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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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第20回魔法競技ランク戦大会 覇者決定戦 開幕

 本大会決勝戦当日。

 各グループの優勝者が各自決まり、その優勝者同士で争う『第16回魔法競技ランク戦大会』の覇者を決める試合。

 グループ名が液晶立体画面に表示されていくのと同時に実況がグループのメンバーの紹介をしていく。

 Aグループの優勝者はエリス・F・フェルトが率いたチーム。

 B、Cグループの優勝者は戦闘中に置いた過酷な戦闘で引き分けとなり試合続行不能となっており、いない。

 結果、Dグループのウィンナ・グローズ率いたチームとの最終戦となる。

 実況者が今年の異例の戦闘記録の数々を公開していく中で選手の気迫は湧き上がっていく。

 フィールドが熱気に包まれていた。

 ウィンナは苛立ちを覚えながら貴賓室がある展望席を見据えた。

 そこにはウィンナの主たる美女がこちらを伺っている。

「ユリハネ様には悪いが今回ばかりは命令を聞けないな」

 ウィンナの言葉をとなりで聞いたユリア・シャーテルベルグは目を見開き「え?」と言葉を漏らした。

「ちょっとまじですですかっ!? ボスの命令で彼女を勝たせるはずでしょでしょ!?」

「結果的にオレら『オオスズメバチの巣』の誰かが勝てばいいんだ。それはオレらでもいいはずだ。なのになんでリーア様のやつを勝たせる必要があるんよ? エッ? ここでオレらの方が強いって証明を見せ、側近になってやるんだよ」

「そんことしたらまずまずくない?」

「うっせえ。ユリアも負けんなよ。リーアはオレが潰す」

 ユリアは心配層に彼女の横顔を見つめた。

 命令違反をしたら後がどうなるか彼女もわかってると思うのだが彼女の闘志は燃え滾りユリアがいくら行っても無駄に思えた。

「‥‥‥‥」

 あちらのリーアも目を研ぎ澄ませ、かなり険しい表情をしてる。

「そういやぁ、龍牙はまだか?」

「たしかにおそいですですね?」

「まさか、呪いで死んじゃいねえはずだよな? あの毒で死んだならそれまでの男だったわけだが」

「あちらもリーア様だけでほか二人が――あ、きましたね」

 リーアだけだったあちらがわも後からしっかりとエリス・F・フェルト、北坂雪菜の両名が入場し観客が一気に寛大な拍手で出迎えた。

「待たせた」

 背後の出入り口からこちらも最後のメンバーが入場してくる。

 彼の登場に観客は拍手よりもざわめきが起こす。

 それは彼の格好だった。

 学校の制服という決まりはないがかれの格好は漆黒のスーツでいかにも怪しい人のような服装。

 手には黒の防弾防刃グローブを装着している。

 みればスーツも同様だがなにか特殊な加工も施されている。

「異様な格好でお出ましだなぁ龍牙優」

「ああ。あんたのせいでな」

「あん? どういう意味だ?」

「それはこれから見せてやるさ」

 実況が選手の揃いを祝福するかのような説明を交え試合の開始の合図と同時にとあるルールを提唱した。

『今大会は特別ルールと称しまして、大会最後は選手が自由に出場するのではなくこちらのシステムで勝手に選ばせていただきます』

 ウィンナとユリアはその言葉を聞いて互いに顔を見合わせた。

 優はそのふたりの表情を見て怪しむように「どうしたんだ?」と問いかけを行う。

「いや、なんでもねえよ。勝てればいいんだ」

「そうですです」

『では、最初の選手は――』

 液晶画面でパチンコのルーラーのように選手の顔の絵がぐるぐると回りだしストップが掛かる。

『第20回魔法競技ランク戦大会決勝戦、第1戦目はエリス・F・フェルトVSウィンナ・グローズ選手あぁああ! 最初からのリーダー対決です!』

 ウィンナはそれを聞いて悔しがるようにして拳を握り締めた。

「くそったれが。ユリア任せたぞ」

「私が当たるとは限りませんせんよ?」

「ちっ! 行ってくる」

 ウィンナは優には理解することのできない意味深な言葉を吐き捨てスタジアムに踏み入った。

 そして、あちらも。

 審判のアイズが入る。

『それではこれより、第20回魔法競技ランク戦大会第1試合を開始します! ――――両者、はじめ!』

 審判のアイズで互が魔力を武器に構築し突貫した――

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