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速達配達人 ポストアタッカー 2 〜LOVE LOVE ダーリン 策略だらけの一夜〜(表紙絵付き)  作者: LLX


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12、ボスと名乗るなクソ野郎

シェンが大刀でドアを指す。


「外に出ろ」


「俺はここでもいいけど?あんたの血や中身まき散らしても、ここなら一般市民にご迷惑おかけしねえじゃん?」


サトミが刀を肩において、つま先でルーレットを回す。

部屋は男たちが転がり、テーブルや椅子が乱れて、かなり動きは制約され足下は最悪だ。


だが、それよりもシェンにとって、引っかかるのはサトミの言葉だ。

彼は自分が勝つこと前提でしか話をしない。

そのあまりの自信満々の様子に顔を引きつらせると、首を振ってニッと笑った。


「いいだろう、貴様のその刀をへし折ってくれる。」


「へえ、俺にケンカ売った奴は、だいたい泣きを見るんだぜ?ククッ」


「泣きを見るか、貴様が泣いて帰るか、勝負だチビ助。」


サトミが微妙に片眉を上げ、フンと息を吐く。


「ま、あんたはデカいから許してやらあ。

俺はまだ成長するし!」


「おいっ!なにガタガタ喋ってる!」


横からボスが割り込んで、杖を振り回す。


「わしの店をこれ以上汚すな!外でやれ!」


ボスの一括に、サトミがチッと舌を打った。

足下のチップを刀の先で刺して3つ取り、左のナイフを逆手に持って指弾で飛ばす。


「うぉっ!がっ!」


1発目でボスのカツラが吹き飛び、頬に2発当たってあまりの痛さに抑えて唸った。


「貴様は黙れ。

命のやりとりする覚悟もなければ、財産賭ける覚悟もねえ。

人の上に立つなら、相応の覚悟を持って人を動かせ、クソ野郎。

てめえら裏の仁義にも欠けた野郎がボスと名乗るな。」


シェンの眉がピクリと動き、チラリとボスの顔を見る。

ボスは口から血と折れた歯を吐き出し、シェンに向けて命令した。


「な……にぃっ!この……知ったようなことほざきやがって!

く、く、くそ、……歯が、折れた…わしの歯が……

この…このガキ!シェン!殺せ!!」


シェンが無言でうなずく。

そして、スタスタとサトミの前を歩き、ドアへと向かった。

ドアノブに手をかけ、サトミに落ち着いて口を開く。


「腐っても恩人だ、そちらも女が巻き添え食うのは望まんだろう。

外で頼む。」


腐っても、と、言葉を選ばない男にサトミがプッと吹き出す。

左に持っていたサバイバルナイフを腰に直し、そしてうなずいた。


「いいだろう、貴様気に入ったぞ。

おい、そこの若い奴。お前だ、死んだフリしてるお前。女に服着せとけ、いいな。」


死体に下敷きになって死んだフリの男が、片目を開けて周りを見回す。

どう見ても、サトミは刀で自分を指している。

バレバレだった……


「げっ! な!…んで俺が……わかった。」


死んだフリがバレて、メチャクチャ恥ずかしい。

子供に若い奴言われても、どこか解せない。

とは言え、フリはバレてるし、怖いのでうなずいて立ち上がった。





その頃、セシリーは焼いた肉頬張りながらリッターと夕食を食べていた。

リッターは、セシリーがバター止めて普通のメシ作る様になってからは、ようやく一緒に食事が出来るようになった。

外飲み減った分、買う酒が増えたわけだが。


「そう言えばさー、レイルってなんで軍を首になったか知ってる〜?」


「そう言えば〜……知ってんのか?何だ?」


リッターがストレートウイスキーに氷入れて一口飲み、肉をフォークでぶっ刺してかみちぎる。


「ひひひ!あいつさー、酔っ払うと男のチンチン狙うんだわさ。」


「はああぁぁぁぁ????」


「あいつさー、以前、彼氏に浮気されて捨てられたって、それから酔うと男が敵に変わるんだってさ。

浮気ッつってもさ、あいつの都合悪くて他の子とパーティー行っただけだよ?すっごい執念深いんだよ。


飲むと自分の身体エサに、男のチンチン、ボッキボキ折って不能にしちゃうんだってさ。

んで、入隊パーティで5人やっちゃって、首になったんだって。

きっと大学もアレが中退の理由だよ。」


リッターが思わず股間を押さえ、ひいっと息をのむ。


「マジか、こえええぇぇぇ……それなのに何であの下半身脳なんだ?あれ。」


「男は敵なのに、無類の男好きって〜変な女。

あいつの見る男の夢はさ、だから、夢見るおとぎ話の王子な訳よ。

ま、お兄ちゃんは絶対無理な感じ〜」


「冗談じゃねえ、全力で拒否る。サトミ無事かな〜、まあ無事だろうけど。

で、なんであいつとお前、友達なんだよ。」


「ああ、ただのバター友。

デリーでバター探してる時、やっぱり男と痴話ケンカしててさ、変な奴だから気に入って友達になったの。

あいつ経由で大量にバター手に入ったから、まあ利用したと言えば利用したんだけどぉ。」


ふと、何故かセシリーが、急に口に肉詰め込んで食い終わる。

そして心置きなく身を乗り出して、面白そうに話した。


「それがさ〜さっき酔っ払ってるレイル、町で見たんだわ。」


「えっ??!!何で?彼女サトミんとこに……」



ドンドンドンドンッ!!



いきなり、凄い勢いでドアが叩かれた。


「リッター!リッター!大変だ!あんたのとこの奴がカジノでやらかしてる!!」


「えーーーー!!!マジかっ!?誰がだ?」


急いでドアを開けると、行きつけの飲み屋のボーイだ。

息を切らして、背中に棒のジェスチャーで、リッターは驚愕して言葉を待たずに走り出した。


「なんで?!何がどうなった!」


「だってさ、王子、メシは外で食え言ってたじゃん?」


「彼女、外飲みしやがったのか!」


「いいじゃん、いいじゃん!面白そうじゃん!」


いつの間にか、並んで妹が嬉々として横を走っている。

楽しそうに、ヤジ馬しに行く気満々だ。


しかし、カジノはこの町の裏の世界を牛耳る、言わばマフィアの端くれが経営する店だ。

ポリスより先に駆けつけなければ、マジでヤバい!


「ガイドか局長……!くそう!俺が止めるしかねえ!……しまった!銃持ってきてねえ!」


「あたい持ってきたー!!バンバーーン!ぶっ放すいい機会じゃん!

ヒャッホーーーー!!」


「ぇぇええええええ!!やめろおおおおお!!」


彼の妹も相当ヤバかった。

任侠映画って、怖くて見ないのですが、なぜかサトミのセリフは立て板に水のように出てきます。

つか、セシリーちゃんは外道w

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