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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
82/123

C戦本戦準々決勝試合 シャーリー・ステファーVSアイシャ・デルガザス

 優は焦って会場に向け走っていた。

 観客席には今までで一番の観客乗員数を誇る。

 優もやっとのことで観客席に来た。

「ユウ、遅いです」

「おそいわよ」

「お兄ちゃんもう始まってる!」

 エリス、アリス、雪菜3人に厳しい叱責を受けながら、わざわざ用意してくれていた一つの席に腰を下ろした。

「ほかのみんなは?」

「ミユリさんチームたちは病室よ。さっきの試合で負けて敗退してしまったし、リーナさんチームたちはその付き添い。童子たちはそこよ」

 アリスの指摘を受け優たちの座る一番後部の座席から2,3前の列の座席に、御厨かなで、茨木童子、湖乃故鼎が座っていた。

 目の目の試合に夢中で食い入ってた。

 そう、この試合は優勝者争いの試合。

 特に要注目として国家も一躍置いてる。

 なぜなら、この試合はエルフ族の族長、シャーリー・ステファーのチームVSドワーフ族の族長、アイシャ・デルガザスの試合だった。

 この二つのチームに国家の関係者はいない。

 入ってる情報は、不審な人物が入れ替えで加入していること。

 不審な人物は明らかに『オオスズメバチの巣』関係者だろうことは『テロ対策係室』が推測を立て報告書に記載をしていた。

 C戦準々決勝試合――――

 他のどの試合も順当に勝ち進みをし、決勝戦があすに控えたメンバーが多い中で長い試合の連続だったC戦は出遅れるようにして今尚準々決勝戦が行われていた。

 優も、先ほど準々決勝試合を終えたばかりでい急いでかけてきたものだったがひどいいわれ用で少しばかり悲しくなってはいたが目の前での戦いは熾烈極まるものに目を奪われその気持ちはどこ吹く風となる。

 シャーリーの一撃一撃は素早く威力の高いもので得意とする雷電魔法を応用した打撃技は目を見張るものがあった。

 横合いからの雷電のフック、そして、追い打ちをかけたかのような膝蹴り。

 シャーリーの手には短剣――アンカライトナイフと呼ばれる種類。

 彼女が打撃系統よりなのは見てわかる試合だ。

 一切、ナイフによる殺傷攻撃を行う素振りはなく、ナイフを使うのはアイシャが放つ魔弾を切り裂くときのみ。

(初戦でこのレベルか。例の構成員がこの初戦で出なかったのが意外だな。ずっとあいつが最初は出てたはずなんだが)

 優はちらっと、互いのチームの要注意人物に目を向けた。

 エルフのチームに入った外部助っ人選手、緑髪のポニーテールの小顔の美少女四シェ沈華シェンファ

 ドワーフのチームに入った外部助っ人選手、紫色の髪に金のメッシュの髪をした猫を思わせるようなクリクリとした瞳を持つスレンダーな体つきの学生とは思えない美貌の少女、ルリファンス・桜・スファン。

 両チームともに予選はこの二名の選手がほぼ引受全戦全勝。

 本戦もこの二人が初戦を出て、初戦は勝ち抜く。

 ドワーフチームによって、童子チームはあられている。

 童子がルリファンスにあっけなくやられた試合は唖然とした。

 ミユリチームもエルフチームに負け悔しさが滲んでいた試合の光景は今でも鮮明に記憶から呼び起こされる。

 両チームはこの大会で明らかに強くなってる、

 異様なほどに。

 そう、ほかのメンバーに至ってもだ。

 今目の前で行われてるリーダー同士の試合ももはや殺し合いであった。


******


「攻撃を遠距離からしかやらんのかアイシャ・デルガザスっ! 小賢しい真似をしてくれる! 正々堂々接近して戦え!」

「戦い方は人それぞれだ。エルフの言うことなんかいちいち聞くだが」

 シャーリーの瞳が冷血に細められていく。

 アイシャは時たま遠距離型の砲弾を打ったりしてもシャーリーがはたやすくはじくのみだった。

 時折アイシャも猛攻を仕掛けるも少なく、結局一度シャーリーの攻撃を受け流せばすぐに距離を作って魔弾を放つ。

 シャーリーは魔弾を切り裂き、距離を詰め込む。

 アイシャはシャーリーの打撃に合わせて拳を打ち合わせそこからすきを突いて溝に一発蹴りを入れたり、すきを突いて横っつらへ平手を当てたり、斧で凪ぎ飛ばしたりとそんなくらいだ。

 遠距離と近距離の攻防戦。

 真逆者同士の試合だった。

 通常、ドワーフが魔法を苦手とし打撃イメージがあるがこの試合はそのイメージを壊すかのごとくの試合であった。


「貴様、ちまちまとなめやがってぇ!」


「なめてるのはそっちだ! お得意の大魔法を使ったらどうだ!」

「貴様に使う価値などない! 近距離の身体魔法で十分!」


 シャーリーの宣言は明らかな挑発でアイシャの青筋が浮きだち、足を踏み込んだ。

 シャーリーの腹部に強い膝蹴りがめり込んだ。


「ふぐっ」


「打撃がしたいなら相手するだ。だけど、もう終わりだ」


そのまま横殴りに蹴り飛ばし、シャーリーが壁に向かって吹き飛ぶと爆音が上がった。

 砂埃が巻いフィールドが視界を悪くさせた。

「勝ちだ」

 確信を持ったその時。

 煙の中から光が見えた。

(早いだ!)

 光線はアイシャを打ち抜いた。

「がふぐっ!?」

 たたらを踏み前方を見据えると――

 シャーリーが急接近し猛攻に出る。

 足に雷をまとい雷の尾を引きながら電力ブースターと化した足を軸にすざまじい速さでアイシャと間合いを詰める。

 左手に込めた雷光がバチバチとうなりをあげて尋常じゃない電流の渦を巻いた。

 左手に拳を作って肘を引いて―――


「螺旋甲雷≪らせんこうらい≫!!!」


 突き出された拳はアイシャの腹部に雷光の渦を巻いてあてがわれた。

 腹部から突き抜けた雷光はアイシャの体を猛烈にしびれさせてダメージを浴びせた。


「がはっ!」


 アイシャに一矢報いた。それが最初の好手な攻撃。

 アイシャはその一撃を受けて盛大に口から血を吐きよろめいて顔をうつ向かせた。


『おお! これはすごい一撃が決まったぁああああ! 今までの様相から一変! シャーリー選手のすざまじい一撃でアイシャ選手に多大なダメージだぁああ!』


 ここにきて会場もヒートアップする。

 実況もむろん黙っていたわけではなくずっと、心境を話はしていたが二人の間にはそんな言葉など微塵も聞こえてはいなかったがここにきてやっとアイシャに多大なダメージを与え余裕の兆しが見えたシャーリーの耳にそんな実況が響いたのだ。


「っ!」


 突然の背筋に寒気を感じ身を引いて間合いを取った。

 シャーリーは目線の先を確かめる。

 そして、攻撃を仕掛けた右手に急激な痛みを感じた。

 血しぶきが上がる。

「あがぁああああああああああ!」

 シャーリーの拳から肘のあたりまでが粉砕されたようにねじ曲がり骨が突き出て血が止まることなく上がる。

 顔をグシャグシャにさせながらその右腕を抑える。

 ヒーリングシステムが機動をしていないのか効力が間にあっていないのか。

『試合中――』

 シャーリーは叫んだ。

「まだ、終わってない! 試合を止めるなぁあああああ!」

 拡声魔法によって轟かせた絶叫。

 試合会場が一気に静まり返り、遠方に吹き飛んだ、アイシャがゆっくりと歩み寄ってきていた。

 体中が岩肌のようにガチガチと固まった筋肉質の体を動かしながら。

「最上級防壁魔法、フォートレスウォールか。やってくれるな」

「くふっ、いい攻撃だぁ。久方ぶりにいい技くらっただぁ。でも、甘いダァ。防御策くらいあるダァ。いつおまえが本気の一撃を繰り出すか待ってたんだぁ」


 雰囲気が切り替わったを肌身に感じる。

 シャーリーは悔しげにアイシャを睨みつけた。

 結局、成長したのはシャーリーだけではない。

 アイシャ・デルガザスもだったということを認めよう。

 シャーリーは心の中で決意をし、魔力を集中させる。

 顔を上げた。

 目が黄金色にきらめき獰猛なまでにぎらつかせている。

 オーラの質が切り替わり彼女の周りで嵐が吹き荒れる。

 「魔力を変えるダァ? いいだぁ。でも、エルフごときの技なんて防いでくれるダァ」

「ドワーフごときの技など、粉砕してくれる!」

 そういった瞬間―――互いが最上級魔法を放った。

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