表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
速達配達人 ポストアタッカー 2 〜LOVE LOVE ダーリン 策略だらけの一夜〜(表紙絵付き)  作者: LLX


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/21

20、LOVE LOVE ダーリン

ダーリンが、マジマジあたしを見てふうんとつぶやく。


「そうだな、あん時はダンクに来てもらったが、ストックがまた貯まったからそれはいいな。

ダンクは飽きやすいから人員は多いに限る。

よし、じゃあ2時間だ、みっちり新聞の朗読だ。覚悟してこい。」


「新聞??なあんだ、なんかもっといいことかと思った!

もっとさー、女の子と二人っきりなんだし〜、えへ!こう、セックス講習会とか〜」


くねっくね、お尻を突き出してみる。


「もういい、却下だ。お前は来るな。」


「ウソッ!!ウソです!真面目に新聞読みます!!


ねえねえ、このリッチな寄付したのってぇ、誰助けたの〜?

すっごい美人マダムだったりして、やだ〜!!ダーリン浮気しちゃイヤ〜ン!!」


ほっぺをグーで挟んで、キャピキャピしてみる。



が、、、、何故か、ダーリンが不気味にニヤリと笑った。



「   え   ??  」



なんだか、背中をザアアッとよく冷えたコーラが流れた。……様な気がした。


後ろから、キャミーが 「ああ!」 と明るい声を上げる。


「ほら、レイルがサトミの家に泊まった日、町のカジノが火事になったのよ。

その時逃げ遅れた人たち助けたんですって。

それでね、なんか保険かなんかでお金がいっぱい入ったから、善意のお礼ですって。

殊勝な人もいるものよねえ、なんでもこれからはカタギに戻って、美味しい中華のお店開くんですってよ!

中華のお店って初めて!今度一緒に食べに行きましょ?」




「  ……… ふふふっ ……… そ、そうね ………  」



ヒクヒク、、あたしは、頭が、   まっっっっ   ちろになったわ。    



え?どういう事???



え???   つまり。



この、きれーな椅子も。


この新しいデスクも。


休憩所のベッドも。


こいつが頼む、妙にお高い砥石も。


それから、それからああああ、リッチに買い直すらしいレインスーツも!!!




ぜーーーーーーーんぶ、あたしのおかねえええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!




「ねえダーリン、ちょっと話があるんだけどぉ。」


「俺はない。じゃあな、また会おう。」


バーンとドア開けて、サッと出て行く。


「ちょっと!ダーリン!!逃げるなあああああ!!!」


「いいツラ拝ませてもらったぜ!ハハハッ!!」


ドアの向こうから清々しい笑い声!!ジョーダンじゃ無いわよ!!

あたしは泡食ってあとを追った。

絶対あいつ一枚噛んでるじゃん!!


「冗談!

これからここに来るたびに、あの忌まわしい!恥ずかしい!思いが!

何度も!何度も何度もおっ!!思い出されるのよぉっ!!」


ドア開けて見たら、見事にサッと馬に飛び乗って走り出す。


「じゃあな!!ベンッ!!飛べっ!!」   


ドカッドカッドカッ!ガッ  ガカッ!! ドカッドカッドカッ!!!!


「あああーー!!!マジいいいぃぃ!!やだ、カッコイイーー!!」


ゲート飛び越えて行っちゃった!


ピッピーーーーッ!!ピピピピピーーーーーー!!!


突然、ゲートの警備員の姉ちゃんが飛び出して、めっちゃ怒りながら走って追いかけた。


「コラーーーー!!サトミーーー!!ちゃんとゲート通りなさーーーい!!

規定いはーーーーーーん!!ピピーーーーッピーーーーーーーッ!!」


「ちょ、サトミ!何やってんのよーー!!すいませーん!あとでボコっときますからー!」


帰ってくるわけも無く、キャミーが飛び出して警備の姉ちゃんに平謝り。

ふっ、きっと始末書だわ、ざまあみろ。


「もー、はっや!逃げ足くそ早い!ダーリン、日曜覚えとけーーーー!!」


ため息ついて、ダーリン見送り腰に手をやる。


「グフフ……グフフフフ……」


笑いがこみ上げ、思わず投げキッス。


「どしたの?うちのサトミがなんかやらかした?」


キャミーが不思議な顔してのぞき込む。


「やらかしてくれたわー……。

つかさー、あいつに言っといてよ。

あんなはした金、痛くも痒くも無いわ〜って。

好きなだけ使うといいわよ、金のかかる男だーい好き!

どうせパパのお金だもん!」


「お金?なに?」


「何でもなーい!」


お尻を振って、部屋に戻ると綺麗なソファーにボスンと座る。


「あー、いい座り心地。日曜日は嫌がらせに嫌いなものでも買っていこうかしら。

ねえキャミー、あいつの大嫌いって何かな?」


キャミーはうーんと考え、ニッコリ微笑む。


「ねえ、何あったか知らないけどさ。

大好き持ってって、うっめえーー!!って、キラッキラした目のあの子見てる方が楽しいんじゃない?」


「ほおおおー、なっる〜キャミーって、大人〜〜!!」


「へっへー」




そうして、土曜の夜、張り切って焼いたバターケーキに、バタークリーム塗ってチョコであたしの気持ちを書いたの。

もちろん、書いたのは、


『 LOVE LOVE DARLING !♡ 』


ただし日曜日、馬に乗ってロンドに着いた時はバタークリームに文字が溶けてグッチャグチャで


「汚え!これが食いもんかよ!」


って言われたけど、味は満点、だってあたしが作ったバターケーキ、マズいはず無いじゃない?


「 なんだこれ、すっげえうっめえーー!! 」


って、一口食べるなり、キラッキラした目で叫ぶ子犬のようなダーリンもイイものよ。

ま、その後死ぬほど新聞の朗読が待ってたけどね!


これがデート??!!面白くなーーーーい!!!


まったくさ!!


LOVE LOVE ダーリン、デンジャラスLOVE !! だわ!

ご愛読ありがとうございました。

前回のハードなストーリーから、ワケのわからない女の一人称から始まった今回。

1話(現在2話部分)で読むのやめた方も多く、サトミの気配が皆無だったのでプロローグ(現在1話)を足してみました。


今回何を書きたかったかというと、アタッカーにも落ちこぼれはいますという、前回あまりにみんなカッコ良すぎた反動でもあります。


しかもレイルは親が軍の幹部。

大学も中退、親の元ならと軍に入ってもいきなり事件起こしてクビ。

と、まあ問題山積の女の子で、民間に出してこの酒癖が知れ渡ってもスキャンダラスだと、親が郵便局に押し込んだわけです。

しかし酒癖は相変わらずで、レイル自身も何かあったら親がもみ消してくれるという甘えがあったわけですが、今回親の手が届かないところで訴えられて青くなったわけでした。


それで、破格の示談金です。

40万ドル(4000万円)ふっかけたのは、サトミはそういう事情を知っていたので、足下見たわけで本当に悪い奴です。

果たしてサトミが彼女と付き合うかはわかりませんが、もし彼女が親に彼を紹介したら、その瞬間、パパはショックで息が止まるかもしれません。

彼は幹部でも有名なので、知らない人はいない汚れ仕事専門の男だったからです。


3は、サトミ主体に戻します。

またシリアスに戻る予定です。

少しお時間いただきますが、また、いつの日かお会いしましょう。

合間に気が向いたら短編書くかもしれません。


と、言うわけで。


「また会おうぜ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] キャミーって大人だなぁ(羨望の眼差し)。 レイルさんや、美味しいものを名残惜しげに、ちみちみ食べてるのも可愛いんだぜ!(`・ω・)人(・ω・´) [気になる点] シェン達、中華のお店を開…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ