表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
速達配達人 ポストアタッカー 2 〜LOVE LOVE ダーリン 策略だらけの一夜〜(表紙絵付き)  作者: LLX


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/21

16、新型音響兵器

「すかー、すかー、すかーーーっ」


ブラブラぶら下げてるレイルはすっかり熟睡で、目を覚ます気配が無い。

頭ブラブラさせて、でっかい口開けて、よだれたらして寝ている。

何度見ても、ため息しか出ない。


「これでチンチン立つかよ、バーカ。」


家に入ると、どこに置くか考えて、自分の部屋の向かい、両親が使ってた部屋に立つ。

ここはベッドはあるがマットが無い。

こんな酔っ払いに布団なんか贅沢だとは思うが、なんだか両親の音が記憶に残る部屋を他人に荒らされたくない。

結局居間に戻って、ベンのクッションにドスンと放った。

大股広げて前も閉じてないので、パンツまで丸見えだ。

Bカップのブラの片方がずり上がって、乳首まで見えていた。


ため息ついて、火に鍋かけてココアを作り始める。

ココアを混ぜながら、じーっとレイルを見る。


「女は胸見せると恥ずかしいんだと、女の士官見習が言ってたけど、酔っ払うと関係ないのか。

なんで女は胸が膨らんでるんだろうな。

うっかりさわるとセクハラ指摘されるし、めんどくせえ生き物だ。」


棚からフォークとって、傍らにしゃがみ込む。

フォークの先でスーツのファスナーを引っかけ、ジーーーっと上に上げてフタをした。

んあ?っと声を上げ、レイルが薄目を開ける。

まあ、一応声をかけた。


「お前、俺が寝てるとき俺の部屋開けるなよ、家を血で汚したくねえから。

まあ、お前が死んでもどうでもいいけど、家は汚したくねえ。

トイレは廊下の突き当たり、途中俺の部屋の前で立ち止まるな。

うっかり黒蜜飛ばしたら、お前は明日の朝日が拝めねえから、そん時はゴメンな。

俺はそう言う男だ。寝癖だから仕方ねえ、それは事故だ、諦めろ。

じゃ、明日無事だったらよろしく。

幸運を祈る、グッドラック。」


「くかーーーーーーふ〜〜〜〜ぴーーーー」


聞こえたか聞こえてないか、きっと聞いてねえだろうけど、一応忠告はしたし。


軍いた頃は、最初の頃、なぜか同室がよく死んで、気味悪いと同室になる者がいなくなった。

一人になっても、たまに朝起きたら部屋の前で人が死んでたけど、どうも全部俺が殺したらしい。


だから俺は角の大部屋に一人になって、廊下も通行止め、夜間の俺への連絡はすべて電話にしてもらった。

これじゃキャンプ出来ねえなと思ってると、キャンプの時はそれはなかったから、こう言う気を抜く場所が問題なんだと思う。


うーむ……


我ながら、なかなかやっかいな寝癖だ。

軍に来てから、色々あって変な寝癖が出来てしまった。

よって俺のチームは宿舎に帰ると、寝る前に俺の前でこれ見よがしにグッドラックを連呼しやがる。

まあ、それも見慣れた景色だった。


他人はどうも警戒するんだよなあ……

馬は大丈夫だし、家族も……家族なら大丈夫と思うんだ。


女のイビキ聞きながら悶々とココア飲んで、筋トレして、シャワー浴びて、すっきりしたところで刀の手入れをする。

今日は人を切らなかったから、雪雷も綺麗なものだ。

壁切りは刀で切るわけじゃ無い。

あれは〜、なんか良くわからねえが、石割りと同じ様な感じで、俺もなんかわからないけどなぜか切れる。

切れると確信が持てる。

不思議なもので、切れない時は、切れねえってわかるから不思議だ。

ずいぶんと軍ではめんどくせえ奴らが来て調べられたけど、あまりしつこかったからジンがなんかやらかして来なくなった。

まあ、俺はなんか……


「やっぱ、普通じゃねえんだろうなあ……雪。」


刀2本とも取り出し、黒蜜の刀身から古い油を拭き取りながらつぶやく。


「なあ黒よ、ヒマだなー。まあ、お前がヒマなのは良いことだわ。

まあ、諦めて、お前は静かに寝てろ。」


新しく油を塗って、刀を組み立てて鞘に戻す。



そうやって、いつもの彼の日課を済ませ、そして電気消して、寝た。

女は寝てるので何も変わらない夜で、ちょっとホッとする。

静かな夜だ、明日の朝は早いから、寝坊しないようにしなきゃ……な………



…………………


…………………


………ピーーーーーーーーーーーーー


………ガーーーーーーーーーーーーー



モゾモゾ、サトミが寝返りを打つ。




ピーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガーーーーーーーーーーーーーーーーー



そして、布団をかぶった。

布団の中で、耳を押さえる。



ピーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピーーーーーーーーーーーーーーーーー


パチッと目が冴え、バンッと布団をめくる。


「一体何だ、この騒音は!耐えがたい!クソ女、外に放り出す!」


たまらず起きて刀を背負い、居間に向かった。


ピーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガーーーーーーーーーーーーーーーーー


「俺はどうしたらいいんだ。

こいつの首、すっ飛ばしたい。」


レイルを見て、そう、つぶやくしか無かった。


レイルは暑かったのかスーツは脱ぎ捨て、布面積の小さなブラはすっかりずり上がり、スキャンティ一枚の状態で大の字で寝てる。

肝心のスキャンティーからも、いろいろはみ出してR18の様相だ。


サトミはがっかり首を振り、テーブルの新聞を一枚取ると、広げてレイルの胸と股間にかぶせた。

もう、出来れば目にボカシを入れて欲しい。


「なんてことだろう、俺は女性不信になりそうだ。

こんなヒドイ女が、家の中にいるなんて。

父さん母さん、すまない。今夜一晩許してくれ。


ああ、こんな奴連れてくるんじゃなかった。

外に放り出せば、きっと隣の婆ちゃんに迷惑かける。


この『ガー』はガマン出来るけど、『ピー』がガマン出来ない。

まるで、新型の音響兵器だ、高周波で頭痛がしてくる。

馬屋に放り込むと馬に影響が出る、納屋は馬屋に近い。


寝ないと朝が来る、考えてる時間が惜しい、仕方ない。

こんなセリフ、俺は隊長の時も一度も言ったこと無いのが自慢だったのに、まったく屈辱だ!



このクソ野郎!これは戦略的撤退だ!敗北では無い!」



クルリときびすを返し、自室に向かうと毛布と枕を持って馬屋に向かう。

馬屋に入るとワラを足して、ベンの隣に枕を置いて横になる。

寝ていたベンが頭を上げて、じっと見てヒヒッと笑った。


「さびしい、さびしい〜」


「寂しいんじゃねえよ!家を明け渡すなんて最悪だ。

ひでえ夢見そうだ、クソ女め。」


とは言え、ふかふかのワラに包まれ、ベンの横は意外と落ち着く。

サトミはすぐに寝息を立てて、熟睡した。

不快な音は、どうしようもなく不快で我慢ならないもので、それはもう、兵器と言っていいのでは無いでしょうかw


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 藁の寝床で1回は寝てみたい(アルプスの少女的な) [気になる点] レイル起きてないか……? イビキは横寝にすると静かになると聞いた事があります。 [一言] 軍でレイルの酒癖がいい話のネタに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ