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フリーター、魂を刈る。  作者: なつかし
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第1話 フリーター、死神になる

初投稿デス。

 俺は鎌倉フブキ。19歳で高卒のフリーター。

両親はすでに亡くなっていて、残されたのは父親の6億の借金と可愛い妹だけ。

今は妹と2人でトウキョウの小さなアパートで暮らしている。


 昼は報酬の良い日雇いバイト、夜はコンビニで働く。そんな毎日を繰り返している。

正直こんな生活を繰り返していたら体がもたない、というか限界が近づいている。


 夜遅く、コンビニでのバイトが終わり帰る途中、落ちているチラシが目に入る。

普段ならスルーしてしまうところだったが、なぜか気になってしまった。


------------------------------------

未経験 歓迎! 高額報酬!!


あなたも死神やってみませんか?


仕事内容:魂の回収、納品

※質に応じて報酬が上下しますデス。

------------------------------------


 ――死神、高額報酬…いかにも怪しい。だが、疲労で判断能力が鈍っていたのか、とりあえずチラシに書いてあった番号に電話をかけた。夜遅いのは承知だが、こんなチラシを貼る会社だからな。


「お電話ありがとうございますー。こちら安心魂取引所デス」


高めの声で胡散臭いが、仕事はできる感じの男が電話にでた。

バイトに応募したい旨を伝えると明日すぐに面接することになった。


 急すぎだと思いながらも、いつもの私服で余計なことを考えずに現地に向かう。

指示された建物に着いた。外観はこぢんまりとした2階建ての倉庫にも見える。

 中に入ると思ったよりも綺麗だが、社員は見当たらず、ドクロやコウモリといった特徴的な装飾がちらほらと目に付く。

応接間のような場所に着くと、電話の声にピッタリの痩せて背と鼻の高い胡散臭そうな男がいた。

 男はメフィストと名乗った。

「おや、お早いデスね。さっそく面接を始めましょう、と言いたいのデスが……」

 この言葉で一気に不安になる。

「実は先ほど、もう一人面接をしまして、ローブ…この仕事の制服がすべてなくなりまして」

メフィストは申し訳なさそうに苦笑いをする。


「じゃあ、俺は働けない――」

「いや! 普通のローブはもうないんデスが、つい最近入荷した上質な…いや特上のローブが一着ございまして」

「特上のローブ……?」

「普段なら絶対バイト君に着させたりしないんデスが、どうしても仕事がしたいというなら他のローブもございませんので考えますが……」


 俺は高額報酬という文字が頭をよぎる。

「お願いします! なんでもしますから!!」

「仕事熱心なのはありがたいデスが、ローブ代を払ってほしいデスね。」


 制服を買わせるのか、考えてもいなかった。

「ローブ代…借金があってすぐには払えないけど給料から引いてくれないか。」

「仕方ありませんね、承知しました。ローブ代と鎌のセットで6千666万円となります」

 ――はぁ!? 6千…なんかの冗談だろ、と思ったが後に引けなかった。

「安心してください、高額報酬デスので」とメフィストは怪しい笑みを浮かべた。


 ローブは死神のイメージ通り漆黒かと思ったが、色は白く背中の部分には雪の結晶が描かれている。

なんとなくだが、そうとう使い込まれている感じがする……。

「念のためここで試着しますか? そのローブは中古品なので不具合がないかも確かめなくては」

 俺は言われるがままにローブを羽織り、フードを被った。大きめでサイズは問題ない。

「では、そのまま目を瞑り少々お待ちを」

 体に異変を感じたが、恐怖と寒気で目を開けることができない。しばらくして、メフィストが目を開けていいと合図する。

膨大な時間が経過したように思ったが、一瞬だったらしい。


 メフィストが俺を大きな鏡の前に誘導する。そこに映ったのは俺ではなく、銀髪の幼い女の子だった。

「元の姿からかけ離れていますし、問題ないデスね。とくに拒絶反応もなさそうデスし」

 どうやらローブを着用した時に気絶や嘔吐する者も少なくないという。


「では、鎌をどうぞ。お気をつけて」

 メフィストが鎌と言って渡してきたのはただの棒…? 先端を引っ張ると伸びる。

手元にあったボタンを親指で押す。すると棒の先の方からから青白く光る刃のようなものが現れた。

その姿は本当に死神の大鎌のように見える。

 メフィストが言うに、この鎌は肉体は切れず、魂と肉体を切り離すのに使うらしい。


「では、ワタシからの説明は以上となります。報酬はターゲットの魂を納品するごとにお支払い致しますので……」

「ああ、期待に応えられるように頑張るよ」

「最後に仕事中のアナタの名前なんデスが……」


 『ユミル=ブリザード』 俺は無意識にその名前を答えた。

読んでいただきありがとうございます!

連載なのでよければ今後もよろしくお願いします。

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