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殺し屋兎と灰色の鷹  作者: 如月雪人
任務2:会社員を殺せ
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何でも屋

 このところずっと晴れてるな、なんて思いながら歩く昼下がり。

橘一雅たちばなかずまさは1人、当てもなく散歩していた。

「オレ的には曇りの方がいいんだけどな」

着信音が聞こえ、スマートフォンを見るなり一雅は舌打ちをした。

画面に、一雅が一番会いたくない人の名前が表示されていたからだ。


 渋々電話に出ると、やはり依頼の話だった。

『よう。元気か?まぁ、この電話に出るってことは元気ってことなんだろうが』

こいつの声を聞きたくない。

出来る事ならば、もう二度と聞きたくない。

「無駄なおしゃべりはいい。さっさと用件を言って消えろ」

『酷い言われようだなぁ。俺がわざわざお前の為に依頼を探してやってるってのに』

「こっちは依頼を探せ、なんて一言も頼んでない。お前が勝手に……」

 自分は、弟と幸せに暮らせればよかったのだ。

なのに、あいつがその日常を奪った。許せない。

『……それ以上失礼な口を聞いてみろ。お前の弟がこの世から消えるぜ。出来るだけ苦しんで死ぬようにしてやるよ。どっちがいい?俺の命令に従うか、弟が消えるか』

こんな汚い手を使う奴の元で働いているのだと思うと、吐き気がする。


 しかし、弟がいなくなるのは、一雅にとって、辛い事だった。

「……わかった、オレが悪かった。で、依頼はなんだ」

 本当は謝りたくなんてないが、仕方ない。弟の為だ。

『そうこなくっちゃな。依頼内容は、人探しだ』

「人探し?探偵にでも頼めばいいだろう。どうしてそんな依頼を受けたんだ」

『なんでも、そいつが大金持ちらしい。見つかれば大金がもらえる』

「金のためか。くだらん」

『はっ、言ってろ。後で詳細送るから、よろしくな。探偵サン』

 性根の腐った男だ。そう毒づいて、電話を切った。


 あいつさえいなくなれば、全てが解決するのだ。

いっそのこと、自分であいつを始末してしまおうか。

でも、自分にあいつを殺せるほどの力があるだろうか。

そう何度も自問しているが、結局のところ、まだ結論を出せていない。


「どうしてこうなってしまったんだろうな」

大きなため息を吐き、送られてきた依頼メールを確認する。

山岡達也やまぐちたつやという男を探してくれ。頼んだぜ。』

 画面には、達也のプロフィールと写真が添付されていた。

「27歳で社長か。随分と若いんだな」

社長と聞くと、どうしても弟の姿が浮かんでくる。

弟は元気にしているだろうか。

ちゃんと体調管理をしているだろうか。

蓮に、よろしく頼むと言ったが、それでも心配だ。


 ——悩んでいても、始まらないか。

一雅は聞き込み調査を開始した。

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