表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~  作者: 白い彗星
死に戻り勇者、軌跡を辿る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/262

精霊師と精霊術師



「あの、よろしいでしょうか」



 場の空気が一旦落ち着いたのを見計らってから、手を上げる者がいた。


 それは、ミランシェだ。



「うむ、なにかな」


「このパーティーに精霊術師がいるのなら、私はいらないのではないですか?」



 玉座に座った国王に向かって、ミランシェは疑問を口にする。それは、ミランシェ本人にとって重要な問題であった。


 このパーティーには、『精霊術師』であるシャリーディアがいる。だというのに、『精霊師』である自分が必要なのか、という疑問だ。



「精霊師は、精霊術師に劣る存在です。私の『スキル』もぱっとするものではありませんし、必要は……」



 自分を卑下するミランシェ。それは精霊師と精霊術師……似て非なる両者の、明確な違いによるものだ。


 精霊師と精霊術師、その違いは、一言で言ってしまえば精霊と契約できるか否か、だ。


 そもそもこの世界には、精霊という存在がいるらしい。らしいというのは、精霊と話せる才能を持つ者は多くはないからだ。俺も含めてな。



「……」



 精霊術師は、精霊と契約することで力を借りられ、様々な超常的な力を使うことができる。


 一方精霊師は、精霊と対話こそできるものの力は借りられない。だが、精霊と対話できること自体が誰にでもできることではなく、精霊の導きによって窮地を脱した、なんて例もある。


 確かに比べれば、精霊師よりも精霊術師の方が優れている。だが、問題はどちらが優れているか、ではないのだ。精霊と意思疎通できる時点で、誇れる事なのだから。



「必要ない、か。……そのようなことはない。精霊術師は、貴重な存在だ。それゆえに、精霊の力を借りるということはかなりの精神力を消費する。大神官殿にはメンバーの回復要因(ヒーラー)としての働きを主にしてもらっている」


「……つまり、貴重な精霊術師よりも、私のような精霊師は彼女の力を温存させるためだけの……」


「いや、違うぞ。精霊師とて貴重な存在じゃ。それに、聞いた話では対話しか出来ない分、精霊との仲をより大切にする……それが精霊師じゃと」



 ミランシェは、自分に自信がない方ではない。それでも、自分よりも優れた力を持つ者が現れれば、不安にもなるのだ。


 国王は、その不安をゆっくりと、解いていく。



「精霊と対話できる貴重な存在、それに冒険者としての力を備えた存在。この二つを兼ね備えた者はそうはいない。そなたの力は、必ず必要になる。頼りにしておるぞ」


「……そういう、ことでしたら」



 国王の言葉に、ミランシェはなにかを考えるようにして、しばらくしてうなずいた。


 ……わりとちょろいな、ミランシェ。


 とはいえ、ミランシェの力が必要だったのも確かだ。ミランシェの主な武器は弓矢だが、それを精霊術により強化することができる。ただの矢が、超常的な力を持った武器に変化するのだ。


 それを抜きにしても、【百発百中】の『スキル』により、狙った箇所へと必ず攻撃は当たる。それと、ここにゲルドの【鑑定眼】を合わせれば……


 魔族の皮膚は硬い。が、急所を見つけてしまえば、急所に必ず矢がヒットするのだ。皮膚が硬かろうが関係ない。



「ミランシェさん、頑張りましょうね!」


「え、えぇ」



 それはつまり、一撃必殺且つ百発百中の、絶対の攻撃となる。弓矢なため遠くの敵も攻撃できるので、こちらから先手を取ることもできる。


 それに、ミランシェさんの冒険者としての経験が活きるのも、本当だ。いくつもの死線を潜り抜けてきた彼女の経験は、何度も俺たちの窮地を救ってくれた。



「よ、よろしく、シャリーディアさん」


「シャリーディア、でいいですよ! ミランシェさんの方が年上なんですから!」



 基本的に、精霊師は精霊術師を嫌う傾向にある。それはそうだろう、言ってしまえば精霊術師は、精霊師の上位互換なのだから。


 だがこの二人は、仲が良かった。やはり同じパーティーにいる以上、仲が良くなくては。いずれいらない亀裂を生んでしまうからな。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えるとテンション上がります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ