セーブ① ラスボスだって・・・
わたしは、隣の巨大な大国を納めている王様と敵対をしている魔法使いの末裔である。
巷では、「ラスボス」と呼ばれている。もっとも、知られているのは、私のお母さんとお父さんの方で、わたしはまだ「ラスボス」の見習い。
わたしは、18歳の嫁入り前の女だ。母親譲りの黒髪と、父親譲りの茶色の目がお気に入り。小さいころは、ケーキ屋さんや仕立て屋さんになりたいと思っていたけれども、12歳の誕生日を迎えた日、自分は「ラスボス」として生くべきだと思った。
わたしの家は、代々ラスボスを生業にしている家系である。
これからお話しするのは、みんなが知らない「ラスボス」の世界。
みんなはきっとラスボスをただの悪いものだと思っていないかな。
正義感たっぷりの勇者と、その周りにいるチームワーク抜群の仲間たち。
あらゆる困難を乗り越えて、勇者はラスボスに挑み、戦い、勝利し、勇者としての名声をモノにする。
ラスボスは、勇者に倒されるために存在をしているようなものだ。
でも本当は違う。
ラスボスだって、好きで悪者になっているわけじゃない。
わたしのように生まれながらにして歴史ある由緒正しきラスボスの家庭は、そうなるしかない。
転生組(異世界からなんらかの理由でこちらの世界にきて、ラスボスになったもの)だって、
肩身が狭いながらも精一杯ラスボスを全うしているのだ。
そんな影の存在、悪の根源と言われるラスボスたちの素性や裏側について、お話しをします。




