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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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C戦本戦準々決勝試合 最終戦目 四沈華VSルリファンス・桜・スファン

 戦闘が始まって早々、桜はデザートイーグルを取り出して発泡をする。


 桜が放つ銃弾は沈華の体をことごとく撃ちぬいた。

 かすめるようにして。

 わざと掠めたようなその正確な射撃。

 銃弾が体中を裂いていく。

 切り傷のように体じゅうは血が噴き出す。

 桜の銃弾は閃光の弾丸。しかし、弾丸には僅かな冷気をまとって放たれている。

 傷口は凍傷の様になる。


「スターズコキュースバレット」


 沈華はそれを読唇術で読み確信へと至る。

 音速による弾丸は光魔法を付与したことでさらに閃光の速さへとなり、氷の魔法を付与されることで閃光の氷弾とかしていたのだ。

「あたればやばいってかんじやでぇ!」

 飛び退いてフィールドを駆けずり回る沈華を追い回すよう銃弾を連射する桜。

 容赦なく追い回す弾丸がフィールドの観客防護壁に当たると跳弾し、沈華の足を打ち抜いた。

 痛みの拍子に転倒をしたがすぐに受身を取って跳ね起き、続けざまに来た弾丸の雨を自らの武器である偃月刀の鋒で防ぎ切った。

「ちっ、あいも変わらず驚異的な反射速度やでぇ」

「‥‥‥‥まだヤルか?」

 カタコトな日本語口調で尋ねた彼女に失笑を浮かべ、桜はデザートイーグルを捨てる。

「今度はこっちや」

 そう言って取り出したのはトランプ。

 それはトランプのようで違う。

 彼女はトランプを投げる沈華の大腿部をトランプが掠めただけで大きな出血が生まれる。

「っ!」

 沈華は大腿部を抑え苦渋に顔を歪めながら、鋭い眼光で眉間にシワを寄せながら彼女を睨みつけた。

 防刃用グローブを装着した彼女は手でトランプをシャッフルしている。

「さぁ、お次はトランプナイフやで」

「‥‥‥‥あなたの異名は知ってるけど腹立つネ」

「くくっ、どんな異名や?」

「武装乙女ネ。その多種多様な武器を用意に扱うところ気にくわないネ」

「なら、負けを認めるんやな。どうせ、あたしらどっちが勝っても計画に支障はないんや」

「そうもいかないネ。ユリハネさまのためになることは私もしたいネ。それにここらであなたより私のほうが組織内階級上なの認めさせるネ」

「出来るならやってみればええねん?」

 4発の弾丸がリーアの体をかすめる。

 彼女もまた、4発の弾丸の軌道を詠んで避けたつもりでいたがそう甘くはいかなかった。

 わずかにかすめたそこから肌が凍りついたのだ。

 沈華は息を整え右手に光が収束する。

 それはだんだんと一つの収束球体にに形を変えていった。

 偃月刀に収束球体を宿した沈華は偃月刀を振り回し再度構え直す。


「武装魔法を展開したからなんだと言うんや?」


「そのセリフ後悔することになるネ」


 桜の皮肉に沈華は動じず一手を決め込む踏み込みを行い突きの一撃を繰り出すがわずかに体を半回転させて桜はそれを避ける。


「っ!」


 桜が再び腰から引き抜いた住が銃口を向け瞬時に発砲がされてわずかに反応が遅れる。沈華の頬に銃弾がかすめる。

 今度は凍りつきはしなかった。ただの弾丸だ。


「少し遅い射撃ネ」


「平気で急症を狙うなんてどうかしてたで?」


「オオスズメバチの巣のアシナガバチの称号を持つセリフとは思えないネ」


「ベッコウバチっ! 言ってくれるやなぁ」


 瞬間的に目の前から消えた桜を必死で探す沈華。

 背後から銃声が聞こえ振り向いたが遅く両足を撃ち抜かれる。


「ぁああああ!」


「わるいなぁ。でも、これは競技大会や。すぐにその傷も治るで」


 傷は治ったとしてもその苦痛は精神的な傷へと変換されるもので徐々に傷が蓄積されていけばいずれは精神に異常を起こしかねない。

 この大会で大きな傷を負わせないように過剰な傷害行為を禁止にしてる要因の一つ。

 再度詰め寄った桜が体を大きく振りかぶって蹴りをかますのがわかった沈華は飛び退いて躱しきる。

 偃月刀を地面に突き立てどうにか体を奮い立たせた。


「はぁ、リタイアしようや? 弱者をいたぶるのはプライドが許さへんねん。あとはあたしに任せてはよリタイアせえ」


「弱者とは侵害ネ。まだやれるネ」


 沈華が呼応と同時に桜の周りに魔法陣が展開し魔法陣から鎖が出現し彼女を捕縛する。


「爆ぜるネ! 爆鎖陣光破ばくさじんこうは


 そうして大爆発が巻き起こった。

 黙々と上がる煙の中からのっそりと現れる桜の姿。

 息を呑み、膂力をおもい知らされて体がすくみあがった。

 けど、負けられない沈華はあの人の一番役に立ちたい。


「まだなら――」



 沈華の思考を止めるかのような一撃が繰り出された。

 それは瞬時に肉薄した桜の蹴り。体を軋みさせるほどに重く壁へ吹っ飛び叩きつけられた沈華は意識が一瞬吹っ飛ぶ。

 フィールドの壁にはびっしり人型のクレーターができ沈華の体中から血をあふれさせる。


「なんて威力ネ‥‥‥‥ですが、そう簡単にやられてなる‥‥ものか、ネ」


 沈華の発言は意をかなっていた。

 桜の肌が次の瞬間に切り裂かれる。血が噴き出し彼女はうずくまった。


「あたしの蹴りに打たれてるさなかに魔法の斬撃を行使したんやな」


 桜は体を抑えうずくまりながら苦笑し、銃に握る手に力を強める。


「銃は使わせないネ!」


 沈華が壁から抜け出すと同時に地に手を触れる。

 地面が隆起しツタが表れ桜の腕をとらえる。

 そのままツタは銃をむしりからめ捕り彼女から数々の武器を奪い取った。

 そのままツタが握りしめ始め武器を粉砕した。


「ちっ!」


「あなたの武器や威力性能はどうにも武器から来てるっぽいネ。武器はこれで使えないネ」


「くくっ、ホンマにそうやと思うんなら馬鹿やな。ベッコウバチ」


 ツタが彼女の周りだけ以上に凍りつき始める。


「ブリザードフォード!」


 ツタが砕け散りその破片が沈華へ降りそそぐ。


「ぐぁあああああああああ!」


 防壁を展開するも、破片の波は防壁すらうちくだくようにして威力が増していく。


「アイスブリゲート」


 桜が空中に浮かび右手を構えたその腕から大きな氷の槍が放たれ防壁を打ち砕く。

 沈華は瞬時に新たな魔法を展開した。


「フォールドダーク」


 黒き暴風が上昇気流みたいにに噴き出し槍を宙へ押し上げた。

 黒い暴風は渦を巻き始め竜巻になっていく――


「サイクロン!」


 稲光が起こった。

 閃光弾が破裂したように会場全体をフラッシュが覆い隠し目くらましをさせる。

 桜も思わず目元を隠してしまう。

 その隙を突き黒の竜巻が桜へ殺到する。

 桜はすぐに魔力の波動を感知し魔装武装を展開し、氷の刀を両手に持ち構え黒の竜巻を切り裂いた。

 切り裂いた後に沈華へ迫る。

 沈華もそれを見て偃月刀を構え直して、剣同士が激しくぶつかって魔力爆発が引き起こった――

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