表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
速達配達人 ポストアタッカー 2 〜LOVE LOVE ダーリン 策略だらけの一夜〜(表紙絵付き)  作者: LLX


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/21

5、サトミと腐れ縁

そうしてようやくロンドの局に着いた。

ちっこいのはとっくに着いてて荷物降ろしてる。

文句言ったけど、完全無視継続。

荷物降ろしたら、着替えに家に帰るらしい。


やっぱりアレは、自分でも浴びた血で気持ち悪いから機嫌が悪かったんだろう。

そういうことにしよう。

デリーじゃ、あんな失礼な奴はいないわ。


ポリスには一応連絡したけど、簡単な事情聴取で終わる。

ちっこいのがアジトまで追っていったけど、そこはまた明日聞きに来るらしい。

ロンドの人たちは、ちっこいの以外はとても優しくて、もう日も落ちてるので明日の早朝デリー行きのロンドの人と一緒に帰ることになった。


「よくポストアタッカーになったわよねえ。」


エクスプレスの事務してるキャミーがコーヒー出してくれる。

持ってきた荷物は、結局半日遅れで明日の処理になった。

いくつか手紙が血で汚れたらしいので、お詫び状を付けるらしい。

あのちっこいののせい……というか、きっと私が元凶。


くっ、落ち込む。今度来る時は無事に済みますように。


「まあ、この腕章に憧れるって感じ? セシリーちゃんにも勧められたし。

あたしセシリーちゃんとは前から友達なの。

でも〜、一人で荒野渡るの思った以上に大変よねえ。」


フフフ……と、なんか慈愛の微笑みが帰ってくる。


「他の奴ら強いからさ、きっと………標的になるよね………」


「え………」


そ、そっか………確かに………


しばらく、時間がそこで止まった。


「今夜うちに泊まりなよ。セシリーのとこに行く?明日のデリー当番誰だっけ?」


「んー、でも朝早いんでしょ?だったら、明日デリー行きの人んとこにお世話になったがいいかな。」


「それもそうね、一緒に出ればいいし。」


バタンと、ドアが開いてあのちっこいのが着替えて帰ってきた。


「なんだ、まだいたのか、クソ女。

キャミー、あの服捨てた!服代でる?なあ、出る?」


「サトミ〜、失礼でしょ?出すわよ。気持ち、古着代ぐらいね。

だから防弾スーツ着なさいって言ったでしょう?

あれなら局で洗濯出すのに。なんで意地でも着ないのかなあ。

明日朝は誰?デリー行き。」


「俺。」


おれ?ってことは、明日もこいつと……?


「げえええええええええええ!!!」


あたしは絶望した。





とは言っても、今夜寝るとこ確保せねば。

就業時間も終わりに近づいて、アタッカー達も帰ってきてみんなそろうと、だんだん言い出しにくくなってきた。

よりによって、なんで明日がちっこいのなのよう〜


でもさ、こいつだからイヤとは言い出すのも女がすたる。

こっちも軍上がり、銃抱いて山の中で一晩寝たことだってあるのよ。


フフフ……さあ、どう出るちっこいの!

みんなとソファーに座って超激甘コーヒー飲んでる、ちっこいのに後ろから声かけた。


「ねえ、ちっこいの、頼みがあるんだけど〜」


「お前が俺をそう呼ぶ限り、俺はお前の声、一切耳が拒否する。」


「え〜、だって、みんなちっこいのって呼ぶんだもん、なんであたしだけダメなのよお。」


それって、差別じゃん?


「レイルちゃん、レイルちゃん、ちょ、こいつ激怒げきおこする前にちゃんとサトミ様って呼んであげてよ。

俺、怖すぎるから。」


ムウッとむくれるあたしに、向かいのダンクちゃんが声を潜めて手招きする。


「え〜、そんな敗北宣言みたいでやーだー。」


いやんいやんとクネクネするあたしに、後ろからセシリーがでっかいお尻でドンと押した。


「レイル、あんた相変わらず脳みそ空っぽねえ。

あんたのその鈍感さは、まあこの仕事に向いてるのかもしれないわ。

いいから頭潰される前にサトミって呼ぶのね。

ほんとあんたって怖い物知らず。

え〜? あたしは王子でいいのよ、あたしが王子って決めたんだから。」


セシリーが、コーヒー入れて冷蔵庫に行くと、バターをひとさじコーヒーに入れた。

バターがじわっと溶けて、コーヒーの表面に浮く。

それをズズーッと吸って、なんだか幸せそうにあたしに親指立てた。


ちぇっ




「なー、ガイド、なんでアタッカーって普通の女がいないんだろうな〜。」


サトミがため息交じりに真っ白なコーヒーに、また砂糖を入れた。

ガイドがサッと砂糖の容器を取り上げる。


砂糖めっちゃ入れてるけど、あれ、溶けるのかしら。


「お前も普通じゃ無いし、とんとんじゃネエの? まったく、砂糖入れすぎって何度言わせるんだ?」


「は? 俺普通だし……うーん、いや、普通と思ってたんだがなあ。」


「普通の奴は、銃向ける奴を友達と呼ばねえだろ。」


「仕方ねえ、あいつには俺の他に友達のなり手がねえもん。」


「なんだよそれ、ほんとお前って変な奴。」


お仲間で会話が弾んでる。

えーと、………

そうっと、あらためて声かける。


「あのー、サトミちゃん?」


「ちゃん?」


「ねえ、今夜家に泊めてくんない?」



「「   はあああ???? マジーー???  」」


「マジーー」


みんなの視線が、あたしのプリティな顔に集中した。

レイルの中で、サトミをどう呼ぶかの葛藤がw

彼女はサトミの戦闘シーンを見たこと無いので、ただただ舐めてます。

ちっこくて可愛いくらいしか思ってません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] セシリー「王子とひとつ屋根の下」 セシリーちゃんが銃を取り出しそうだ! ……バターが関わってないから大丈夫かな? [一言] セシリーちゃんと前から友達のレイルって バター屋の娘かい?(バ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ