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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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覇者決定戦 第1戦目 エリス・F・フェルトVSウィンナ・グローズ

 優は目の前でおこってる戦いに目を奪われていた。

 エリスの炎の渦をまとい氷の刀身を持つ相反する魔力の混合剣による縦横無尽の多彩な斬撃をウィンナはアクロバティックな動きで交わし、防ぎまくる。

 たとえば、右からきた斬を足裏で受け止めて、剣を足場にして飛び跳ねエリスの背後に回り込んだりだとか、エリスが上から振りかぶった斬を身をかがめて普通は後ろに飛んで避けるはずがあえて前に前進してタックルをかますとか。そんな言ったかんじの何とも不思議な対応した動きだった。

 ただ、そういった動きの分ウィンナはエリスの行動をうまく利用している。

 そして、見事な一撃が決まったりしていた。

(あの、エリスが押されてる!?)

 そう、状況はエリスが押されていた。

 でも、納得がいく。

 ウィンナは『オオスズメバチの巣』の構成員であり特殊な体質――

(クリーチャーズチャイルドはあそこまでやれる)

「ウィンナ・グローズ、ここに来て本気を出してきたか」

 優はこういう状況下で、相手の力量を分析する。

 今はルール上、動けない状況下でもう一つできることすれば相手を分析すること。

 そして、『オオスズメバチの巣』の構成員の力量を把握することだ。

 手が動かなくても口、頭、足ぐらいは動かせる。

「キシャァ――!」

「っ!」

 冷静な分析を図ってる途中、右からの奇襲がエリスに迫る。

 武器はかぎづめが装着された手甲。

 エリスは死角をつかれたのか反応できなかったようす。

「エリスっ!」

 おもわず、声が上がってしまった。

 観客や実況者には戦闘音で聞こえてはいない。

「そうやすやすとは――いきませんっ!」

 エリスは足を上げ、相手のウィンナの横っ面にみごと蹴りを決め吹っ飛ばす。

 直線には壁がおり、驚いた眼ですぐにその壁で受け身を取るように腕を動かし腕をバネに飛ばされた威力をブースターにしてバウンドボールのようにして壁から自らの体を弾くように跳躍そのまま腕を今度こそ突き出しエリスへ鬼気迫る。

 だが、その攻撃は一瞬の隙を生んだ。

「しまっ――」

 エリスがウィンナの行動を予期し懐に潜り込み剣を横凪に振り上げようとしたが――

「ってなるわけないんだよっ」

「えっ?」

 エリスの炎と氷の混合剣はウィンナの腹の前で消失した。

「なんで――っ!」

「死ねっ!」

 すると、頭上からウィンナの膨大な闇の魔力を帯びた拳から振り下ろされエリスは地面に埋まったのだった。

 エリスの体をその時ウィンナ鉤爪が深々と突き刺していた。

「エリスっ!」

 優はその時周りの目など気にせず彼女の名前を叫んでいた。





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