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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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D戦本戦決勝試合 第2戦目 開幕

 C戦本戦の準々決勝試合が終了する。

 煙ゆく会場。

 勝者はどちらだと期待に満ちる眼差しで待つ観客たち。

 観客の中にいる国家の関係者連中にとっては勝者よりも、彼女たちの戦闘センスに圧倒され唖然と言葉が出ず呆然としていた。

 煙が晴れ――勝者は出なかった。

 ドローである。

 審判がそれを告げ、会場で倒れたふたりをすぐに救護班が運び、試合が終了となった。

 これにより、決勝戦へ進むチームがCグループから外部の選手が出ることとなったかに思われたがその選手も決勝戦に望める体ではなくなっていたためにCグループからの覇者は今年は出なくなった。

 ――――次の日に、決勝戦は行われた。

 優のチーム決勝戦。

 この試合までに優が試合で出場した回数は2,3回。

 ほぼ全てにおいて、ユリア、ウィンナの2人によるほぼ試合は全勝してるので優の出番は少なかった。

 この最後のD戦本戦、決勝戦の対戦相手は謎の外部チーム。

 ユリアが一戦目の出場者となり相手はミーリアス・ユカリと名乗る謎の人物。

 全体をコートで多いフードで素顔を隠していた。

 しかも、フードの下は仮面をつけており素顔ははっきりとしなかった。

 戦況はユリアが劣勢で分が悪い状況下にあった。

 ユリアは決して手を抜いてはおらず本気を出していた。


「ユリアの奴何手こずってるんだ。示しがつかねえじゃねえか」


 ウィンナが異様に焦り、戦況を見守っていた。

 ウィンナの言う言葉に優は片眉を上げ剣呑な瞳でその横顔を見つめた。

(示しが付かないってどういう意味だ?)

 彼女――ユリアはテロ組織に属するメンバーの一員であることは操作で推測が立っていた。そして、このウィンナもまたそうだろうことも推測の域を達していた。

 そのウィンナがまるで今のセリフは相手を知っていて勝つ自分の力量を隠し値手になめられてる状況にでも使ってるような発言。


(あのチームも構成員ってわけか?)


 そんな疑問を持った束の間、ユリアが最後の締めの大技にかかる。

 一気に距離を詰めて鞭の形状が硬質化し細剣へと形を変える。

 刀身に光が収束し、連続的な刺突が繰り出された。

 そして、とどめに体を回転させ膨大な魔力放射光が刺突と同時に繰り出される。

 辺りに黙々と立ち込める煙。その中からのびる手が見えた。

 一気に観客も爆発で喝采してユリアの勝利を決める拍手までしていたのにその手がしんと静まった。


「うそでしょでしょ! 私の――」


 首元へ掌による打突がはいる。

 ぐんとユリアの首が頭ごと後ろへ下がるのが見え彼女が数歩後ろへ下がって足元をふらつかせる。

 そこへすかさず煙の中から出てきたミーリアスが両手に電流をほとばしらせそれが電光の魔力の剣へと形を変える。

 そして、とどめに縦横無尽の12連剣戟が見舞われユリアの叫びだけが辺りへ立ち込めた。


『勝負ありだぁああああ! ななななんとぉおおおお! 曇天返しでミーリアス選手の勝利です!!』


 実況が一拍おいて叫びをあげ――

 後に続けて一泊置いてから審判の声が上がり、ユリアが救護班に搬送され始める。

 近くにいたウィンナは唖然とベンチに腰をおろし――


「くそがぁ!」


 膝をうち、ユリアが負けたことを悔しがっているようそうであり別の要因でも悔しがってるように見えた。


「ちっ、三下相手に舐められやがる」


(三下相手か。あながち、推測は正しいかな)


 妙な単語が耳に入って確信を持った。

 あのチームも『オオスズメバチの巣』が優勝の確率を上げるために送った構成員メンバーだということが。

 だが、ここで問いただしたところで彼女は答えないのは目に見えている。


『次の出場者はフィールドへお願い致します』


 実況がそんな声をあげる。

 それぞれのチームのメンバーの名前が表示された。

 ここまできて、またウィンナに戦わせるわけには行かない優は相手の力量を知る上でと思い出場を決意した。

「なぁ、ウィンナ先輩。ここは俺が出ていいか?」

「あん、何言ってやが――」

「なぁ、いいだろ?」

 さっきを帯びた目で訴えた。

 ここで、下手な行動をとれば容赦なくやるぞという意思を込めさせて訴え――

「わぁったよ」

 彼女が了承をし、優が出場をすると会場は大いに盛り上がる。

 実況者も興奮で紹介を始め審判が告げた。

『それでは、これよりDグループ本戦決勝試合を開始いたします!』


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