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殺し屋兎と灰色の鷹  作者: 如月雪人
黒サソリ
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ローグという男

 黒澤が女性を殺してから数時間後。

ローグは女性の死体を見つめていた。

「黒サソリくんの仕事、ちゃんとしてるか見にきたけど……しっかりしてるね。ふふ、偉い偉い」


 ローグは女性の死体に近づくと、腕時計を死体にかざして能力の有無を調べた。

「う〜ん、この人は能力無し、か……残念だなぁ」

能力がないとわかれば、ここに長居する理由もない。

さっさと施設に帰って次の実験の準備でもしよう。

そう思い、ローグは殺害現場を後にした。


 ローグが施設長を務めている実験施設は、主に能力の研究、実験、行先のない能力者を保護する場所だ。


表向きは。


「次はどんな実験をしようかな?氷水にいれてみる?燃やしてみるのもアリかな」

次の実験を考えていたローグ。不意にお腹がぐぅ、と鳴り、そう言えば朝から何も食べてないなと思い出す。

「近くにお店あるかな?」

店を探していると、ケーキ屋さんが視界に入った。

あそこはアップルパイが美味しい店だったはずだ。

丁度いい。

「店員さん〜!アップルパイある?」

「いらっしゃい!お兄さん丁度良かったね。あと一つだったよ」

「お、ラッキー。ちょうだい」

「はいよ。200円ね」

店員に代金を渡し、アップルパイを買ったローグ。

「いい匂い〜!帰ったら食べようっと」


 実験施設に帰ったローグは、実験室に入りアップルパイを食べ始めた。

「美味しい……」

食べながら黒サソリの依頼サイトを見ていると、新着の依頼の表示があった。

黒サソリの依頼サイトはローグが管理しているのだ。

依頼があれば、殺し屋に連絡して人を殺してもらう。

そして、その死体をローグが調べ、能力を持っている者であれば実験の材料にする。

その為に黒澤在真を雇った。彼は優秀だ。

「ん?新しい依頼……『橘 昂鷹を殺してほしい』か。殺したばっかりなのにねぇ。黒サソリさんも忙しい」

依頼の内容を黒澤に送る。これで彼はすぐに動いてくれるはずだ。


「さて、アップルパイも食べ終わったしレイセルくんのところにでも行こうかな」

施設の地下には牢屋のような場所があり、人を閉じ込める事ができる。

ローグはそこを気に入っていた。閉じ込めた時、人はどんな反応をするのか。

反応を見るのが楽しくて、つい人を閉じ込めてしまう。

今は、レイセルという元施設職員を閉じ込めている。


 地下に続く階段を降り、レイセルを閉じ込めている牢屋についた。

「ふふっ。やぁ、レイセルくん。調子はどうだい?」

レイセルはベッドに横になって天井を見つめていた。

嫌いなやつを見下ろすのは楽しいとローグは思う。

「お前に話すことなんて何もない」

「そうか……せっかく来てやったのに」

「お前と話すなら寝てた方がいい。さっさと消えろ、この死に損ない上司」

そう言うと、レイセルはローグに背を向けた。

「ああ?使えない部下のくせに何言ってんだ」

「うるせぇ、消えろ」

「オレは大和くんをここに連れ戻すまで消えるわけにはいかないんでね」


『大和くん』と聞くと、今まで無反応だったレイセルがぴくりと反応した。

「……やめろ。大和くんがどれだけ苦しんだと思ってるんだ。これ以上あの子を苦しめるな」

「苦しめる?苦しめてるつもりなんてない。あいつはオレの言う事を素直に聞いてくれる実験材料だ」

「あの子は人間だ。実験材料なんかじゃ無い。お前は、あの子の人生を狂わせた最低な奴だ」

「オレは、知りたいと思った事を調べているだけだ。何が悪い?知りたいと思ったなら調べる、当然のことだろう」


 やはり、こいつとは意見が合わない。そう思いながらローグは牢屋を後にした。

殺してやりたいが、レイセルは不老不死の能力を持っている。

それに、殺してしまったら自分のお気に入りの服を作ってくれる人がいなくなる。

「あいつと話すと疲れるな……」

気持ちを切り替え、ローグは次の実験の準備を始めた。

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