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殺し屋兎と灰色の鷹  作者: 如月雪人
任務1:女性を殺せ
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ニュース

「ん……?」

椿が目を覚ますと、ふかふかなベッドの上にいた。

「ここ、は?俺、昨日何して……」

ズキッと頭が痛む。昨日の記憶が曖昧だ。

周りを見ると、床で毛布にくるまり、すやすやと寝ている橘の姿があった。

「昂鷹?お前、どうしてここに」

 ——とりあえず、こいつから話を聞いた方が良さそうだ。

椿はそう思い、橘をおこしにかかった。

「昂鷹?おい、起きろ。起きろって」

「んー」

 驚いた。こいつ、全然起きない。

「おい!起きろよっ!」


「つば、き?」

 眠そうに目を擦りながら起きる橘。

こんなやつが社長だなんて、信じられない。

「お前、これはどう言う事だ?どうしてお前と俺が一緒にいるんだ」

「もうすこし、ねかせてくれ」

「寝させねーよ!?お前、今何時だと思ってんだ!」

 現在時刻は、午前10時。

仕事ならもう出勤している時間だ。

「おやすみ」

「寝るなって!マイペースか!!……ああもう!」

どうにかして、橘を起こす方法は無いだろうか。


 そうだ。あの秘書に聞いてみよう。

秘書なら、橘の扱いにもなれているはずだ。

「携帯、借りるぞ」

椿は橘の枕元に置いてあったスマートフォンを手に取り、大和に電話をかけた。

『もしもし?しゃちょ……』

「おい、秘書。お前の上司が起きないんだが」

『え?そんなの、休みの日はいつもの事ですよ。っていうか、貴方、誰ですか』

当たり前のように言われ、これが普通なのかと驚きを隠せない椿。


「椿だ。どう言うわけか、お前の上司と一緒にいるんだが」

『社長と?仲直りしたんですね。よかったです』

「いや、そうじゃなくて」

『他に何か?』

「起こす方法、何かないのか」


『社長を起こす方法、ですか。簡単ですよ。ちょっと社長と変わってもらえます?』

「あ?ああ……」

何がなんなのかわからないまま、橘にスマートフォンを渡した。

すると、今までの寝ぼけていた顔が嘘のようにシャキッとなった。

(一体、秘書は昂鷹に何をしたんだ)

「最悪のモーニングコールだね……おはよう、大和く……ん?」

「さて、どう言う状況か説明してもらおうか」

 まるで珍しいものを見るかのような目で椿を見ている橘。

「椿が私の家にいる?夢かな……ああ、思い出した。椿が酔ってたから持って帰ってきたんだった」

「だいぶ語弊があるんだが」

「あー、うん。椿がだいぶ酔っちゃってね。椿の家に行くより私の家に泊めたほうが早いなと思って」

 一体、昨日の自分は何をしてしまったんだろう。

嫌いな相手に恥ずかしい所を見られてしまったのだろうか。

そう思い、椿は昨日の自分を恨んだ。

「昨日の記憶がないのはそう言うことか。それより、さっき秘書になんて言われたんだ。全然起きなかったのに一瞬で起きた」

すると、橘は苦笑いをして答えた。

「起きなかったら家燃やすって脅されちゃってね。大和君は怒らせちゃダメだよ。怖いから」

「どうして上司より部下の方が強いんだよ……あと、放火は犯罪だ」

「ああ、そう言う言い訳があるか。今度そう言ってみよう」


 自由奔放な橘に、一番苦労しているのは秘書の大和なんだろうなと椿は察した。

今度愚痴にでも付き合ってやろう。そう椿は思うのだった。

「で、昨日はなんでお前に呼ばれたんだ?」

「そこから覚えてないんだね……。三浦咲のことについて、話したいことがあったんだ。全部話したけど、覚えてない?」

「話?うーん……」

 昨日の事が何も思い出せない。

それを悟ったのか、橘は昨夜椿に話した事をもう一度話した。


「咲が殺人、ねぇ。そんな事、しない奴だと思うんだが」

「昨日も同じような事を言っていたね。彼女は相当真面目だとわかる」

 話をしながら身支度を整え終わった2人。

橘は椿にご飯を食べていかないか、と提案した。

「遠慮しておく」

「残念だなぁ。椿の好きなプリンがあるのに」

「今日くらい、休ませろ。二日酔いで頭いてぇし、寝たい」


 ——今朝、路地裏にて女性の遺体が見つかりました。遺体付近のものから、死亡したのは三浦咲さん、24歳であると思われます——


 三浦咲が死亡したと、後に椿は昼のニュースで知るのであった。

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