表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺し屋兎と灰色の鷹  作者: 如月雪人
任務2:会社員を殺せ
12/36

探偵

 聞き込み調査を始めた一雅はまず、山口達也が勤務している会社に向かった。

ここなら、一番有益な情報が得られるはずだ。


 社内は広々としており、仕事しやすそうな雰囲気。

「こう言うところで働けたら、よかったんだろうな」

裏社会の仕事についてしまった以上、もう普通の職にはつけないだろう。

弟に、幸せに暮らしてほしいから。自分は裏社会で生きる事を決めた。

「って、そんな事思ってる場合じゃないな。聞き込みしなきゃ」


 しばらく聞き込みをした結果、山口達也という男は、周りから随分と信頼されていたようだ。

真面目で優しく、頼りになる。皆口々にそう言った類の言葉を言った。

今は、月島という男が代理で社長をやっているそう。


『おや、何か御用ですか?』

背後から突然声をかけられ、ビクッと背筋が跳ねる。

振り向くと、月島本人が立っていた。

「あ、いえ……おたくの社長を探してほしいと、ある方から依頼されまして」

「探偵さん、ですか」

「はい。久坂朝日くさかあさひと申します」

月島に名刺を渡す。もちろん、これは偽名だ。職業なども偽ってある。

こうした方が、仕事をしやすくなる。

名刺を受け取ると月島は、自分も調査に協力したい、と言ってきた。

「社長の事、とても心配なんです。私にも協力させてはくれないでしょうか」

「協力、ですか……」

どうしたものだろうか。協力してくれれば、見つかりやすくなるかもしれない。

しかし、それと同時に自分の正体がバレてしまう可能性も上がる。

どちらを取るべきか。悩む。


「わかりました。協力してください。色々と聞きたい事があるので」

やはり、ここはリスクよりも情報の収集を優先するべきだ。

「ありがとうございます……!」


「では早速、達也さんがいなくなった事について、心当たりは?」

「ないです。取引先との話があると出ていったっきり、連絡がつかなくて」

「連絡がつかない」

電話やGPSなども繋がらないそうだ。

『あいつ』からの情報によると、彼はかなりの金持ちらしい。

それらを踏まえると、誘拐のセンが一番高い。

何か、犯人が手がかりを残してくれているといいのだが。


「最後に着ていた服装とか、覚えてますか?」

「服装……ええと、黒いスーツに青色のネクタイをしていました。あと、黒縁メガネもかけてましたね」

「ふむ」

とりあえずは、こんなところだろうか。

礼を言って会社を後にする。

月島には、何かあったら連絡する、と言って電話番号を渡しておいた。


 さて、次は——

次の目的地へ一雅が向かおうとしたその時。


『お。やっぱりここに来てたんだな』


 上から聞こえてきた声に、思わずため息が出る。

「どうして、お前がここにいる」

「ちゃんと仕事してるか心配でね。俺がこうして見に来たってワケ」

そもそも、他人の家の屋根でくつろぐのはどうなのか。

 ひょい、と屋根から飛び降りてくる『あいつ』ことシグレ。

「暇なのか」

「暇じゃねぇよ。お前の事見張っとかねぇといけねえんだ」

「オレはお前に構っている暇なんてない。見張るならGPSで十分だろう」

 一雅は自身の左耳についているピアスをつついた。

弟に貰ったピアス。あろうことかシグレは、そのピアスにGPSをつけた。

「そのGPSだけじゃ心許こころもとないんでね。で、次はどこに行くんだ?」

本当はもう少し聞き込みをするつもりだったが、シグレと一緒に歩くのはごめんだ。

予定変更。今日はもう家に帰ろう。

 シグレを押し退け、一雅は別荘へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ