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3話 迷子の魔王様

14~18日は事情により執筆、更新はできません。

俺は今、パレードのメインとして国民に手を振っていた。


「きゃー!魔王様~!!」

「魔王様ーこっち向いてぇ!」

「魔王様ぁあ!!」


やたらと黄色い声援が多い。

ゲビールいわく魔族の大半はムキムキの筋肉にイカツイゴリラ顔なため、俺のような美青年はすくないんだとか……。


ちなみ俺の後ろに控えているゲビールもキャーキャー言われていた、やつは顔が整っている、いわゆるチャラい系のイケメンだ。


俺とゲビールにはたくさんの黄色い声援がとびまくっていた、え?他のやつら?筋肉ダルマ達が人気なわけないだろ?


そんなことよりも、だ!

俺は暇つぶしのために人族の国エクステリア王国へといくのだが……。


何故か『人族の国へ政治の勉強へ行く』という嘘…(完全に嘘というわけでもない)の理由がつけられていた。


魔王国グルートには王都以外の街は無い、街の外は全て国外である、街の外は常に危険ととなりあわせだということだ。


そう、俺は初めて国外へ出る、ウキウキワクワクがとまらない。


街から出るための門の1つ、南門へと到着する。

 すると、前を歩いていた兵士達が両側にどき綺麗に整列し……。


「「「「いってらっしゃいませ!!」」」」


声と動きを揃えてそういった。


「あぁ!行ってくる!」

こうして俺の旅……

 いや!冒険は始まりをつげる。


★☆3時間後★☆


俺は人生最大の危機を迎えていた。


目の前には〈ドーラグ火山〉がそびえ立ち、後ろには鬱蒼とし薄暗く甘い香りのする〈誘惑の森〉が広がっていた。


そう、名前はわかるのだ……しかし、ドーラグ火山はとても大きく、誘惑の森はとても広い。

 一応地図は持ってきているのだが現在地は…

〈〈〈〈全くわからない!!〉〉〉〉


今の状況?それは。

「完全に迷子。」


だが!俺はこの状況を一瞬で切り抜けられるアイテムを知っている、いや、持っている!〈転移結晶〉これさえあれば迷子など即効解決だ。


しかしッ!考えてもみろ?盛大なパレードをしてみんなに送り出されたというのに数時間で迷子となり城に帰還するなどいい笑いものだ。


そこで俺は考えた…もう一つなんとかなる方法があるじゃないか!と。


俺はすかさず、装備の1つに魔力をこめた。


『あっ!もしもし?』

通信イヤリングッ!!


『おう?エティエンヌ様か?』


『うん、そうそう!突然なんだけどさ、迷子になった

…助けてくださいお願いします。』


『……なぁ、エティエンヌ様が行くのは確かエクステリア王国だってよな?』


『はい、そうです…。』


『エクステリア王国は南に真っ直ぐ下っていくつか山を越えるだけだったはずだな?』


『その通りでございます…。』


『それで?どうしたって?』


『迷子になりました……助けてください。』


『はぁ…全く。

 で?どこで迷子になったんだ?近くにあるものとか目印になりそうなものは?』


『ドーラグ火山と誘惑の森の丁度間です…。』


『んー、はいよ、OK、そのままよく聞け?

まずはそのドーラグ火山を登れ、頂上には【英竜ファニール】というその辺一帯の(ドラゴン)を束ねてるやつがいる、たしかその竜は人語を理解したはずだ…そいつに相談して連れていってもらえ。』


『え゛っ?竜ですか…というかこの高さの山を登るとか…骨が折れるなぁ…。』


『そんなもん飛んでいけば良いじゃねぇか。』


『はぁ?ゲビールさんは跳べならまだしも飛べ、と?翼も持たないこの俺に?』


『いやいや、エティエンヌ様は多分だせるぞ?羽。

俺は父親が鬼人で母親がサキュバスなんだがな、サキュバスは羽を持ってるから飛べるんだ。

俺は母の遺伝のおかげで意識すれば羽を背中から生やす事ができる、もちろん飛ぶこともな。』


『なんと!?ならずっと出してればいいのに。』


『俺の羽はピンクなんだよ…2度と出さねぇ。

それにサキュバスや悪魔(デーモン)なんかの羽を元々持ってる種族はいいが俺らみたいに遺伝で出せるやつが羽を長時間使うと……な。』

ピンク…クッソ似合わねぇ。


『使うと?どうなるんだ?』


『肩がめちゃくちゃ凝る、それも2,3日動くのが辛いレベルに。』


『……それは経験談だな?まぁ、確かに辛い肩凝りはかなり嫌だな。』


『まぁ1度試してみるといい。』


「よし、やってみるか!」


俺は背中に力をいれながら羽が生えるのをイメージする。


バサァッ!

 イメージするだけで翼が生えてきた、しかし悪魔っぽい形の翼だというのに色は白くなんだか光沢すら出ている気がする、それになんだか変な感覚でムズムズする。


『どうだ?出せたか?』


『お、おう!出たけど背中が凄いムズムズする。』


『まぁ、俺やお前は本職じゃないからな、違和感があるのも無理はないだろう。』


『それに悪魔の羽なのに真っ白でちょっと光ってる…これ大丈夫だよな?』

聖なる力が宿ってるとか言わないだろうか…魔族の血があるから聖属性は弱点なんだけども。


『いいんじゃねぇの?ピンクに比べれば百倍はマシだろうが…まぁ、長時間飛ぶのはよして途中休憩もしながら頂上を目指すんだな。』


『おう、ありがとう

それじゃ、通信切るぞ。』


そういって通信を切った。


「おっしゃ!いっちょ飛んでみますか!」


羽を動かし飛ぶイメージをする、すると体内にある魔力が羽に移っていき、背中に力がはいる。


次の瞬間俺は宙に浮いていた、いや…空を飛んでいた、力を込めて全速力で飛んでみる。


「速ぇえ!!」

驚く程速かった、この速度ならこの火山も1時間程度で登り切れるのではないだろうか。

 そう思いながら俺は頂上を目指した。


★☆★☆★


……ここだよな?

 頂上へと到着し、俺は頂上付近にあった整備された洞穴を覗き込んでいた。


結局、休憩しつつ進み頂上についたのは2時間後だった。

 途中休憩で昼食をとったので飛んでいる間強い眠気に襲われ1度落ちそうになったのは秘密だ。


「すいませーん!誰かいらっしゃいますか!」

中にいるかわからないがとりあえず大声で呼びかけてみる。


「はーい!今行きますぅ~」

洞窟内からやたら高い綺麗な声が聞こえてくる。


ん?高い声?英竜ファニールさんってもしかして女性!?


1分ほどするとボンキュッボンで金髪翠眼の人間の女性が笑顔で現れた。

「あっ、俺…いや僕はエティエンヌと言うものなんですが…こちらファニールさんのお宅で間違いなかったでしょうか…?」


「はい~、ここは私のおうちですよ~。」

私のおうち?何を言ってるんだろうか…。


「いや、英竜ファニールさんという竜を探してここに来たんですけど…。」


「ええ、私がファニールです~♪

私に御用なんですね?是非上がって言ってください!最近模様替えをしたのです~!」


そう言うと女性は有無を言わさず俺の腕をつかみ洞穴の中へと引っ張っていく、意外にもきちんと灯りがつけられていた。

 そして数分歩いて到着した場所には…。


とても可愛く飾られた大きな部屋があり、ロリショタで溢れかえっていた、ざっと15人はいるだろうか。


「ここは上位竜の子供達を集めて人化魔法や戦闘方法、人族の言語を教えている学校なんですよ~。」

うわぁ、今さらっと人化魔法とか言ったよ……これだよ!絶対ファニールさんも使ってるんだよ。


「ファニールさんは学校の先生ってことですね?なるほど…学校ですか、俺の国にも学校の様な教育機関があってもいいかもしれません。」


「……?エティエンヌさんはどこかの国の王様なのですか~?俺の国って。」

なんだかファニールさんの少し目つきが鋭くなった気がした。


「一応、魔王をしています…といってもまだ2カ月の新米なんですけどね。」

と俺は笑って言った。


「あら?魔族の方だったんですか~?てっきり人族の方なのかと~。」


『ドラゴーンアイッ!』


「いやぁ、人族とのハーフなんですよ…。」


『くらえードラゴンパンチっ!』

……さっきから奥でショタッ子たちがえげつない戦闘ごっこをしてるんですが…。

子供のくせに威力がおかしいだろ!!


『ドラゴンバリアー!

ざーんねーんでしたー効かないよ-だ!』


「そうなんですね~。あっ、すいません~ここだと少しうるさいですね~?隣の部屋に移動しましょ~。」


ああ、よかった流石にちびっ子たちの前で迷子になり困ったという話はしたくなかったし結構うるさかったので助かる…。


俺は隣の部屋に移動したあとだいたいの事情を話すのだった。

誤字脱字ありましたら報告ください。

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どうぞよろしくお願いします。

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