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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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動き出す悪事

 放課後。

 いつものように帰り支度を済ましてる途中。

 教室の中は雪菜とエリス以外もういない。

 なぜなら、あと、3日後には大会がある。

 普通に考えて練習をしなくてはいけない。

 みんなチームメンバーの3日後の大会に備えて各種のグラウンドへ―――

 学校終わって早々に魔法を磨きに行ってしまっている。

 雪菜は仕事があるので教室でゆっくりと帰り支度の準備をしている。

 雪菜とエリスの場合はチーム自体のコンディションは問題ないということで練習などせず仕事ができる。

 自分の所属する会社の社長であるアリスにメールを打つ。

『これからそちらに向かいます』

 逐次、連絡が義務付けられてるので面倒ではありつつも忘れない。

「ユキナ、準備できました?」

「はい」

「では、行きましょうか」

 雪菜が一息を付いてカバンしょっていざ、出勤といったところで――

 エリスが立ち止まってることに気づいた。

 エリスの視線の先を追うように見たら教室の扉の前に来客がいた。

 綺麗なプラチナブロンドと鋭く冷血でいてどこか猫型の肉食動物を思わせるような瞳の美少女。

「リーア会長」

「どうもですわ。フェルトさん、北坂さん」

 エリスは無言で彼女を見てから「なんのようですか?」とあきらかに気分を害された感じで聞いていた。

「あら、なにか気分が宜しくないようですが大丈夫ですか?」

「平気です。要件があるなら早めに申していただきませんか? 私とユキナは用事があると言いましたよね?」

「あ、えっと、そうでしたわ。大会の話でちょっと話がありまして」

 二人して眉間にシワを寄せる。

「練習のことなら無理ですよ。用事がありますから」

「練習ではないんです。大会の戦闘についてです」

「戦闘?」

「そうですわ、北坂さん」

 コンディションに問題はないという話をしていたはずなのになぜ、そんなん話しになるのか疑問だった。

「早く要件を言ったらどうなんですか?」

「あ、そうでしたわね。予選のことなんですが祖父が病で倒れてしまいまして後半の予選が祖父の警備の仕事を受けつく代わりに出られませんの」

 警備の仕事というのはどういうことかはわからないが彼女が後半の予選試合に飲み出られないということだけは一大事だった。

「え」

「ちょっと、突然過ぎませんか? だったら、うちのチームは敗退ということになるんですか?」

「そうではないです。私の代役として代わりのものが後半だけ試合に出ます」

「代わり?」

 そういうや彼女の背後からひとりの少女が現れる。

 チャイナドレスに身を包んだモデル体型の茶髪にポニーテールで糸目を細め端正な顔立ちの美少女。

 彼女は口元をほころばせ片方の手のひらにもう片方の手をこぶしを当てておじぎする、中国のお辞儀、「抱拳礼」をした。

シェ长跑ファンランいうアル。よろしくアル」

「彼女は私の知り合いなのですわ。一般参加するはずでしたが急遽私が予選出れないという話をしたら自分のチームが脱退したから代わりに予選を出てくれるという話をしてくださいましたの」

「代役は構わないです。ですが、私たちが良くても運営側が認めてくれてるんですか?」

「ええ、運営には話を通してOKをもらっていますわ」

「よく申請通りましたね」

「祖父が運営の警備会社に勤めてることもあって運営者に知り合いがいますのよ」

「なるほど」

 やや、うたがいを持った眼差しでエリスがリーアを見てることに雪菜は気づいた。

 なにかそう悪いことを考えてるのではという疑いを持った眼差し。

「では、顔見せだけでしたので。それでは」

「大会日は宜しくアル」

 そういいながら彼女たちは教室から出ていった。

 雪菜は思っていたことがあった。

 彼女の目を見ながら聞いてみた。

「どうかしたエリスさん?」

「どうかとはどういういみです?」

「なにか疑ってるような目をしてます」

「‥‥どうもしませんよ。行きましょう」

 雪菜は落ち着かない気分を胸に抱きエリスとともに会社へ向かう。


 ******


 学内にはまた別の場所で大会をどうしようかとういう考えを持ってるものがいた。

「くそっ! あのいまいましいエルフだぁ!」

 地に足を強く踏みつけ、振動が響いた。

 彼女がいるのは学内にある第2体育館。

 周りでは数多くのドワーフが大会に向けた練習していたが突然のボスのお怒り振動を肌身に感じてその手を止めた。

「ボス、落ち着いてくださいだ」

「落ち着いてるだ!」

「あぐぅ‥‥」

 部下のひとりの首を絞め上げ彼女が必死でもがき足掻く。

 だんだんと体から力が無くなれ異失禁し始めうつろになったところで彼女は解放され咳き込みながら生を感じる。

「くそっ! 挑戦状なんてやってくれるだ!」

 ドワーフの長たる、アイシャ・デルガザスの足元に体樹をズタボロにされたドワーフの写真があった。

 それはアイシャの右腕たる部下の一人。

 今は薬膳総合研究医療センターに運ばれ治療を受けていた。

「大会で借りを返してやるだっ!」

「でも、ボス、チームはどういたしますがだ? 一人は私ですがもうひとりだった彼女がこの状態では‥‥」

「うぐっ!」

 聞いた話だとエルフのチームには謎の助っ人が入ったという。

 それは一般参加チームだったはずの一人だとか。

「うぐがぁあああ!」

 雄叫びをあげドワーフの貸切の第2体育館が激しく振動する。

 地響きが置き照明が割る。

「あらら、あれはってるやない。どないしたんドワーフのお歴々さん」

 いつの間にそこにいたのか誰も気付かなかった。

 そこには一人奇妙な紫色の髪に金のメッシュの髪をした猫を思わせるようなクリクリとした瞳を持つスレンダーな体をしたファンクファッションの美女がいた。

 美女、年齢はさほどアイシャは自分と変わらないと見えた。

 そう、美少女だ。

「あんさんのチームウチが入ってもええで」

「何意味わからねえこと抜かしてるだが! 部外者は立ち入り禁止だが。ここから立ち去るだが」

 そう言いながらアイシャのチームメイトのひとりであるドワーフが彼女へ近づき胸ぐらをつかもうとした。

 彼女はいつの間にか背後に織り彼女の脳天へっかかと落としを決め沈ませた。

「くくっ! 面白いだ! 勝利のためならどんなやつでも歓迎だ。その実力を見込んで歓迎するだ」

 ファンクファッションの彼女――ルリファンス・桜・スファンは笑みを浮かべる。


 ******


 同時刻――

 リーアは姉のお付き、长跑ファンランと生徒会室に残っていた。

 生徒会のほかメンバーは大会に向け練習している。

 それもすべて計画のために。

 計画のために優勝をしなくてはいけない。

「手はず通り優勝候補にそれぞれメンバーがひとり付いたそうですわ」

『そう、ならいいわぁー。これで私たちが世界の神になることを世間に知らしめる上で大会優勝という力の表示は大事よ。特に大会優勝者はインタビューされる全世界チャンネルで中継されると同時に――』

「大会を爆破及び、九条学園長暗殺、大会関係者および国家関係者を暗殺ですわよねお姉さま」

『ええ、大会を優勝できるように誘導する戦闘をしなさい。上手くね。優勝者はあなたよ。いいわね』

「はい、お姉さま」

 目の前のスクリーンで写っていた女性の映像が消え、长跑がこちらを見る。

「さすが、姉の前ではいい子ちゃんってかんじアルな」

「なにかいけないんですの? でも、私もこの計画には賛同いたしますわ。ただ、優勝後には姉にも消えていただきますわ」

「‥‥せいぜい気をつけるアル。ユリハネは強いアル」

「わかってますわ。それ以前に当面の目的は龍牙優を勝たせないようにする作戦ですわ」

 そういいながら彼女は『世界統治計画』なるタイトルの書かれた紙の束を触った。

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