A戦第1試合 予選 リーア・メルティシアVS宇佐鳶友美 中編
魔法と武器のぶつかり合いがフィールドを熱くし騒々しくさせる。
友美の持つ武器、チャクラム、そして、リーアの持つ細剣は激しく武装魔法を展開してぶつけ合う。
互いに、それぞれの武器を振りまわして交差する。
友美の場合は体を支軸に円状に体を回転させることにより、チャクラムの性能を生かし斬りつける。
リーアは突きの構えをとって突きつける、上段や下段から突き切りを行う。
だが、互いに隙はなく肌を切りつけさせはしない。
武器がぶつかるのみだ。
大きな魔法を武器から放ったとしても――――
「裂光!」
大きくリーアは細剣を振りかぶり光の斬閃を撃ち放つ。
地面を抉りながら友美へ迫る斬撃は、友美の仕掛けた防壁で散り分断した。
防壁によって衝撃全てが殺しきれたわけではない。友美の体を痛めつけにかかる爆風。
防壁に再度閃光弾が放たれる。防壁を無力化される
砕け散った防壁の魔力破片があたりにちらばり、衝撃で友美を吹き飛ばす。
その隙にリーアが迫っても友美はすぐに対応する。
「やぁ!」
「‥‥‥‥甘いですよ! 光炎撃斬!」
円状に体を回転させると同時にチャクラムから炎の斬撃が風のように飛び、光をまきちらし閃光の砲弾となる。
リーアの視界を阻んで迫る炎という擬態を纏う光の砲弾。
だが―――それも無力。
リーアは細剣を地に刺して周りを岩の防壁で固めていた。
その岩も地から突き出たコンクリートでできた硬いもの。
そもそも、ステージで使われてる地面は地下にある魔力供給装置のおかげで魔防効果も付与した特殊な地面だ。これを使用すれば効果は絶大で魔法など無力だろう。
互いに無力と知れば、もう一度武器をぶつけ合うように飛び出し蹴りや拳を見舞いするが交わし、交わされる。
「はぁ、はぁ」
「‥‥‥‥負けるわけにはいかないんです!」
互いににやりとして武器をもう一度構えなおす。
この大会にはルールがちゃんと存在する。
第一に殺すことは禁止する。殺傷行為の禁止と言うこと。
第二に気絶もしくは戦闘不能状態に陥ったと審判が判断した場合はその場で試合終了とし気絶もしくは戦闘不能状態になった選手は負けとする。
第三に気絶した相手に追い打ちをかけて過剰な行為を働いた選手は失格とし強制的にリタイアとする。
第四に選手の出場が1時間以内に認められない場合はその選手をリタイアとする。
第五に会場の盛り上がりに合わせ選手の戦闘意欲をしっかりと出すこと。戦闘意欲のない意思がみられない場合はその選手はリタイアとする。
以上が大会上のルールである。
友美、リーアは最も注意するべきは第五である。
二人とも戦闘意欲がないとなった場合はリタイアとなる。
それは選手のリタイア=チームのリタイアを指すのだ。
要は、チーム全体に迷惑をかける。
それ以前に、彼女たちはそれぞれの思惑があり負けは許されない。
リーアにはテロ組織の一構成員であるためにも計画上優勝をしなくてはならない。
友美はテロ組織が優勝したら行う行為を止めねばならない上にそのようなテロ行為を止めるべく自分たちが優勝を果たすことも視野に入れておくべきであり下手にテロ組織の者を刺激をしないよう優勝を望む試合を演じなくてはいけない。
「「いやぁあああああああああああああ!!」」
両者の武装魔法が激突し会場を大きく揺らし―――そして、二人は最大魔法を唱えた。
「光の精霊を信じ聖者になりし処女なる舞いし力を得る!」
「巫女の光の荒天を目指し洗礼を持って相手を穿て!!」
猛烈な光輝があたりを包みこみリーアの細剣の刀身に凝縮する。
友美のチャクラムも負けず劣らず光をまきちらす。
「エターナル!!」
「エンドオブユークフォリア!!」
リーアの細剣から天使のようなローブの女性が怪訝しリーアの体を包みこんで鋭い刺突の弾丸を猛獣の大進行の突進のようにはなった。猛獣列車の刺突砲弾。
大して友美は体を光らせてウサギの耳を額から生やしてまばゆい閃光の光線を背後の周りに展開した球体から無数にはなった。
それぞれが激突し――――
一瞬にしてあたり一帯に膨大な爆発の閃光が舞いこんだ。




