魔王を倒せる可能性を持つ人間……それが【勇者】なのだという。


 それを、【勇者】を持つ人間(おれ)を迎えに来た人に教えてもらった。そしてそれこそが、俺がこの村を出るきっかけとなる『あの日』、なのだ。


 また、この『スキル』には様々な能力がある。基礎身体能力の上昇、あらゆる武器の使い方が触った瞬間にわかる、異様に高い防御力、などだ。傷の治りも早いため、たとえ傷を受けても軽傷ならすぐに回復する。



『……しっ』



 今でも、この体が覚えている。


 身体能力が上昇する……当時、成人したばかりのただの村人だった俺ですら、鍛え上げた兵士よりも強くなれた。ということは、早いうちから鍛え、体を作っておけば、【勇者】の力によってさらに強くなるってことだ。


 前世で俺が死んだ理由は、油断から。強さが足りなかったから、ではないが……せっかくだ、力をつけておいても問題はないだろう。いざということが、いつ起こるかわからないしな。



「よし、やるか!」



 そのため、『スキル』が発現するまでの十数年……俺は、自分の体を鍛えることに、した。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 描写が丁寧に書いてあって、とても良いと思います。 謎のある展開もいいと思います。(*´∀`*) [一言] 白い彗星さん、はじめまして。 強大な力をもつ勇者が、平時にその存在を疎まれるという…
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