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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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病室&A戦第1試合 第2戦目 リーア・メルティシアVS加倉井杏里

 待合室の液晶テレビの映像を見て結果を知った優はすぐに医療室へ向かった。

 無論、理由など二人の身を心配してだ。


「友美ちゃん!」


 部屋へノックもなしに入室した。

 それはミスだった。

 友美は身体検査らしく下着姿で検査を施されていた。

 すぐに医者に叱られて優は部屋を追い出される。


「入っていいですよ。心配なのはわかるけれど節度を持ってね」


「はい」


 数人の医者と看護師が部屋を出てきて入れ違う。

 一人の看護師に注意を促されて優はゆっくりと治療室の戸を引いて中へ入った。

 体を起き上がらせて友美はこちらを見れば顔を赤くして体を震わせていた。


「‥‥‥‥‥優さんがそんな人だとは思わなかったです」


「誤解だ! 今はたまたま知らなかったんだよ! 断じてわざとじゃない!」


「‥‥‥‥‥うぅ」


 体を抱えながら優を見る目は冷ややかなものである。

 くそー、また変なレッテルが張られそうな勢いである。

 優のレッテルはすべてが悪いもの。

 学内でもう、付いたレッテルはかずしれない。

 ワイルドボッチ、変態王子、変態一匹狼、流浪の変態まじでどれも最悪なもの。

 それをはやらせたのは基本的に、雪菜や童子である。


「まぁ、無事でよかった」



「‥‥‥ありがとうです」


 布団を手元に引き寄せて体と顔を隠しうずめながら照れて言った。

『ええ、では、これにてA戦予選第1戦、第1試合を終了とさせていただきます――――』

 治療室の点いていたテレビからそんなことが聞こえる。

 テレビのほうに視線を移してから言う。


「じゃあ、訓練室に俺は行くよ。お疲れ様」


 訓練室は待合室で待ってる選手が事前トレーニング用に設けてる場所。

 体をあっためるための場所だ。

 スポーツ選手が良くやるものと一緒。

「‥‥‥‥‥ま、待ってください!」



 優は手を振ってその場を退室しようとしたところいつもとらしくない友美の声に優は足を止めた。

「お、お話があるんです。テロ組織について」

「何?」

「‥‥上司には話を通してはいますがゆうさんにも直接お伝えしなくてはいけません」

 お通夜や葬式の帰りといった感じの気分が沈んだような面持ちで彼女はそう吐露する。

「テロ組織って例の犯行声明を出した奴らか?」

「‥‥はい、その一人がわかりました」

「聞かせてもらおうか」


 優は置いてあった椅子に腰をかけて聞く耳をもつ姿勢に入る。

 そのとき病室に備え付けられていたテレビを隣室の客が付ける。

 他の予選会場で試合を行って負けた者だった。

「ほら、例の会長の試合を見よう」

「うん」

「私たちは来年があるって」

「そうだね」

 励まし合うような言葉。

 仲のいい感じが伺えた。

 テレビに映った試合はAグループ予選第1戦目の第2試合、リーア・メルティシアVS加倉井杏里の戦いが行われようとしている。

 加倉井杏里は元々はテロ組織に所属していた実力者であり、現在は『掃除屋』の『諜報班』兼『掃討班』の役職を担う。

 彼女の実力は優も実に身で体験したこともある。

 一般の学生風情が叶うはずもない。

 いくら、彼女、リーア・メルティシアが前大会優勝者であったとしてもしれは学生最強であって彼女に実力はまさらないはずだった。


『試合終了! 加倉井選手、試合続行不能! リーアメルティシア選手の勝利!』


 あっという間だった。

 リーアが光輝し風を纏わせた細剣で杏里は闇の大鎌の魔装武装(魔法を武器の形にする魔法。武装魔法の上位版)を互いに展開し構えて数秒後だった。

 リーアはいつの間にかさっきのダメージがなかったかのような動きを見せ、一瞬で彼女――杏里の背後に回っていて攻撃をする暇もなく強烈な刺突の攻撃で倒れたのだ。


『あっという間の攻撃だぁああああああ! 何が起こったのかわかりませんが加倉井選手は何もせずやられました! さすがは前大会優勝者! 連戦とは思えません!』


 などと言う実況に会場も唖然と騒ぎだす。

 優も言葉を無くし、友美は「‥‥あの人実力を半分も出していなかったんですね‥‥‥‥くっ‥‥」と悔しげにこぶしを握りしめた。


「今のは瞬進か」

 瞬進、異世界の武道、いわゆる技の一種。

 一気に身体のバネを躍動させ、足に集中し一気に踏み込む。

 筋肉神経系に異常な魔力を流し込むことによって体は音速になる技。

 優はそんな技を出して見せたリーアの異常性に打ち震えた。

 そんな技を使えるのは実戦を積んだものだけだ。

 そう、今のを使えるとしたら加倉井杏里――実戦経験を積んだ猛者な彼女だろう。

 しかし、作ったのはリーアである。

 彼女は普通の学生ではなかったのか。

 違う。

 優は先刻の友美の伝えたいと言ってたことを思い出した。

「彼女か?」

「‥‥はい。‥‥‥‥彼女は私を特部と知っていました‥‥彼女はテロ組織の人間です‥‥」

「どこか、国家の秘密機関なんて訳が無い。もし、そうならこの俺が知らないわけがないもんな」

 そう、とくに『掃除屋』とは国家秘密組織内では上位役職に当たる組織。

 その役職の人間にはとある特権もある。

 内部のスパイの暗殺や抹殺も義務されている。

 なので、国防総省から国家の関係者の全リストを貰い受けており、記憶している。それは異世界や海外に至っても同様の話である。

 だからこそ、彼女が秘密機関なんてない。

 リーアという名前も顔も国家のリストにはいないのだ。


『ええ、では、これにてA戦第1戦目の試合を終了とさせていただきます。A戦第2戦は1時間後に開催とさせていただきますので皆さん休憩をごゆるりとお楽しみください。その間、他会場の試合映像をモニターでお映しいたします』


 医療班によって杏里が院内廊下に運ばれてきて喧騒の声が聞こえた。

「バイタルサインを確認! 不安定です! 院長!」

「すぐに緊急オペだ!」

 映像ではリーアとバトンタッチを渋々交わし警戒の目を向けるエリスの姿が写っていた。

 優はろうかの喧騒を耳にしてすぐに友美と目線を交わした。

「わかってます。行ってあげてください」

「ああ」

 優はすぐに病室から飛び出して杏里の運ばれた手術室まで足を急がせた。

 携帯に連絡を入れてある人物を呼び出す。

「薬膳さん、すぐにお願いがあります! マジックオフィシャルの医療センターまできていただけませんか!」

――――その後、薬膳が急遽駆けつけたことにより彼女は助かった。

そして、彼女の強さを理解し頃好きでリーアが心臓めがけて売っていたことを理解した。

その後の予選はそのまま順当に進み、本選出場者がひとりひとりと割り出されていく中でついにある予選試合が来た。

エルフのシャーリー・ステファーのチームVS茨木童子のチームが戦うCグループ予選最終戦である。

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