↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~  作者: 白い彗星
死に戻り勇者、軌跡を辿る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/262

それぞれの『スキル』、旅に向けて



「……はっ!」


「それ!」



 思いついたが即日、訓練場ではシャリーディアと、弓を構えたミランシェが共に並んでいた。そして、シャリーディアはなにやら集中力を高め……


 直後、ミランシェの構える矢の先端に、赤く炎が燃え上がる。それを確認し、ミランシェは矢を放つ……放たれた矢は、狙いも正確に、離れた場所に立っていた的に命中する。


 やはり、【百発百中】の力は凄まじい。矢が命中したのは、的の中心……小さく書かれた点に、確かに矢の先端は当たっていた。



「うむ、正確無比な射的。それに……」


「精霊術のおかげで、威力もかなり上がってんなぁ」


「あれなら、魔物にも通用しそうだな」



 ミランシェの射的技術は、俺たちには絶対に必要なものだ。遠距離にいる対象に対処できる術があるのは、かなりのアドバンテージだ。


 それに加え、ミランシェの矢はシャリーディアの精霊術により、威力が強化される。現に、炎を纏った矢が命中した的は、少し焦げている。


 あれを、火の精霊だけでなく他の精霊のものと組み合わせを変えるだけでも、戦略の幅は大きく広がる。



「お姉ちゃんたちすごいなぁ。私は、なにもできないや」



 そう言って、リリーはうつむく。リリーはリリーなりに、役に立とうと思っているのだ。


 ただ、『スキル』の発現していない今では、あまり派手な訓練はできない。そもそもが防御系の『スキル』な上、魔物と戦うなんてもってのほかだ。


 もっとも……



「大丈夫、リリーにはリリーにしかできないことがあるから」


「……うん」



 リリーの頭を、軽く撫でる。リリーが自分を卑下する必要はない。


 リリーには、リリーにしかできないことがある……それは彼女を元気づけるだけの方便ではない。それは、事実だ。そりゃ、『スキル』がなければ今できることは、体を鍛えるくらいしかできないかもしれない。


 それでも、自分にできることはあるのだと……落ち込まずに、強くあってほしい。



「さて、そろそろ私も、体を動かすとするか」



 シャリーディアとミランシェに触発されたのか、ドーマスさんが足を進める。少し離れた所にある、大きな木に向かって。


 最中、ドーマスさんは上着を脱ぐ。筋肉質な体が、露になる……直後、ドーマスさんの体に変化が訪れる。



「う、うぅう……うぅうう……!」



 低く唸るような声を漏らし、気が高まっていくような感覚。そして……変化は、目に見える形で表れる。


 太い腕が、更に太くなっていく。それに伴い、体全体も、一回りは大きくなっていく。それだけではない……


 体毛が、体を包み込んでいく。その姿は、まさに獣……獣じみた外見へと、ドーマスさんは変化していく。



「ぐ、うぅ……ふぅ」


「相変わらず、迫力あるな……」



 これが、ドーマスさんの【獣化】の『スキル』。変化したのは見た目だけではない、身体能力も、大幅に強化されている。


 その、威力は……



「ぬ、おぉおおおお!」



 ドンッ……と、ドーマスさんは握りしめた拳を、大木へと打ち付ける。大木は、折れはしないものの大きく揺れ、葉を散らしていく。


 拳を退かすと、そこにはくっきりと、握りこぶしの跡がついていた。正直、あれに殴られたらと思うと、震えが止まらない。



「あれには、俺の【鑑定眼】も必要ねぇんじゃねぇか?」


「あっははは……」



 さすがにゲルドも、少し引いている。元々兵士だと言われてもおかしくないドーマスさんが、【獣化】によりその能力を大幅に上昇させたのだ。


 ゲルドの言葉は、ある意味的を得ている。ドーマスさんは、前世も魔物を前に一歩も引くことはなく、バッタバッタとなぎ倒していた。


 あの拳は、多分、剣の刃よりも固い。そう思うほどだ。



「ドーマスおじちゃん、すごいすごい!」


「ははは、そうかそうか」



 初めて【獣化】を見たときは、リリーも泣いて怖がっていたものだが……今ではすっかりなつき、その力を前にしてもキャッキャと喜んでいる。


 ちなみに今笑っているドーマスさんだが、リリーに泣かれたときは、わりと本気でショックを受けていた。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えるとテンション上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。