表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~  作者: 白い彗星
死に戻り勇者、魔王の娘と対峙する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/262

ガリーの夢



 リーズレッテの踊り……それは、数々の人たちを笑顔にして、幕を閉じた。


 彼女は今夜は宿を借りて、明日には村を出るらしい。忙しないことだ。



「……ガリー、どうかしたか?」



 踊りの時間が終わり、それぞれ片付けなんかをやっている最中で……ふと、その場に突っ立っているガリーの姿が、目に入った。


 リーズレッテにキラキラした視線を送っていたガリーであるが、どうやらその余韻が残っているかのように、その場でボーッとしているのだ。



「……すごかった、あの人の踊り」


「ん? あぁ、そうだな」



 やはり、興奮冷めやらぬといった感じか……しかし、それだけではないような、気もする。


 そんな俺の気持ちを、知って知らずか……ガリーは、俺へと視線を向ける。体ごと、俺と向き合って。



「私、あの人みたいな、誰かを感動させられる踊りをしてみたい」



 ……こう、言った。



「……なんだって?」



 それを俺は、最初聞き違いかとも思った。だって、リーズレッテの踊りに幸福を感じる人はいても、こうしてリーズレッテのように踊りをしたい、なんて言う人はいなかった。


 それも、あのガリーがだ。これまで、ほとんど何事にも無表情無感情を貫いてきた、ガリーがだ。



「す、すごいことを言い出したわね」



 俺の隣にいたディアも、驚いた様子だ。まさか、魔王の子供が、人の踊りに感銘を受け、それを真似したいと言うなどと、誰が予想した。


 それだけガリーの心に爪痕を残したリーズレッテの踊りは、やはりすごいという話になるだけなら、微笑ましいいのだが……



「私、あの人と一緒に、旅をしてみたい」


「……なんだと……!?」



 続けて、驚きの言葉を口にした。踊りに感銘を受けた、踊りで誰かを感動させたい……そのために、リーズレッテと一緒に、旅をしたいだって?


 それを聞いて、愕然とした。いや、だって……まさか、とつひもなく、そんなことを言われるとは。



「……どうするのよ、ロア」


「どうしようか」



 俺は別に、ガリーの保護者ではない。ガリーがそうしたいと決めたことであれば、やってみればいいと思う。


 ……だが、こう楽観的に考えられない理由がある。それが、ガリーの持つ『スキル』、それが【消滅】だということだ。


 手のひらから発する光に触れたものを、文字通り【消滅】させる……そんな危険な『スキル』を持った奴を、リーズレッテの旅に加えるだって?


 『スキル』の問題に比べれば、ガリーが魔王の子供だって事実のほうがまだかわいく思えてくる。



「ねえ……だめ、か?」


「うっ……」



 そんな目で見ないでくれ、ガリー……ガリーはこれまで、頼み事とかしてこなかった。そんなガリーが今、お願いをしているのだ。


 しかし、しかし、なぁ……



「ぅんん……!」


「娘の教育方針に悩む父親じゃないんだから」



 結局、俺たちだけでは判断できないので……リーズレッテ本人に直接、聞いてみることとした。


 もちろん、すべてを包み隠さずに話す。ガリーの正体も、『スキル』の詳細も……その上で、リーズレッテはどう思うか。



「……なるほど、そうですか」



 ガリーがリーズレッテの踊りに感銘を受けたことを含めて、リーズレッテに話す。


 黙って話を聞いていたリーズレッテは、話を聞き終わると何度かうなずいて……



「まさか、私の踊りでそんな気持ちになってくれるとは! 嬉しいです!」



 ひどく感激した様子で、ガリーの手を取っていた。なんか涙が見える。


 リーズレッテ的にも、その発言は嬉しかったらしいな。



「で、だ。リーズレッテ。ガリーはリーズレッテと旅がしたい、って言っているんだけど……」


「えぇ、私は構いませんよ」


「……」



 即答だった……考える間もないくらいに、即答だった。いや、リーズレッテの気持ちが固まっているのはいいことなんだけどね。


 とはいえ、やっぱり危険なわけで……なんの対策もなしに同行させるのは、いかがなものかと思っている。


 が、リーズレッテは……やけに自信満々な笑顔で、大丈夫だとうなずいてみせた。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えるとテンション上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ