D戦本線第1試合
本線試合。
16チームで行われる本線試合。
また、この試合も各グループのトーナメント形式であるが違うのは、一人が勝っても継続して同じ選手が2度戦うことができないルールである。
第1試合目。
ウィンナ・グローズチームVS前大会準優勝者チーム。
その二つのチームの激突。
ウィンナチームからは初戦からリーダーである彼女、ウィンナ・グローズが出場。相手チームからは戦場ユラという黒髪のショートヘアーの少女は、国家政府所属の父をもつ娘。
ふたりの熾烈な戦いが始まり数分は経過していた。
火球を拳に装着した手甲から放って相手に攻撃を与えるウィンナ。
相手は防壁を展開しウィンナの攻撃を防いだ。
ウィンナの武装魔法は手甲と火の魔法。
戦場の武装魔法はバスターソードに水の魔法。
相性が悪い互いに――
特にウィンナの火炎魔法は戦場の水の魔法にすべてかき消されてしまう。
火を乗せた拳を放つも彼女がバスターソードで防御することによって威力を相殺し、カウンター気味に水の斬撃を放たれてウィンナの体を切り裂く。
切り裂かれた胸元を抑えて距離をとって手甲にもう一度魔力を凝縮させる。
「ちっ、さすがは準優勝者ってな感じだぜ」
確かにウィンナにとって不利な状況下だ。けれど、彼女にとって水の魔法など大した問題ではない。
「そろそろ終わりにするとしようかだぜ!」
ウィンナが動き出す。一気に駈け出してもう一度同様に拳を放った。
「同じことだということをわからんバカが! 貴様程度の攻撃など国家に所属する実践訓練を積んだ父から学んだ私にはつうようしない!」
バスターソードで戦場はもう一度防ぐがひびが入り戦場は驚愕に目を見開いて間合いを取る刹那――剣は折れて拳が滑り込むようにして戦場の胸を穿った。
「ガァフッ!」
そのまま宙にあげるようにしてアッパー。
宙に吹き飛んだ戦場は数秒後には地に落下して意識を失った。
『決着だぁああああああああああ! 壮絶なる戦いが繰り広げてた数分はどこへやら! あっという間に決着がついた一撃決まったぁああああああああ!』
その後しばらくして審判の1戦目終了コールが響いた。
運ばれてく戦場ユラをみて、こちらへ戻ってくるウィンナ。
彼女の姿はもはや無傷も同然だった。
「なん%の力で戦ってた?」
「ん?」
ユリアからタオルを受け取った彼女は優の言葉に振り返りにやりと笑みを向ける。
「なんか、気に食わんみたいな顔やね」
「ああ、気に食わないな。ほかの生徒はみんな全力こいて戦ってるのにあんたはまるで遊び相手をしてるかのような戦い方だ」
「そう、おこらないでくださいよぉー。ウィンナも本気で戦ってますよォーうふふ」
しなだれかかってくるユリアを跳ね飛ばし優は足を組んで憤慨した。
試合は全て茶番だ。
強制的に優はチームを組まされた身の上である。
チームメンバーとは中は良くしようとは思わなかった。
テロ組織容疑者だからとかいう理由ももちろんあるが彼女たちの戦い方が大きな要因だった。
予選でもそうだったが、彼女たちは本の数パーセントしか出さない程度で試合をして戦っている。
まるで、赤ん坊とじゃれあう大人の対応だ。
必死こいて戦ってる選手たちに失礼極まりない対応。
「勝てばいいんだぜ、龍牙優。この試合はすべて私たちが全力出さずとも勝てる? そうだろう?」
「確かにそうだ。けど、礼儀を考えろ」
ドスのきいた声で彼女に注意をした。
聴いてるの聞いてないのかわからない。
彼女はそのまま――
「あたしはもうこのまま部屋に戻るぜ。じゃなー」
ウィンナは部屋から出ていってしまう。
終わった選手は観戦や試合が終わるまでいることは義務付けられてはいない。
部屋に戻ることもOKではある。
「では、次はわたしが行きますよォー」
腰に携えた鞭を装備し、ユリアが戦闘態勢をとって、スタジアムに入っていく。ドームが展開され、フィールド形成も完了する。
『――――それではDグループ第1試合第2戦目、ユリア・シャーテルベルグVSエリナ・ユーベルハインの試合開始です!』
またクソみたいな試合が始まるのかと優は害した気分を持って観戦を再開した。
結果はユリアの圧勝であった。




