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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
前章 潜入調査開始――――テロ組織『シートコール』との戦争
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優れた人材たち

 会議が終わってアリスとともに掃除屋の仕事場である90階へ向かうためにエレベーターを利用するためエレベーターの待ちあいホールに向かう。

 エレベーター待ちをしてるときに先ほどの会議のメンツが数名集まった。

 紫色の派手なトサカ状の髪で、派手な紫色のスーツを着た男が優へ嫌味を言いだす。


「あいからわず、礼儀知らずのクズ野郎の馬鹿な掃除屋のエリートさんねぇん、いや、掃除屋がクズの集まりだったわねぇん」


 会議の時の様にこちらを蔑むような口調と目でこちらを射ぬいてくる。


「‥‥‥‥‥」


 優は無言でただ言わせる。

 男はイラッとしたように舌打ちし優の肩に手を置いた。


「あなたたちクズはしっかりこういうところで功績残しなさいよねぇん。私たちよりも自由にさせてもらえてる感謝としてねぇん」


 まるで、自分たちは役にたってるのでこれからはあんたたちがもっと頑張って私の代わりに仕事しなさいとばかりの発言。

 あきらかに挑発ととれる発言だ。

 アリスも何も言わずただどぎついた目を向けていた。

 優はその肩に置かれた手を振り払って答えた。


「良く言えたもんだよな。なぁにが頑張ってるんだって? あんたらテロ対策室なんかは仕事しないでいるの間違いじゃないのか? 勝手な話だな」


「っ!? なんですって‥‥‥‥」


「だってそうだろぉ? ここ最近は俺らのおかげでおまえらは仕事をしなくてすんでる。いや、厳密にいえば、あんたら役立たずの余り俺らが最初に駆り出されてるんだったか。すると、あまりにも自堕落な生活送ってるんじゃないか? あんたらが有能になる方が先だろう? あんたらが有能になれば組織的な犯罪者集団は減るんだ。そん奴らがはびこってるから現状犯罪は激化してる」


 そう、こいつは現政治界における対テロ組織係の室長。婁憲明るのりあき

 さまざまな亜人の悪徳組織を作らないために対策考案する組織。

 だが、現状、知っての通り組織は多く激増してる。

 昨日の夜、優が倒した『黒東会』という組織を対策し、即座に売春行為などの犯罪を取り締まっておけば激化し、依頼者が壊滅させてくれという事態にはならなかった。

 対策室の仕事は組織の対処、対策。各地域に存在するヤクザやマフィアといった人間、亜人の組織を常に監視し、悪徳な非業に出ていないかを見届ける義務がある。組同士の抗争ならまだしも注意で事足りるが、売春行為や薬の密輸製造などにまで及べば対応を講じなくてはならないがそれが後手に回れば激化し、被害者の依頼者が後を絶たず、依頼をして『掃除屋』が請け負ってしまう事態になるのだ。

 そう、昨日原因も対策室の力量がないからだ。

 それに比べたら優の遅刻とか素行の悪さは少し多めに見てもらいたいもんだった。


「言わせておけば! いい気になるんじゃないわよぉん!」


 そう言って殴りかかろうとした男に向かってその手をつかんだものがいた。

 顎ひげを生やしぼさぼさの髪を後ろでヘアゴムで結ぶ、ハンサムな黒いスーツの男。襟元には警察署バッジ。

 年齢は30~40くらい。

 亜人種能力調査官、室長。 伊豪正宗いごうまさむね

 その名のとおり異世界から来る亜人のその能力いわば生態調査を主とするものだ。というのが彼の役職としてのここでの立場だが実際、伊豪正宗はもう一つの役職も実際兼任してる。正確に兼任とは言わないかもしれない。本職というのが正しいだろう。

 彼の本職は警察の特殊急襲部隊長なのだ。

 彼には昨日の捕えた犯人の能力及び身体的調査を行ってもらいながら、彼らを牢屋にぶち込むという作業を行っていた。


「正宗、あんたこいつの味方するのぉ?」


「そういう話ではないと言ってる。立場を考え今の場を見て判断しろという意味を理解するんだ」


「っ! そうねぇん、ありがとう」


 そういわれて手を引っ込める憲明の態度に嘲笑の声が上がった。

 ガキ相手にムキになって馬鹿したわとでも言いたげな目線が優へそそがれ嫌みに感じる。


「ひひっ、おもしろいねぇ、いひひ。人とは様々な感情を持つ」


 不気味な笑いをもらす女が一人いた。

 身にまとうのは白衣とだぼっとしたワイシャツに青いスカート。

 目にはっきりとわかるほどの熊が目立つ一方そのスタイルは抜群の魅力で顔立ちも美人の部類に入るし寝癖のついた綺麗な青い髪も妙な妖艶な感じが出ている。

 彼女――薬膳やくぜん狂音きょうねは異世界研究兼探索調査係の室長を兼任するマッドサイエンティスト。

 亜人の住む世界にかかわることや亜人関連の病状なら彼女に聞いた方が早いといわれるほどの人物。

 そして、俺の親父の失踪についても彼女、薬膳狂音やくぜんきょうねが現在も調査中。

 最後にカタカタとパソコンをいじりながら眼鏡とスーツといったいかにも知的なイメージを漂わせる寝癖頭の青年がいった


「実に頭の悪そうな喧嘩はやめたまえ。確率的に計算するとおよそこの場での喧嘩はやめるべきだと合理的な数値が出てる」


 彼は電子工学システム管理担当者、室長、可能陽一かのうよういち

 現政財界における、すべての電気を扱うものを掌握する会社、『可能財閥家』の次期当主。

 年齢はアリスと同じ。

 可能の職務は亜人世界をつなげているゲートの管理とこの世界における管理ネットワークの監視役および世界の情報管理だ。

 ここに集まったすべての人間はかなりの能力を秘めた者たちだ。

 ――ポン。エレベーターの到着音。


「来たわ、それではみなさん、さようなら。いくわよDD」


 DD――doragon destiny――運命の龍という意味合いを持つ優のコードネームを仕事の場に応じ、アリスは優をそう呼称し呼びつけた。


「あ、おい、アリス」


 アリスの冷たい態度に優は戸惑いつつも急いでエレベーターに乗り込むのだった。

 エレベーターに乗り込んでアリスはすぐに言う。

「部屋にもどったら話があるから」

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