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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
76/123

C戦予選最終戦

リーアメルティシア予選出場について補足をします。

動き出す悪事において改稿をしておりますが彼女が出られない試合はあくまで予選の後半だけです。

前半の試合はでられることを了承ください

「大会は残念だったな」

 準々決勝試合を終えた、ミユリとクリーエルの見舞いに来ていた。

 優は傷を負ったふたりの様子を見てからテレビ画面に視線を移した。

 A、B、D戦の試合も予選通過者報告が出されていた。

「ま、でも予選通過おめでとう」

「ありがとう‥‥です」

「そちらもおめでとうですわぁ。互いに本戦をがんばりましょぉ」

「ああ」

 彼女たち二人は予選の準決勝で負けてはいる。

 しかし、この大会は上位4チームすなわち、準々決勝出場者までは本戦出場権を獲得できるのだ。

 ミユリたちは4位通過。

 通過者として最弱の順位ではあるがそれでも本戦出場は出場である。

 そして、テレビ画面にはD戦の出場者の中で1位枠には優の名前が挙げられていた。

「雪菜さんのチームすごいですねぇ。1位通過でしたよねぇ」

「ああ、雪菜ところも結構な猛者がいたけれど、まあどうってことなかったみたいだしな」

「雪菜さんのチーム‥‥ところ‥‥会長さんが出場しなくなって‥‥代役で‥‥後半かわりました‥‥よね?」

「ああ」

 優はすっと細めた目でA戦の出場チーム名を確認した。

 リーア・メルティシア。

 友美の話が本当ならば彼女はすごく危険である。

 エリスたちも危険を感じているので彼女を優勝させてはならないことを理解してるがなんでも前日に彼女が予選を後半のみ代役を立てることを伝えていたらしい。

 そして、出てきた代役者、シェ长跑ファンランは相当強く予選の大会を無双していた。

 ほぼ、一人で勝ち抜き。

 その代役たる彼女もリーアの仲間であるならばテロ組織の一員であることが明白なので強さは何ら不思議ではなかった。

 その強さに会場を圧倒させ、唖然状態。

 ほかの会場でもそのような選手が出ていた。

 特に今回の予選は優勝候補が圧倒的すぎるという評判。

「優さん?」

 じっと鋭く猛禽類を思わせるような瞳をしていた優に恐怖感を抱いたような顔でクリーエルが心配に話しかける。

「どうしましたぁ?」

「あ、いや、なんでもないさ」

 そうして、画面は変わり童子の試合が始まった。


 ******


 茨木童子は選手控えのベンチで足を組み目の前のチームたちを見据えた。

 ひとりはチームリーダーのシャーリー・ステファー。

 もうひとりはそのシャーリーの片腕の実力を誇るエルフ、サイシャ・アルストフア。

 そして、最後の選手は見覚えが学園内でなかった。

「見覚えがないなぁア、あたしらと同じ感じかぁア?」

「そうじゃないっすか」

「まあ、やれるだけがんばろうよ、いえーい」

 童子のチームは、外部選手を加えたチーム編成。

 今回新しく導入された特別ルールで外部からの選手の編成を可能とすることが許可された。

 それによって、年齢からして問題なかったかなでを外部選手とし、童子のチームに加えたのだった。

 それも、今回大会にテロ組織がいる可能性を考慮して内部から対策を打とうという工作。

「ボスから聞いた話だとたしか優勝候補者にはすくなからずテロ構成員がいる可能性があるっすよね?」

「みたいだな。あたしの記憶で正しければ奴らは『蜂』の連中かもなぁア」

「童子はやつらをしってるのかな?」

 かなでが疑いを持った眼差しで見てくるので童子はかなでの頭をぐりぐりと撫で回し答えた。

「裏切ってねってんだぁア。昔に噂で聞いた話だぁア。『シートコール』と連携してた暗殺組織があったって話だぁア。それが通称『蜂』とか言われてたぁア」

「それってボスに話してるんすか?」

「とっくに通したが『テロ対策係』があたしらみたいな元犯罪者のクズの話を信じるとおもうかぁア?」

「なるほどっすね」

「いえーい」

 上はてんてこまいな状況においてこちらがいくら有益な情報を提唱したとしても信じてはくれない。

 過去のレッテルはそれだけ信ぴょう性をかけさせる。

「しっかし、やつはかなりやばいなぁア」

「まあ、そうっすね。さいしょはだれからいくっすか?」

「あたしが最初に行く。もし、あたしが負けたら鼎あんたがいくだぁア」

「了解っすね。けど、へいきっす?」

「あの老け男にきたえられてんだぁア。平気だァア。昨日のドワーフ戦も難なく倒しただろうがぁア」

 昨日の試合は騒然とさせたものだった。

 謎の選手、ルリファンスとか名乗った選手が出てきて、鼎を打倒した。

 そのあとに童子が出場し、試合。

 均衡状態にあったがどうにか鬼の状態へ変化し勝つことができた。

 あの強さはあきらかに実戦経験者のものだった。

「この大会で実戦経験者がいるのは分かってんだぁア。けど、あたしらは最強のおとこの弟子だぁア。やれるってんだぁア」

「そうっすね」

 会場から『出場選手、フィールドへ』という掛け声がかかり童子はフィールド内に入るとドームが展開し、観客者や控え選手を守る。

「さて、やろうかなぁア」

 拳をならしながら、童子は牙を剥き、最初から鬼へ変化する。

 相手はシェ沈華シェンファというなぞの少女。

 中華服に身を固め、緑の髪色にテールに結わえている。

 顔もアイドルのようない可愛らしいがその笑には獰猛さがあり細めの下にはどすぐろさが見え隠れしてる気配が伝わった。

『試合、開始!』

 童子は始まりと同時に踏み込み相手を捉えようとしたが目の前には既に彼女はいなかった。

「あやー、『シートコール』の構成員もたいしたことないアル」

「っ!」

 後ろを振り返ったが遅い。

 横腹に強い衝撃が走った。

 童子はあっけなく吹き飛ばされ気絶した。

 試合会場が騒然となり審判が童子の負けを宣告する。

「童子!」

 鼎はドームにへばりつくようにして救護班に運ばれる彼女を見据えた。

 そして、シェ沈華シェンファなる少女を見る。

 彼女は大仰にため息をついてあくびまで浮かべたいくつそうにしていた。

「あの女ぶじょくしてるっす!」

 仲間を侮辱されたことで沸点に達する。

「おちつくかな。冷静をかいたら負けるかな」

「しってるっす! けど、あいつの態度を見てなんとも思わないんすか!」

「っ!」

 鼎がいつになく鋭い目で怒号をしたことでかなえはびくついた。

 次の選手の出場コールがくる。

 かなでは「私が次は――」という前に鼎は手で制し「私って話っすよ」といって歩み出た。

 試合の結果は最悪な展開となった――


次回、改稿を致しますが話数を減らすこととなります。

次の話につながりはありませんので今後も改稿版『国家秘密組織と特待生』をよろしくお願いします。

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